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第1962回 ツバメも名工

①https://www.advan-group.co.jp/times/tsubame_sudukuri/より引用のツバメ(体長約17㌢)の営巣

   上の①のタイトル写真は、皆さんもご存知のツバメの巣で、ツバメのつがいが仲良く子育てをしていますところです。ツバメは完全な昆虫食で、その虫たちがいない冬場は餌の調達しようがありませんので、生まれ故郷の日本を離れ、遠く離れた南の国に越冬して、虫たちを食べて、又日本に春がやって来るのを待つのです。そして毎年の三月半ば頃に成鳥の子育て体験があるオスが、前年に繁殖した地区にやってき、つがいであったメスを待ち、そのメスが戻ってきましたら、再びつがい関係になり、五月半ばには①の写真の様な巣の中に大体五、六羽のヒナの子育て現場になります。

②http://surimu60.blog.fc2.com/blog-entry-468.htmlより引用の田んぼで巣材の泥や枯れ草を集めるツバメ

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   ツバメによって違うのですが、以前に使っていました古巣を再利用するもの、または新しく新居を構えるものの二種類です。私的かつ人間的に考えましたら、前年のつがい相手であれば、以前の古巣でも良いような気がしますし、また今年から前年と違うつがい相手のメスならば、新居を構えなけれはならないように思いますが、その答えは当のツバメでしかわかりません。それはさて置き、新しく新居を構えると致しましたら、当然に下見が必要ですし、オスが気に入ってもつがい相手がダメなら、これは人間社会と同じです。いまの民家の軒下は以前とは違い、ツバメが営巣出来ないようになっている建物が多く、②の写真のように田んぼや沼地から泥を口の中の唾液と混ぜて、左官屋さんの様に、泥が上手く引っ付くか試してみる必要があります。昔からツバメが自分の家に巣を作れば縁起物としましたが今はどうでしょう。

③https://www.tsubame-map.jp/tsubame-zukan/su-zukuriより引用のツバメの巣作りの基礎工事

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   改めて申し上げますと、ツバメの巣作りの材料は泥、藁、唾液を材料として使います。場所を選んで作り始めてから早ければ2~3日、遅くても1週間程度で立派な巣を作り上げます。それもつがい相手との共同作業で仕上げます。②の写真のように田んぼで材料を見極め、泥と藁などの枯れ草を口にすくって、口内で唾液と混ぜて捏ね上げます。そのまま巣を作る場所へ移動して、③のように少しずつその口内の混合物を付けていきます。泥と藁だけではすぐに落ちてしまいますが、唾液が接着剤の代わりとなり、垂直の壁にもしっかりと付けるあができます。一つずつ根気よく続けます。

④https://www.photolibrary.jp/img525/92403_5048539.htmlより引用のツバメの巣作り途中経過

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   人の出入りが多い場所にツバメは巣をつくります。これは天敵のひとつのカラスや野良猫から身を守るためです。餌が豊富にある自然豊かな環境を好むツバメですが、巣作りには人の出入りが多い場所を選びます。例えば民家なら玄関近くの軒下、倉庫や車庫の中などに営巣するのです。またつがいで交代でせっせと巣材を運んで、双方が疲れを出さないあに、休憩してつがいで期日内に仕上げます。④の写真はもう完全間近の営巣です。

⑤https://life-ikiki.com/14654.htmlより引用のツバメの巣作り最終段階

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   ⑤の写真は完成しましたツバメの巣です。規則正しく、藁と泥を積み重ねて丹念に作っています。ご承知の通りに巣材の主要な成分は泥です。雨風が吹き荒ぶ場所に巣作りを致しましてもすぐに崩れてしまいます。そんなことのないようにツバメは周りにある古巣の設置場所や良い巣の形などを見回り、自分たちの巣にも応用致します。⑤の写真では完成しました巣に、まだ何か藁のようなものをツバメが運んで来ました。これはこれから産卵し、抱卵しないといけない重要なポイントとなる内装です。完成した巣の直径は約13㌢ほどで、深さは2.5㌢程度で、そこに枯草や自らの羽毛を敷き詰めてフカフカにし、産卵用のベッドを作ります。産卵をするのは4~5月。一日に一個ずつ合計で3~7個の卵を産みます。卵はメスが中心になって温め、二週間前後で孵化します。ヒナにはオスとメスが交代で餌を与え、親鳥達は一日に500回も巣と餌場を往復するそうです。その間雛は巣の中でじっと待ち続けます。ツバメの子育てです。


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