悲しみに沈める貴方に贈る〜とあるプレイリスト
ノートに来られる、多くの方が辛かったり、悩んでいることを最近知った。
パートナーとの別れ、人を貶める言葉、孤独、やり場のない怒り。
皆、口に言えないけど傷ついている。
もし何かあって、本当にどうしようもない時、ノートで声に出して欲しい。クリエイターの方々は皆優しいし、同じような辛さを知っているはずだ。
私も何かできないかと思って、ずっとしあぐねていた。
すると昨日、「野良ハイカー」さんというクリエイターの方が、YouTubeの埋め込みを使ってプレイリストを作って公開しているのを見つけた。
のみならず、「私のプレイリスト」というタグはメジャーみたいだ。
これは妙案だと思った。
音楽の贈り物、是非したくなって、10曲選んだ。
ひとりよがりかも知れないけど、でも少しでも癒されるようにとの思いで選んだ。
この中から、1曲でいい。
もし心が傷んでいたり、悲しんでいたら聞いて欲しい。
どうか、一つ、選んでくれたら幸いだ。
①ウィー・アー・オール・アローン by ボズ・スキャッグス
貴方は一人だろうか?
それとも寄り添ってくれる誰かがいるだろうか?
我々は独りで死んでいかなければならない。
でも生あるうちは、温もりを感じられる。
ウィー・アー・オール・アローン。
ミスター・チルドレンみたいな撞着語だ。
でももっと深い意味があるような気がする。
一体それはなんだろう。
②サークル・オブ・ライフ by エルトン・ジョン
勇気が欲しい時、エルトンを聴く。
生きることのはかなさも、力強さも、どっちも教えてくれる。
ボーカルに込められた温もりは、きっと心に火をつける。
サークル・オブ・ライフ。
我々はそうやって生きて来た。
そして我々は一つの輪。
生けるものは皆。
③オルフェウス by デイビッド・シルビアン
この曲には不思議な明るさがある。
ちょっとした希望の湧く曲。
でも葬送の曲なのだ。
坂本龍一の葬儀で、この曲は最後から2番目に流されたという。
この曲でピアノを弾いているのが坂本本人である。
オルフェウスは古代ギリシャの吟遊詩人。
その男の歌を聴いたとシルビアンは歌う。
大仰すぎるが、いつかそんなかっこいい事、言ってみたい。
④心の色 by 中村雅俊
貴方は仲間からはぐれてしまった黄色いつばめだろうか。
もう一度心に色を取り戻したいとお思いなら…。
大津あきらの歌詞と中村雅俊のボーカルに身を委ねて欲しい。
心の色。
鈍色になってしまう時もあるだろう。
そんな時は朝日と出会って。夕陽に踊って。
⑤交響曲第7番第2楽章 by アントン・ブルックナー
ブルックナーは極めて凡庸な小市民であった。
しかし、偉大なロマンチストであり、尊敬する人のために捧げるレクイエムを作ることが来た。
彼が喪ったのはリヒャルト・ワーグナー。その悲しみは第二楽章に横溢する。
葬送音楽。
そこには厳粛さ、壮大さ、悼み、色々なものが混ざり合う。
貴方はこの第二楽章から何を汲み取るだろう?
⑥クープランの墓 by モーリス・ラヴェル
心がざわつく時、墓の前には立ちたくない。
ラヴェルは友のための墓標を音楽で六つ立てた。
彼は六人の他に、母親も喪っていた。
あまりに多くの悲しみがいっぺんにやってきた時、人は耐えられるだろうか。
苦難を超えて、何かを創ることができる日が来るのだろうか。
この曲を聴くと、そんな、一抹の不安がいつもよぎる。
⑦アフター・ザ・スリル・イズ・ゴーン by イーグルス
あまりにも打ちひしがれると、人は諦める。
諦めてもなお、歩き続けなければならない。
それを時折か、徒労と呼びたくなる。
そんな気分でも良いではないか。
イーグルスは疲れ切った自分たちをも歌にするのが好きだ。
それも案外、様になるのだから。
⑧今はもうだれも by アリス
明るい歌だが、投げやりさが漂っている。
歌詞は大変深刻だ。
なぜこんな歌が生まれたのだろう。
元曲はウッディ・ウー。あきらかにフォークだ。
アリス版はというと、何かチグハグ感が漂う。
涙も枯れてしまって、笑ったふりをすることしかできない、みたいな。
⑨ウィー・ウィル・ミート・アゲイン by ビル・エヴァンス
会いたい人はいるだろうか?
思い出だけの人、もう二度とと会うことは叶わないような。
ふとその人のことばかり考えて、やるせなくなったり、する。
それでもビル・エヴァンスは言う。
ウィー・ウィル・ミート・アゲイン。
きっと、どこかで。
⑩ザ・リヴィング・イヤーズ by マイク+ザ・メカニックス
この曲を聴くと、前向きになれる。
暗い曲だが、具体的な行動を教えてくれる。
今生きている人を大事にして、という。
歌詞を書いたマイク・ラザフォードの気持ちがボーカルに乗って痛いほど伝わってくる。
死んでからじゃ遅い、遅いんだ。
とても神の国を信ずる人の言うことと思えない。
それだけに真に迫る。
生きている間にしかできないことを、したい。
ここにはクリエイターという素晴らしい仲間たちがいる。
是非辛かったら私でもいいので、話に乗ってもらってほしい。
書いたり話したりしないと、心の健康は損なわれ、やがて膿んでしまう。
私もそうやって一度はどうしようもないほど心が腐ってしまった。
でもなぜか不思議と今ここに生きている。
最後に、この言葉を贈りたい。
貴方に幸あれ!
隠しトラック:ウェイティング・フォー・ザット・デイ by ジョージ・マイケル
たくさんの過ちを犯して来た。
それでも自分に対してポジティブになれるだろうか?
分からないまま、時間だけが過ぎて来た。
それは傷かも知れない。
でもそれは成長のために必要な傷。
今度こそ、歩いて来た道を誇りに思えたら、いいね。
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