バーババ(短編小説)
「そろそろ行こか。たっくん、まる、今日こそバーババの住み家を突き止めるで!」
桜舞う中学1年生の春。和真(かずま)は張り切っていた。門限が21時に延びたから今度こそバーババの後を追える。
「サッカーやっとったら、グラウンドの向こうからずっと見てくるばあさんおらん?毎回4時半くらいに絶対おんねんけど。」
最初にバーババの存在に気付いたのはたっくんだった。
そう言われて意識してみると、確かにフェンス越しにこちらをジッと見てくるおばあさんがいる。
しかも毎回ネオンカラーのジャージ