申の干支の像ー娘のお誕生を祝って
先日から自宅のあれこれを片付けていた。
母が持ってきたものをすべてチェックしていたわけではなく、片付けもできていなかったので、母が使っているクローゼットにあるものを見て(決して私が勝手に見たわけではなかった。)、見つけてしまった、大切なもの。
これは夫の実家にもある。
娘が生まれるのが翌年の1月だとほぼほぼ確定していたので、12月初旬に実家に帰る私に、お父さんが、高岡銅器の置物の申の干支を実家にも贈ってくださった。
女の子だということはわかっていた。
お父さんががっかりするからしばらくは言わないで、と言われていたが、確か知っておられたと思う。先生に性別をお聞きするなどという、いらんことを私はしたらしい。
長子が女の子でも、お義父さんは、とってもかわいがってくださった。
初めて対面した時にも、
このあたりが賢そうや・・・。
と下頬を撫でて嬉しそうにされていた。
そのお義父さんがくださった申の像が出てきて、取り出すと、なんと、台座からサルの足が離れていた。
これは一大事!と思い、私は一人で対策を立てた。
スマホで、どこに行けば直してもらえるかを探したら、なんとYouTubeで、自分で何とかする方法が出てきたが、配管でもあるまいし、それは無理だと悟った。
そして、もう一度調べたら、名前をよく知っている大きな会社の広告に行き着いた。
もう、誰でもいいから直す方法を教えてほしい・・・。
電話していた。
あのう、こちらにお電話していいものかどうかわからないので、もし違っていたら許していただきたいのですが・・・。
と言って、用件をお話すると、
だったら、直せるものかどうか、とりあえず写真送ってもらえますか?
東西南北から写真を撮ってもらって・・・。
と言われた。
今気づいた。とんでもない大きなものを想像されていたのだろうか?
東西南北だなんて・・・。
それから、お近くですか?
持ち込めます?
とのことだった。
うちのメール、わかります?
仕事も家事も放っておいて(ときは家じゅう大片付けのさなか。)、とにかく私にとっては急を要することだったので(これで娘の身に何かあっては困る。なにせ、彼女を小さいときには「サル子!」と言ってはトレーニングさせていたくらい、彼女は申である。)、とりあえず、すぐに申の置物の写真撮影をする。そして、写真を添付し、20分後にはメールを送信していた。
夕方、教室で、
一度お持ちください、見積もりしてみます。
と返信があった。
ああ、良かった。
とにかくサル子、いや、干支の申の置物を、なんとかしよう。
それにしても、母に聞いてみたら、
こんな風にはしていない・・・。
という梱包の仕方だったらしい。
転勤で、引っ越しを重ねた私には、この包み方がひどいということがわかる。
母なら怒っていたけど、そういうことをする人でもない。
というか、母は、大阪から西宮に移ってから、この像を見ていなかったらしい。そして今家にいる。
とりあえず、この申の置物は、とにかく発見されたがったのだろう。
普通は、タオルなどにくるむか、梱包材で丁寧に梱包し、そして小さな箱に詰めて、これは割れ物だから、あるいは丁寧に扱うものとしてシールを張ってしかるべきである。
なのに、お義父さんごめんなさい。
申は、粗末な厚めのスーパーの買い物袋に入れられて、台座と足が離れて登場したのである。
高齢の母のことだから、私は追及しなかった。
孫たちの作品や手紙などは大事に大事に箱に入れて取っている母である。
娘たちからだけでなく、婿たちからの贈り物も、包装紙まで大事に取ってある母である。母を詰ることではないと思う。
とにかく母である。
私は、この、サル子、いや申の置物を何とかせねば・・・。
ということで、仕事であれこれある明日は無理だけれど、明後日、私はサル子を持って、ある会社に行ってくる。
ちょっと怖い。
なぜなら、あの・・・、という名店である。
私などのような、後から来た新参者が出入りしていいのだろうか?
かと言って、誰かに相談するなんて絶対にできない。
秘密裏に処理しなければ・・・。
ということで、何度目かの勇気を出して行ってくる。
とはいえ、私の方は、新しい職場やあちこちに行って、違う場所から来たことをいまだに気にしているようなところがあるし、あれこれ言われてきたものの、今までなんとかならなくて、ご協力いただけなかったことなどなかった。
なんとか今回も・・・。お願いです。
と言いたいところ。
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