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ネッカーの立方体を愉しむ:錯視への誘い

世の中には、多重安定知覚 (または双安定知覚) なる言葉があるそうです。ネットで拾った説明文をそのまま引っ張って来ても、そちらの方面とご縁のない方々にはさっぱりイメージが得られないことでしょうから、対象を視覚(いわゆる“錯視”)に限って、ざっくりと簡単な説明を試みることにしたいと思います。

それはつまり、ある対象について、ある見方が成り立っていたのに、その対象をずっと観ていると、そのうちに、その対象自体には何の変化も動きも起こっていないはずなのに、これまでとは違った見え方で認識される―ということなのです。

きっと、まだ「?」という方がほとんどでしょう。そんなあなたは、「ネッカーの立方体」、あるいは「シュレーダーの階段」辺りを検索してみてください。その簡単な図が、しばらく観ていると、それまでとは違った図として見えてくることになるはずです。

要は、2次元の状態で受け入れられた視覚情報が、脳内で3次元へと還元される際に、限られた情報を元に、あり得る可能性を探る試みの末に得られた結果の揺らぎ、というようなものなのでしょうか?

私自身の入り口は「ネッカーの立方体」でしたが、何の変哲もない、疑いもなくそこに見えていた立方体が、俄かに違った姿で現前してくる様は、何とも吃驚、キツネに摘ままれたような、それでいてエキサイティングな体験です。

ただ、面白いからと続けてやっていると、少なからず脳が疲れるようですので、何卒ご留意ください。

※ご興味を持たれた方のために、ウィキペディアの当該ページのリンク先を掲載しておきます。

<ネッカーの立方体>
https://ja.wikipedia.org/wiki/ネッカーの立方体
<シュレーダーの階段>
https://ja.wikipedia.org/wiki/シュレーダーの階段