やかましい姉
〇〇:……。
(バタンッ)
ひより:弟〜!!
自分の部屋で読書をしていると、姉がドアを蹴破って入ってきた。
〇〇:…うるさい
ひより:出掛けんぞ!
〇〇:行ってらっしゃい
ひより:一緒に行くんだよ!
無理やり外に連れ出され、車に乗り込む。
ひより:運転よろ〜🎶
〇〇:電車で行けよ…
ひより:やだよ、お金がもったいない
〇〇:はぁ……、で、どこ行くの?
ひより:決まってるでしょ?
ということで、近くのショッピングモールにやってきた。
ひより:どうする?車ん中で待ってる?
〇〇:死ぬわ!(笑)
2人で涼しいモール内に入る。
ひより:涼しい〜!
〇〇:……何買うの?
ひより:水着
〇〇:ブフォッ!…あっそう、じゃあ適当に時間潰してるわ
ひより:何言ってるの?〇〇の水着も買うんだからね?
〇〇:何でだよ!(笑)
ひより:だって1人で海行ってもつまんないんだもん…!
〇〇:誰か友達でも誘って行きゃいいじゃん
ひより:何〜?恥ずかしいの〜?(笑)
〇〇:……あ〜、うるせぇ〜
ひより:ほら行くよ
姉に手を引かれ、水着専門店に入る。
店員:いらっしゃいませ〜
〇〇:じゃあ、向こうで自分の水着選んでるから
ひより:一緒に選んであげるよ
〇〇:結構です、自分の水着を選んでなさい
ひより:え〜……
結局着いてきたので、一緒に選ぶ羽目に。
ひより:これとかいいんじゃない?
〇〇:えっ、ダサっ!
ひより:これくらい派手な方が似合うでしょ
〇〇:熱帯雨林に生息する鳥じゃあるまいし…(苦笑)
ひより:じゃあこれは?
〇〇:…なんでブーメランパンツなんだよ(笑)
最終的に地味な紺色の海パンを購入することに。
ひより:じゃあ、メインディッシュといきますか
〇〇:外で待ってるわ
ひより:逃がさないよ?
姉に思いきり腕を掴まれ、女性用水着のコーナーに連行される。
ひより:どんなのにしよっかな〜
〇〇:なんでもいいんじゃね?
ひより:…そんなんだから彼女できないんだよ
〇〇:関係ねぇだろ(笑)
ひより:これとかどう?
〇〇:…微妙……
ひより:そう?似合ってると思うけどな〜
〇〇:身長高いんだし、その辺意識して選びなよ
ひより:…なんか生意気〜
その後も30分以上悩み続ける。
〇〇:…そろそろ決まんない?
ひより:決まんない
〇〇:はぁ……
ひより:〇〇だったら彼女にどんな水着着て欲しい?
〇〇:水着を着て欲しくない
ひより:元も子もないわ(笑)
〇〇:…こんなんでいいんじゃん?
ひより:おぉ〜、いいんじゃん?
〇〇:じゃあさっさと会計して帰るぞ
レジでお会計を済まし、お店を後にする。
ひより:帰りにアイス買ってこ?
〇〇:はいはい…
モール内のアイス屋さんに行く。
店員:いらっしゃいませ
ひより:いちごのソフトクリームを1つと
〇〇:抹茶味1つで
店員:かしこまりました
ソフトクリームを受け取り、車に戻りながら頬張る。
ひより:ん〜、美味しい〜
〇〇:……。
ひより:何か感想言いなさいよ
〇〇:連れ回されて疲れてんだよ(笑)
ひより:しょうがないな〜、はい、あ〜ん
そう言ってスプーンが差し出される。
〇〇:んっ……
ひより:可愛いね〜(笑)
〇〇:シバくぞ(笑)
車に戻り、エンジンをかける。
〇〇:はぁ〜、疲れた
ひより:ありがとね
こうしてやかましい姉とのショッピングは幕を閉じたのである。
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