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【連詩】DEVIL

(せ)柴田せのん (笠)笠原メイ

(せ)神降ろしで流れる言葉を
白い薬でぶち壊せば
三千世界を走るクラック
失くした翼を探しても
帰る天国のあるじゃなし

死んでもせつない詩が書きたいの
それでダメなら死んでもいいの
そうするために生まれてきたの
それしか考えられないの

地を這う者に翼はいらぬ
帰る天国のあるじゃなし

(笠)白い雪が傷に触れて溶ける
十字架を海に投げて
沁みるのはいつも心の真ん中
抱きしめないで抱きしめる方法を
ずっと探している

死ぬより美しいことが
たくさんあるらしいんだけど
あたしまだ見つからない、ひとつも
それを見つけるまでの旅なの?

地を這う者に口はいらぬ
歌える賛美歌があるじゃなし

(せ)神様の決めた時間にあたしは生まれ
神様の作った道をあたしは飛んで
神様に言われた通りにあたしは堕ちて
神様が描いたままにあたしは死ぬの

与えたい あなたに
この髪のひとすじまで
与えるために生きてきたの
これが終わりでもかまわないから

あたしには今しかないの
あたしには今しかないの

(笠)堕ちた場所で恋に落ちた
場末のバーで出会ったやくざな男
この人だけは、あたしのことを天使と呼ばない
誰にも優しくないあなたが好き
あたしにピッタリ

与えたい あなたに
あたしの血を最後の一滴まで
飲み干してほしいの
二人で世界を騙しましょう

あたしには愛しかないの
小さな小さな愛だけ

抱いても抱いても物足りないわ


*今回は柴田せのんさんとの連詩です。お互いの世界がドッキングして、新しいハーモニーを生み出したように感じます。

また、笠原メイ名義で、柴田せのんさんの詩集「metaplazia」の、巻末に感想文を書かせて頂きました。素敵な機会に感謝します。

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