皮膚科と間違う他科疾患
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皮膚科と間違う他科疾患

皮膚科には他科疾患の患者が受診することが多々あります。

そのため皮膚疾患でなくても「多分このあたりの疾患だろう」というくらいは知っておく必要があります。

しかしそれらは皮膚科の教科書には書いていないため、勉強することが困難です。

そこで皮膚科でよく出会う他科疾患を、整形外科、眼科、外科、精神科までまとめてみました。

1. 偽痛風(足が腫れて熱も出ている)

足が腫れて熱も出ているという患者さんが皮膚科を受診することがあります。

当直医が蜂窩織炎と診断して、すでに皮膚科患者として入院している場合も経験します。

これが偽痛風の可能性があることを知っておかなければなりません。

39℃以上の発熱や白血球増多、CRPの上昇(10以上)を伴う症例もあるそうです。見た目と血液検査では蜂窩織炎との鑑別は困難です。

偽痛風1

OMICS International

レントゲンで石灰化があり、関節液検査で結晶を認めることが特徴ですが、それらがない場合もあり、整形外科の先生でも迷うことがあるそうです。

蜂窩織炎と偽痛風の鑑別のポイントは可動時の疼痛です。
関節外の痛みである蜂窩織炎では他動的にゆっくり動かすと痛みの悪化がありません。

他科から「蜂窩織炎でしょう、皮膚科で入院させてください」といわれたとき、「違います」と答えられるようになりましょう。

詳細はこちら>>それは皮膚科じゃないですよという病気①偽痛風

2. 足底腱膜炎(足の裏が痛い)

「皮膚症状がなくて足の裏が痛い」のは皮膚疾患ではないのは分かりますが、何科に紹介すればいいかも分かりませんでした。

とりあえずMRIを撮ってみるけど何もない。
NSAIDsを処方したり、最悪の場合抗菌薬を処方したりしていましたが、どうやら整形外科疾患らしいということを知りました。

成人における足底部痛の原因は主に足底筋膜炎とのことです。

キャプチャ3

J CLIN REHABILITATION . 14(10): 948-951, 2005.

その他に足底線維腫症、踵部脂肪褥炎、外側足底神経障害、踵骨疲労骨折なども鑑別が必要になるそうです。

詳細はこちら>>それは皮膚科じゃないですよという病気②足底腱膜炎

3. 麦粒腫・霰粒腫(眼の周りが腫れている)

「目のまわりが腫れた」といって皮膚科を受診した患者さんが、眼科に診てもらうと霰粒腫だったということがあります。

眼科疾患で皮膚科を受診する患者は結構多いと感じます。

麦粒腫と霰粒腫は、眼瞼に付属する腺組織に生じる病変です。
麦粒腫は細菌感染症、霰粒腫は非感染性の肉芽腫性炎症ですが、鑑別が難しいこともあるそうです。

図1

Visual dermatology. 12(2) p113-117, 2013

しかしまずは眼科疾患だとわかることが大切です。

麦粒腫の治療の基本は抗菌薬の投与、霰粒腫の治療の基本は切開と掻爬とのことで治療法が異なっています。

安易に切開などはせず、眼科に診てもらうのがいいでしょう。

詳細はこちら>>それは皮膚科じゃないですよという病気③麦粒腫・霰粒腫

4. 外陰部疼痛症・舌痛症(陰部がヒリヒリする)

皮膚症状はなく陰部や口腔内の痛みを訴えて皮膚科を受診する患者さんがいます。

たいていそれまでに色々な科を受診しており、検査をしても何の異常もありません。

婦人科や歯科を受診するように勧めますが、「うちじゃないから皮膚科に行け」と言われて戻ってくることも多いです。

こういう症状を外陰部疼痛症や舌痛症(舌疼痛症)というそうです。
これらは「皮膚感覚異常」に含まれます。

皮膚感覚異常には3つの考え方があり、微妙に治療法も異なっています。

・不定愁訴
・体感幻覚
・線維筋痛症

線維筋痛症と捉えると治療はしやすそうですが、精神疾患の部分症状の可能性もあるため、自分で治療を行うことはためらわれます。
かといって精神科や心療内科を受診させることも難しい。

嫌な疾患ですが、一応これらのことを知っておいたら対応はしやすいかもしれません。

詳細はこちら>>それは皮膚科じゃないですよという病気④皮膚感覚異常症

5. 臍の腫瘤性病変(おへそが腫れた)

「おへそが腫れた」といって皮膚科を受診する患者さんがいます。
臍の腫脹は皮膚疾患ではない場合も多く、それぞれが手ごわい疾患です。

へそ1

A 子宮内膜症
B 転移性癌
C 尿膜管遺残
D 臍ヘルニア

腹腔内と交通しているものもあり、安易な切開や生検はせず慎重に診断を詰めていく必要があります。

まず画像検査を行うことも重要です。

病変が腹膜や大網と癒着している場合もあるようで、手術にも注意を要します。

「おへそが腫れた」という患者が来たら注意しなければなりません。

詳細はこちら>>それは皮膚科じゃないですよという病気⑤臍の腫瘤性病変

まとめ

これらの疾患を知っておくと診療のレベルが上がります。

ブログではもう少し詳しく説明しているので、興味のあるかたはご覧ください。

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