火水イリイ

ひみ いりい。 文章を書く人、創作する人たちと繋がりたくてnoteをしています。not…

火水イリイ

ひみ いりい。 文章を書く人、創作する人たちと繋がりたくてnoteをしています。note創作大賞2024参加予定。〜7/23あたりまでフォロバ100😚

マガジン

  • ブックレビュー

  • 書き上げるまで

    何者でもない人が35万字の物語を書き上げるためにやった全ての努力。書き上げたあと、さらに書き続けるための全ての試行錯誤。

  • note創作大賞2024 盛り上げ

    note創作大賞2024に参加します。作品や所感の置き場です。

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    1000文字前後の3分で読める物語

最近の記事

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書き上げるまで

 2023年冬。私はある物語を書き上げるために仕事を辞めた。  健康上、仕事上の問題もあったが、当時6割ほど構想が固まってきた物語に、あと少し労力を費やし、あと一歩踏み込むことができれば、絶対もっとよくなる、後悔しないと思ったからだった。  在職中と合わせ、通算で八ヶ月かけて物語は書き上がって、然るべき処置を取った。  分量としては本2、3冊分になる。35万文字程度だ。ここでは物語それ自体を話題にはしない。  いまここで重要なのは、私が何者でもない、ということだ。

    • うっかり海外文学の日本語訳を写経した結果

       3月半ばから小説写経を試みている。小説写経というもの、基本的には文章力を上げたり、使える語彙を増やしたり、作家のテクニックを盗む目的が強いので、大概は文章力に定評のある日本人作家を選ぶものだと思う。  私は何を思ったのか海外作家でやってしまった。今日はそういう話だ。 小説写経の基本情報小説写経とは何か  読んで字のごとく、小説をそのまま写しとるトレーニングのことだ。トレーニングではなくて、作品に特別な思い入れがあって試みる場合もある。今まで、『聖書(が小説かどうかは置

      • 「イエス」と言って生きていたい

         公開から少し時間が経って、30スキか、15スキに落ち着いた記事には、300スキと150スキを比較検討するくらい分析の余地があると思っている。  それぞれの記事で、なんとなく心に置いていたことには自覚がある。  健闘した記事を書いている時の自分は、鬼滅の刃で例えると「竈門炭治郎」的だった。がんばれ、がんばれ、自分負けるな。こんな大変なこと、次女だから乗り越えられたけど、三女だったらきっと挫けてたはずだ──。みたいな気持ちで書いた記事は、他の人の心を少しは動かすことができた

        • 新川帆立さん×秋谷りんこさんのYoutube対談が、熱くて創作者に有意義だった

          創作大賞2024のイベントで、新川帆立さん×秋谷りんこさんの対談を視聴した。 秋谷りんこさんは、まさに今日『ナースの卯月に視えるもの』を発売され作家デビューなさる。 お二方による対談は、そんなことまで話してくれるのか!と驚くくらいに、創作への取り組み方や熱量までびしびし伝わってくる。もっと聴いていたかった。

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        書き上げるまで

        マガジン

        • ブックレビュー
          2本
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        • note創作大賞2024 盛り上げ
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        記事

          人生の夏休みの思い出づくりに、note創作大賞2024に参加する!

          楽しみたい 創作大賞2024年が盛り上がってきている。7月下旬の締切なら、私も何か出せるかな? とはいえなんとなく二の足を踏みつつ、他の方の参加表明や、2023年の受賞者インタビューなどを読み、じわじわと熱伝導していた。  昨年の受賞者へのインタビューや、秋谷りんこさんの記事を読み、「そうか、これはお祭りなんだ」と実感がわいた。  いままでnoteでいくつかアカウントを持ってきた。日常エッセイ、仕事エッセイ、漫画投稿……どれもそれなりに真剣に取り組んでいたけど、何か足りな

          人生の夏休みの思い出づくりに、note創作大賞2024に参加する!

          ユーモア小説と呼ばれたい

          半年、無職で生き抜いた 去年の暮れに前職を辞めた。ハローワークの職員が、けっこうしっかり相談にのってくれて、失業保険の受給が最大90日のところ、300日に伸びた。かかりつけの医師との相談や、1〜2ヶ月かけて書類作成も必要になる(ただしんどくてゆっくり準備しただけだけど)ので、誰もができるわけではないことはことわっておく。  実際、体調が本当によくなったと思えるようになったのは、辞めて3、4ヶ月経ったあたりだったので、本当、運がいいと同時にありがたかった。  失業保険が受給

          ユーモア小説と呼ばれたい

          自分の「文体」を手にいれる

          「作風」を持つことに憧れる  漫画を描いたり、たくさん読んだりしていると、「画風」という言葉がなじみになってくる。絵を見れば一発で「あの作家だ」とわかること、漫画家を志すときには、そういう作家に自分もなることが憧れになる。あとはどんな作品を描いても「〇〇先生の世界観」と言われ、喜ばれるようなもの。少年漫画だと荒木飛呂彦がわかりやすく特徴的かもしれない。  作家でいうと文体になる。言葉の選び方や、漢字とひらがなのバランス。文の流れ方。村上春樹ほど特徴が前面に出ていなくても、

          自分の「文体」を手にいれる

          女性は文学世界をどのように作り上げているか

          女性の文豪  文豪のことを考えていて、私は女性なので「女性の文豪を挙げられなかったな……」と思わずにいられない。  女性文豪は母数からして多くない。私もまだちょっと、どうやって歴史の中の女流文学世界にランディングすればいいのか決めかねている。悩まないでとにかく面白い、と思える作品も当然あるけれど。  過去の(現在もおおかたそうだけど)知識人は男性が大半だ。「当時の文豪たちを評価したのは、ほとんど男性だったのではないか……?」と頭をよぎった。場合によっては……私が苦手な芥川

          女性は文学世界をどのように作り上げているか

          文豪はアラフォーで何をしていたのか

          30代は棚卸しのとき Podcastで、ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」という番組がある。以前よく聴いていた。今はPodcastではなくAudibleを聴いている。  その中で、スーさんが「30代は人生の棚卸しのとき」と言っていた。当時私は36歳くらいだった。  私は30代に入ってから、在野ではあるけれども生涯追い求める学問を定めて、アウトプットとして物語を作っている。勉強を始めてからは七年ほど経過した。アウトプットは、物語制作は三年、小説に定めた

          文豪はアラフォーで何をしていたのか

          なぜ、小説に「彼」「彼女」を使わない方がいいのか考えてみた

          これからの指針 本題に入る前に、noteのインプレッション(ここではスキをいただくことと定義)について考察したことを書いておきたい。  私は自分の記事に20以上「スキ」がつくと、健闘できたなと思う。20スキを超えた記事について振り返ると、2点特徴があるような気がした。 訴えたいことが明確 情報提供をしている  noteを書くにあたって、自分が心がけていたのは「1.訴えたいことが明確」のみだった。むしろリンクなどの情報提供は避けてきた。単純に文章の流れが削がれて読みに

          なぜ、小説に「彼」「彼女」を使わない方がいいのか考えてみた

          モヤモヤをありがとう

          小説教室で赤をいっぱいもらった 一ヶ月ほど前に仕上げて提出した物語作品に、講師からの添削がやまほどついて返ってきた。  教室に初登校するまでに、講師の小説作品は一読しており、自分が馴染みにしている題材ではないものの作品世界に没頭でき、文章もぐいっと迫りくる感覚があって尊敬していた。その先生にここまでしていただけることが驚きで嬉しかった。  先生の作品で「ここがいい」とか、作風を把握しておけたというのは教室に臨むうえでいい選択だった。先生の目指す文学と、自分の目指す物語の差

          モヤモヤをありがとう

          小説教室で1万文字の短編を書いた

           今月から月に1回小説教室に通う。  頻度としては少ないように見えて、毎月一本短編を仕上げて提出するので、心の中で占める割合は大きい。  小説教室に行こうと思ったきっかけは、長編を仕上げたからだ。  これまではいろんな本を乱読していたが、もっと「小説」を読みたいとか、「小説」のことがもっと知りたい気持ちが強く明確になったのは、自分でも一本作品を書き上げたことから生まれてきた。  「小説を書いてる人に会いたい」とも思った。 体験教室で早速発見があった 引き出しが増える・・

          小説教室で1万文字の短編を書いた

          論理による自由と、物語による自由

           なぜ私たちには物語が必要なのだろうか。なぜ論理やファクトの積み重ねだけでは生きていけないのだろうか。  研究成果とか、賢者による思索の体系を吸収しているだけでは、自分の中に余白がなくなっていくのはなんでだろうと、真剣に考えてみる気になったのは、短期間に学術書を詰め込みすぎて、文面を眺めているだけで吐き気が襲ってくるようになったからだ。  ああ、なんて、たいした頭脳じゃないないんだろう。それでも本という人類の知の結晶からは離れる気が起きず、知性を隙のないジグソーパズルのよ

          論理による自由と、物語による自由

          夜泣きのエッセイ

          作品を作る前の自分 現在は物語作品を「書き上げること」をテーマにマガジンを書いているが、作り上げるべき作品に取り掛かる前段階の自分には一定のパターンがある。  何を作るか、作りたいものの骨子もはっきりとはわからない状態の中で、「何かを言いたい」衝動が先にどんどん膨らんでいく。ある程度膨らみ切ったところで作品としてまとまりのあるものの構想が見えてくる。構想が見えてくると、他に何をしていてもそわそわし、発想のほとんどが作品の方に引っ張られていく。  「書き上げるまで」というマ

          夜泣きのエッセイ

          ダイアローグは最後に悩む

          ロバート・マッキー『DIALOGUE』で物語に磨きをかける さあいよいよ第三稿で物語に磨きをかけるか、というタイミングで、ロバート・マッキー氏のストーリーテリング三部作のうち未読だった『ダイアローグ』を読んだ。終盤になった理由は、我が心の師マッキー氏が、「ダイアローグを考えるのは最後」と語っていたことに忠実だったからと、単純に、本を買うのを躊躇するほど生活費が不安だったからだ。  三部作を揃えると一万円に届く。名著なだけに二次流通の値崩れも起こりにくい。  実際これらの本は

          ダイアローグは最後に悩む

          あこがれる文体と、「好きなことを仕事にするか」という命題への一次回答

          文芸誌を手に取った 遅いタイミングとは思いつつも、文学ムック「ことばと vol.7」を読んだ。2023年11月上旬に刊行済。「第五回ことばと新人賞」の受賞・佳作作品と選評が掲載されている。  先に断っておくと、私はこの新人賞に応募したわけではない。経緯としてはちょっと回りくどいが、私は朝日新聞ポッドキャストの熱心なリスナーだった。朝日新聞つながりで本の情報サイト「好書好日」も知っており、そのなかのインタビュー記事「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」で、ことばと

          あこがれる文体と、「好きなことを仕事にするか」という命題への一次回答