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ワーク・ライフ・バランス。それは全てをこなすスーパーマンになることじゃない。

こんにちは。おひさまの光が大好きなひなたです。

最近は夜もミーティングや勉強会が入ったりとやることがたくさんで、久しぶりの投稿です。

それにしても、自分のやりたいことをやるって、こんなに時間を忘れるくらい楽しいだなんて、この年になるまで知りませんでした。残念。

やらされないって大事。
やらされなければ、人はちゃんと自分でやるんですね。
これは、子育ても部下育成も同じですね。

さて、今回は、ワーク・ライフ・バランスについて。

私の職場でも職員を対象に、もう10年近く実施している研修テーマの一つです。
仕事・家事・育児・介護・余暇。これらをいかにバランスよく保つか。

大切なテーマだけれど、初めからあきらめモードの人や聴講後も現実は厳しいい・・という声が大多数なのも事実。
開催している身としても、何かしっくりこないなあ、、なんて考えてはいたのですが、ようやく気が付いたことが一つあります。

今回はこれについて書いてみたいと思います。

美談はやめよう

みんなワーク・ライフ・バランスに価値を感じないわけではない。

それでもあきらめムード冷めた雰囲気が漂うのはなぜなのか。
「バランスなんかとれませんよ」と言わせるのはなぜなのか。

私は、大事なことに気が付いていませんでした。

それは
「人間はそんなにたくさんのことを一人じゃできないんだよ」
これを、一番に伝えなければいけなかったということ。

こんなにたくさんのことを一人で背負うことなんかできません。

だから、男性も女性も一人一人が活躍するためには
少子化をとめて、親子の笑顔が溢れる世の中にしていくためには

職場でも家庭でも、みんなで協力しないといけない。
どこまでも話し合いながら
「どこをゆるりと手をぬくか、どこに力を集中しようか」
それを考えなければいけないんだよ、と。

職場でも、家庭でも
全部を一人でこなそうとしてはいけないし
誰か一人に負わせてはいけない。

全部100%をこなすスーパーマンを美化しちゃいけない。
(仕事・家事・育児・介護・余暇)×100%=500%
はじめから無理ですよね。だから押し付け、いがみ合う。

100%やらなければいけないと思いがちな
真面目で実直な日本人だからこそ。
無理でいいんだよ、って言わなければいけなかったんですね。

手抜きって生きる知恵です。
楽をすることはずるいことじゃない。
みんなで協力して、いかに幸せな時間をつくるのかに
知恵をしぼらなくてはいけなかったんですね。

急激に進んだ長寿が突然人生のバランスを変えた

そもそも、女性が社会進出を果たしてから、歴史的にはそんなに長くないのです。

昭和初期は、男女ともに平均寿命は60代、一生に産む子供の数も4人を超えました。
女性に関してだけ言えば、子供を必死で育て上げ、末の子が育ったころには孫が産まれる。
その後、余命は10年ほどだとすると、子を育てあげることで女性としての一生を全うしたのかもしれません。

その後、高度経済成長期、男は外で稼ぎ、女は家を守ることで日本は繁栄してきました。

そして、女性の学歴があがり、世の中は製造業からサービス業へとシフトしていく中で、女性も外で仕事を持つのが当たり前になりました。それはごく最近のこと、少なくとも今の60代の方ぐらいからではないでしょうか。

介護保険法が施行されたのは、今から約20年前の2000年。
平均寿命はぐんぐんと伸び、いよいよ介護問題が人生で大きなウエイトをしめるようになりました。

そう、この2世代程の間に、人々の価値観の変化よりも早く、女性には家事と育児に加えて仕事や介護の問題までも降りかかってきたんです。

三歳児神話や良妻賢母等という言葉は、最近こそ耳にしなくなったけれど、まだまだ無言のプレッシャーが社会にあるのは事実。
年齢があがるにつれ、女性は家を守るべきという価値観を持つ人の割合が高いのは、いろいろな調査からも明らかです。

逆ピラミッド型の人口構造の社会では、若い世代声が声をあげにくい。

だからこそ、その厳しさを知る私たちが、今頑張っている子育て世代に
「スーパーマンじゃなくていい、そんなものは絵空事なんだ」
と伝えてあげなければいけないんだと思います。

「フルタイムで仕事をしながら、家事も育児も介護も自分の時間も全て完璧にこなす」
そんなロールモデルはいない

と思っています。

男性のロールモデルはもっといない

同じく、職場で見ていて思うのは、男性の男性に対する厳しい要求

子育てを頑張りたい。

仲間同士では言えても。

上司の前で言えるかどうか。

「定時に出なければいけません。お迎えがあるんです。」
みなさん、部下に言わせてあげているでしょうか。

介護休暇も同じですね。

働きざかり、ましてや役職のついた男性となると本当に言い出しにくい。
それはイコール、ステータスを失う、働く意味までもを奪うという恐怖になりかねない現実がありますね。

人を頼り、頼られる。
これがあまりに苦手な人が多いです。

手抜きは人生を豊かにする知恵

「なんでもやり過ぎはよくない」
娘が体調不良になってからお世話になっている婦人科の先生が
お会いするたびにおっしゃいます。
分刻みで問診が入っている先生がおっしゃるので
ついつい笑ってしまうのですが、本当にそのとおりだと思います。

おかげさまで、娘の体調は劇的に回復しました。
私もすっかり穏やかお母さんになりました。

お父さん、お母さんの姿を、今の子供や若者はどんな風に見ているのでしょうか。

苦しい母親像は、ますます日本の少子化を推し進めていないでしょうか。
苦しい父親像は、ますます未婚を進めていないでしょうか。


個人が自分の人生をどう生きるかは自由です。

それでも、一人よりは二人、二人よりは三人。
家族を持てることは、やっぱり素晴らしいことだと思うのです。

家族を持つという選択肢を世の中の生きづらさが奪うことは悲しいことです。

輝いている人の特徴

人はそれぞれ、他人には見えないものを背負って生きています。

よく聞けば、ご両親が病気だったり、自分が闘病中だったり。
大変なはずなのに、いつも笑顔で素敵だなあ、と感じる方がいます。

そんな方に共通する特徴として

困ったときに、素直に人を頼ることができている
弱いところを見せることに抵抗がない
いつも周囲に感謝ができている
仕事に使命感を持っている
自分の時間を大切にしている

こんなことがあるように思います。

自分が大切にしていることがはっきりしていて、取捨選択している。
きちんと人に頼る。そして自分も頼られる。
そのために大切なのは「人を信じる力」ですね。

ワーク・ライフ・バランスは
全てを自分でこなすことではなくて人としてバランスがとれている生き方なんだと思います。

私にもまだまだ学ぶことがたくさんあります。

お母さんが、お父さんが活き活きと自分の人生を楽しんでいる。
そんな姿を未来を生きる子供たちに見て欲しい。

これこそが日本の人口減少を食い止める第一歩だと信じています。



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