213-久美と史帆の誕生日 24年版
史:つかれだ~…!
ある日、仕事終わりの史帆はこの日の勤務を終え、更衣室で着替えていた。
荷物を持って車に乗り込み、家に帰る。
史:ただいま~
美玖:おかえり…
家に帰ると、美玖が台所で料理をしていた。
美玖:先シャワー浴びてきちゃって?
史:ん~…
◇
そしてシャワーを浴びた史帆が髪の毛を乾かしながらリビングに入ってくると、
ひなの:ささっ、お誕生日席に座って
ひなのに促されるまま席に着き、グラスを持つ。
美玖:じゃあ史帆お姉ちゃんの誕生日を祝って、乾杯!
全:乾杯!!
グラスを鳴らし、のどを潤す。
菜:久美お姉ちゃんもいれればよかったんだけどね~……(苦笑)
この日、久美は当直勤務で職場に残っているので、このお誕生日会には参加できなかった。
陽菜:しょうがない…(苦笑)
◇
そして深夜、史帆がリビングで一人お酒を呷っていると玄関のドアが開く音がした。
久:ただいま…
久美が当直から帰ってきたのだ。
史:おかえり
久美はソファの横にバッグを置き、お風呂場に直行する。
そして久美のお風呂上がり、二人で晩酌をする。
久:私たちももう23か~…
史:早いね~…
アルコールの間にさきいかをつまみながら、昔話に花を咲かせる。
久:小学校卒業からもう10年だもんね
史:あ、でもまだ10年なんだ、もう20年くらい経ってる感覚だったわ
久:でもあの頃って気楽だったよね~、毎日学校行って遊んでご飯食べて寝てるだけだったもん…
史:まぁそれは極端だけど、今ほど背負うものも無かったしね…
今でこそ一家の大黒柱として奮闘している二人だが、当時は祖母が生きていたりまだ幼かったりと、背負うものが自分の分だけだった。
久:みんなもおっきくなったよね~
史:あの時からじゃ全く想像できないもん…(笑)
久:なんか感慨深いね……
史:ね……
そう言って二人ともアルコールを流し込む。
久:なんか涙出てくる……(涙)
史:いいよ、今だけは二人きりだから好きなだけ涙流しな…
そんな二人の会話を階段の上から聴いている人影が二つ。
ひなの:…ティッシュもらっていい?
美玖:いいよ…(笑)私も拭いたいから…
姉たちの心の内を聞いて、人知れず涙を流すひなのと美玖です。
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