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音楽ド素人のライブ超初心者、人生二度目のライブでぼっち参戦する。

音楽ライブ行ってみたいけど、チケットとれないんでしょ?
音楽ライブ行ってみたいけど、チケットお高いんでしょ?
音楽ライブ行ってみたいけど、ローカルルールわかんない。
音楽ライブ行ってみたいけど、全部の曲までは知らない。大丈夫?

とまあ、個人的にはハードルが高いなと思い込んでいて、今までスルーしていた音楽ライブ。
一度だけ参加したことがありますが、人生初ライブにして唯一参加したライブというのも友人に誘われてのことだったので、当時の自分一人では絶対に行けなかったし行かなかったと思います。
しかも私、特に音楽ファンというわけでもなく、いつも音楽を聴いているわけでもなく、聴く音楽も偏っていて(ゲームのサントラやV系バンドが多い)、音楽用語も覚えられず、知識もないに等しい(音楽の成績は2)。
そんな私が、なぜ2024年になって突然、ライブにぼっち参戦しようなどと思ったのか。
今回の記事は、そんな超初心者のライブ参戦レポートです。

人生初ライブ

 初めて音楽ライブに参加したのは、うろ覚えですが、5月にビッグサイト(?)で行われたLUNA SEAのライブでした。友人に誘われての参加だったので、チケットの手配も、現地に行くのもすべて友人任せでした。ライブが始まるのは夕方なのに、それよりもずっと早い時間に行って暇を持て余し、ばっちり日焼けしたのは覚えています(笑)。暇を持て余しといっても、初めて行く場所・初めて体験するイベントのワクワク感や、待ち時間に聞こえてくるリハーサルの音などもあって、苦ではありませんでした。そしてライブが始まると、特にワーキャー騒ぐタイプではないんですが、普通にノッていました。最後は近くのまったく見ず知らずの人とも手を取り合って、ばんざーいで締めて拍手。不思議な一体感がありました。
 楽しかったけれど、当時は金銭的に余裕がなかったのと、今みたいにインターネットで情報もチケットも何でも簡単に手に入る環境ではなかったので、それ以来ライブには行かずじまいでした。

 あれからX年。今回はチケットを取ってくれる人も一緒に行く人もいません。何から何まで自分一人で行わねばならない、ぼっち参戦です。よく行く気になるなと思う人もいるかもしれませんが、他人は関係ありません。私が行きたいから行くんです。

今回参加するライブは

 今回参加するライブは、2024年5月4日(土)摩天楼オペラの17周年記念ライブ@渋谷です。
 実は摩天楼オペラを知ったのは2023年の11月くらいで、ライブ初心者どころか、オペラー超初心者(入門者?)でもあります。きっかけはYouTubeでボーカルの苑さんの”歌ってみた”動画でした。「すごい! 上手い!」と感動し、「摩天楼オペラの楽曲も聴いてみたいぞ」と思い、検索してとりあえず出てきた比較的新しめのMV『真っ白な闇がすべてを塗り替えても』を視聴してみたら「なにこれ、かっこいい!! 摩天楼オペラいいじゃん、いいじゃん!!」となりました。一目惚れならぬ一聴き惚れでした。
 そうして摩天楼オペラ漁りをしていて『喝采と激情のグロリア』のライブ映像に出合い、苑さんのアカペラを見て「これは生で聴いてみたい!」と思いました。
 その後に出たアルバム『EVIL』はもちろん買い、改めて「すげ~!!」となり、すっかりハマってしまいました(笑)。

ニワカのくせに、なんだって急にライブに行こうなどと

 実はライブ行こうかなと思ったのは今回が初ではなく、2月の摩天楼オペラのライブ(EVILツアー)のときでした。ライブ開催前日の夜、まだ僅かながらチケットがあると知って「ちょうど予定もないし、一度生で聴いてみたいと思っていたし、EVILの曲が多めならなんとかついていけそうだし、ノリと勢いで申し込んじゃおうか(笑)」と。しかしライブ経験がないので、まず会場を調べるところから始まり、そこからルートやスケジュールを考えて、チケットの購入方法を調べて、そしていざ買おうとなったら「会員登録してなーい」で躓き、申込期限を過ぎてしまったのでした。初心者がギリギリに駆け込むのはよろしくないですね。全然ノリと勢いで突っ走れませんでした。ノリも勢いも足りませんでした。
 ただまあ、この一件で「ライブチケットは取れない」という先入観が崩れたのは大きかったです。私てっきり、ライブのチケットというものは、申込開始前に電話やPCの前に張りついて開始と同時に急いで申し込む、”チケット争奪戦”をやらないと取れないものだと思っていました。面倒くさがりな性分なのでチケット争奪戦には参加する気になれないんですが、チケット争奪戦をやらなくていいなら、次の機会にまたチャレンジしてみようと思えたわけです。
 そうして巡ってきた次の機会というのが、今回のGW。特に予定がないし、場所も近いし、連休だから帰りが遅くなってもクタクタになっても大丈夫だし、GWまで時間があるからゆっくり準備する余裕もある! これはもう「この機会を逃すな。行け」という天の啓示にしか思えませんでした。

出陣までの道のり

チケットを買う

 ライブどころか、コンサートや舞台芸術も観にいくことがないので、チケット販売サイトを調べるところからスタートです。代表的なサイトで「ぴあ」、「イープラス」、「ローチケ」とありましたが、違いがよくわからないし、どうせ大差ないだろうということで適当にイープラスにしときました。
 チケットは転売防止のためか、ゲスト購入ができないんですね。管理が大変だから私はなるべく会員登録というのはしたくないんですが、しかたありません。登録してライブを選んで購入完了です。
 今回行きたいライブは「全席指定」と書かれていたので、映画のチケットのように購入時に座席を選ぶのかと思っていたんですが、映画と違って自分で座席は決められないんですね。「どこになるかは発券されるまでのお楽しみ♪」と。素人オブ素人なので初めて知りました。

予習

 行くと決めたからには、当日まったくついていけないということがないように予習はしておきたいもの。しかも17周年記念なので、昔の曲も当然やるだろうことは予想できます。そして17年も活動しているバンドとなると曲数は余裕で100は超えるので、さすがに1~2か月で全部は覚えられません(しかも今時のアーティストは技術力が高いので難しい楽曲が多く、覚えにくい)。どのみち、ライブでの”フリ”やローカルルール的なものもわからないので、これはもう「知らない曲があったっていいじゃない」と、むしろ新曲を聴きにいくつもりで割り切りました。
 割り切りつつも、新しく購入したアルバム2作の収録曲と、YouTubeで視聴できる有名曲のいくつかは覚えられました。「頑張って覚えなきゃ」と義務のように思うとただの苦行になってしまいますが、いい曲が多くて普通に「あれも聴いてみたい」「これはどんな曲?」と興味がわくので、予習といってもお勉強と違って苦じゃありません。たぶん予習を義務と捉えると当日も楽しめなくなると思うので、「覚えなきゃ」と思うくらいなら予習なんてやめて「当日はどんな曲が聴けるかな」とまっさらな状態で臨むほうがいいと思います。

チケットを手に入れる

 チケットは購入できたものの、チケットそのものはライブの数日前にならないと発券できないんですね。アプリで完結するスマートチケットという方法もありましたが、
「アプリを入れるのが面倒くさい」
「個人的にスマホがアプリだらけになるのが嫌」
「素人オブ素人なので最初はアナログから」
という理由でコンビニでの発券を選択。発券開始期間になったら、コンビニに行ってマルチコピー機でチケット購入ボタンを押して、あとは画面の指示に従うだけなので簡単でした。そしてついでに値引きされていたパンなんかも買っちゃったりして、まんまとコンビニの戦略に乗せられた感もありましたが、ふだんコンビニで買い物はしないので、たまにはいいでしょう。

服装

 ビジュアル系バンドの服装といえば黒服! ですが、私の服装選びの基準は天候第一なので、周りから浮いていようがかまわず、天候優先で選びました。といっても、もともと黒や寒色系の服が多いので、そんなに浮くことはなさそうですが。
 靴はスニーカー! といっても、合理主義な私はおしゃれのために歩きにくい靴を我慢して履くなんてことはせず、普段から履きやすい靴(ほぼスニーカー)しか履かないので、悩むまでもありません。冬だったらブーツにするかもしれませんが。
 そして荷物(バッグ)は必要最小限で軽く! 慣れない場所、初めて行く場所はそれだけで疲労がたまりやすいので、疲労軽減も重要な要素です。
 最終的にしまむらファッションみたいになりましたが(笑)、主目的は音楽を聴きにいくことであり、ファッションショーに行くわけではないので正直、快適に音楽を聴きにいける服装なら何でもいいと思います。

会場へ向かう

 今回の会場はLINE CUBE SHIBUYA(旧渋谷公会堂)なので、最寄り駅は「原宿」か「渋谷」です。どちらも好きじゃない駅ですが、「渋谷」より「原宿」のほうがマシということで「原宿」から行くことにしました。
 原宿といえば、神宮橋。ビジュアル系バンド好きにはおなじみの場所で、かつてはここに黒服姿のファンが大集合していました(直接見たことはありませんが、メディアを通じた情報で知っていました)。しかし令和の今、神宮橋には黒服をまとった人々がいません。かつてここでバチバチやり合っていたネエチャンたちはどこに行ってしまったんでしょうか。
 ちょっと早めに着いたので、何年(十数年?)ぶりかの竹下通りを覗いてみたんですが、とにかく人が多すぎて大渋滞。初代ロマサガの雑魚敵かよと言いたくなるレベルでギッチギチ、全然進まないし進めない。外国人観光客がとても多く、店もかつてとはガラリと変わったような。ファッション系の店が減って、推し活グッズなるものを扱うファンシーなおもちゃ屋のような店が増えたような気がしますが、昔からこんなんでしたっけ? 芸能人グッズの店が多かったのは昔も同じだとは思うんですが、何か違う。何にしても渋滞ひどすぎて今の私にはとても楽しめる場所ではないので、さっさと会場へ向かうことにしました。

 16時15分くらいに渋公ことLINE CUBE SHIBUYAに到着。道はわりと単純で、グッズを持っている人や黒服の人もちらほら見え始めるので、初めてでも迷わずスムーズに行けます。建物の横には小さい公園のようなスペースがあって、そこに待機列がありましたが、暑い日に直射日光浴びながらよく待てるなあと感心しながら通過。並ぶ人は帽子や日傘やサングラスがあるとよさそうです。

建物の出入り口にはお花がいっぱい

 まだ入り口は開かないので、ルート探索と飲食店チェックをしにプラプラ。ちょっと歩くと渋谷パルコや渋谷の繁華街に出られるので、ライブ後の夕飯にも困らなそうです。付近の飲食店にも”それらしき人”の姿が見えたので、涼しい店内でくつろぎながら開場を待つのもいいですね。
 16時35分頃に戻ってくると”それらしき人”がさらに増えていました。公式グッズの衣装や黒っぽい服の人がやはり多いんですが、カジュアルな服装の人もいます。集団で固まっている人々は黒系が多かったです。
 16時45分、いよいよ入場開始。強い日差しに耐えて頑張っていた待機列の人々が続々入場していきます。列の終点が見えたら行こうかなと思っていたら、建物の前では立ち止まるな、そこで待つなということで、結局皆この太陽光線地獄の待機列へ誘導されたのでした。気温26.2度、西日が暑かったです。日陰は涼しかったんですが。

いざ、開演

入場

 チケットを見せて入場すると、グッズ購入の列がすごい! 階段のさらに上まで延びていて、買えるまでどのくらいかかるか見当もつきません。そして、あとからどんどん人が来る! 
「おぉ~、ここが渋公かぁ~」
なんて館内を眺めたり、写真を撮りまくったりする余裕もなく、真っ先にトイレに向かいました。そのトイレも1階はすぐ埋まってしまうので上の階でトイレ探しすることにしましたが、グッズ待ちの列は結局3階まで延びていました。もう少し早い時間に開場して、余裕もって物販コーナーを眺められればいいと思うんですが、会場の都合で難しいんでしょうか。

エスカレーターで上がったところにメンバー写真

 エスカレーターで上がったところにサイン入りのメンバー写真があったんですが、彩雨さんの「シブコウ」の文字が「シスコン」に見えて「シスコン!?」となったのは私だけでしょうか。私だけでしょうね。思わず近づいてガン見しちゃいましたよ。最近、空目空耳がやばいみたいです。

 暑かった外と違ってホール内は涼しく快適! むしろひんやり。長袖を着ていてもひんやり感じられるくらいだったので、半袖だと少し寒いかもしれません。多少荷物が増えても、温度調節しやすい服装で臨むのがいいですね。
 さて、私は2階席だったんですが、2階席からの眺めは思っていたよりも舞台が近く感じられました。ステージも、仕事しているスタッフの姿もよく見えます。辺りを見回せば、ぼっち参戦と思しき人も結構多かったです。
 開始10分前くらいになると、グッズを買い終えた人々が続々入ってきて席が埋まってきました。ステージのほうからは楽器の音も聞こえてきました。が、開始時間になってもすぐには始まらず。ギリギリの時間に入ってくる人もいたので、グッズ購入待ちが相当長かったのかもしれません。
 17時40分頃、カメラ撮影の人はスタンバイOKっぽかったんですが、会場内はまだ明るい。この時間からやってくる人はいないよなぁ……と思っていたら、いきなり始まった! みんな一斉に立ち上がった!

開演

 生で聴く音はやっぱりすごい! 体にガンガン響いてきます。ぼっち参戦のニワカなのでフリなんてわからず、知らない(まだ聴いていない)曲もありましたが、知らなくてもリズムに合わせて体が勝手に動くし、知ってる曲だとつい口ずさんでしまう。ステージから目が離せなくなります。メンバーの表情もよく見えて、楽しそうに演奏しているのが遠くからでもわかります。ライブ、楽しい!
 客席のほうでは、いつの間にかペンライトの数が増えていたり、歓声が大きくなっていたり、そんな周囲に乗せられます。誰かの応援が別の誰かの応援を喚起し、相乗効果が生まれていくんでしょう。それが繋がって「場の一体感」を形成するわけですね。ライブ、楽しい!
 苑さんの歌唱力はさすがでした。『喝采と激情のグロリア』のアカペラは2階でもしっかり聴こえました。「マイクいらなくね?」ってくらい、はっきり。これですよ、私はこれを生で聴いてみたかった。まさにオペラです。
 6月に出るという新曲も聴けました。一足先に新曲を、それも生演奏で聴けるというのもライブの醍醐味ですね。しかも新曲だとその場にいる全観客が初めて聴くものなので、ニワカでも心配いらない!
 演奏後には響さんと優介さんが自撮り棒持って客席を走り回るというおもしろい場面が見られました。演者と観客の距離が物理的にも心理的にも近い、というのもライブならではでしょう。1階席の人たち、いいなぁ。

 アンコールに次ぐアンコールで、すべての演奏が終わったのは20時過ぎ。終演後もグッズ販売があるとのことで、また大行列ができていました。列の末尾は隣の公園まで延びるほど。「外で並ぶんならコンビニかどっかで夕飯を調達しておいて、順番待ちの間に食えたかも」なんて、あとになって思いましたが、そんな予備知識はなかったので、「楽しかったなぁ~」とウキウキ気分のまま新宿のイイトルミネで立ち食い寿司を食べて帰りました。炙り〆サバめちゃうまでした。21時近かったのに、ラーメンには行列ができていました。豚まんは完売していました。

ライブを終えて

 面倒くさがりで、人混み嫌い、待ち行列も大嫌いな私のことなので、ぼっちで行ったら余計そのストレスを感じて「人混みだるいから、もういいや」ってなる可能性もあったんですが、全然そんなことはありませんでした。むしろ「また行きたい!」と思いました。仲間がいるともっと楽しいんだろうなと思いますが、ぼっちでも余裕で楽しめますし、ぼっちでもまた行きたいです。ぼっち参戦のハードルって、何だっけ?
 今回はなにしろ歴が浅すぎるので、歌詞までは覚えられなかったんですが、次行けそうなときがきたら、それまでに歌詞も覚えておこうと思います。カラオケ行ってデンモクの履歴を摩天楼オペラで埋めてくるか(笑)。

 今は全体的にライブの客入りが低下しているそうですが、観客が見せる”生の反応”はアーティストのモチベーションを上げ、さらに進化させるので、もし「ライブ気になる」「ライブ行ってみようかな」と少しでも思う人がいるなら「ぜひ行ってみてください!」と声を大にして言いたいです。2回しか行ってないくせにあえて言いますが、ライブ楽しいです!
 私としてもまだライブ経験がたった2回なので、また機会を見つけて参加して、大きい場所も小さい場所も、屋内や屋外など、いろいろな形のライブを味わってみたいと思います。

そんな矢先……

 と、ここで記事を終えてアップロードするはずだったんですが(5/15現在)、なんと、このタイミングでDIR EN GREY×PIERROTのあの伝説的ライブ「ANDROGYNOS」開催決定(2024/10/11-12@代々木第一体育館)というニュースが飛び込んできました! Xのタイムライン、ザワザワです。カラオケのレパートリーがだいたいDIRとPIERROTの私としては、これは行きたいです。もし行けるとなったら、また渋谷? まだチケットの値段等もわからないので、続報を待ちましょう。

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