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【エッセイ】ロックなグランマとの会話

僕の祖母はロックな人間で、82歳になるのに演歌が嫌い。椎名林檎やエレファントカシマシの、宮本浩次の歌なんかが好きだ。

ずっと一人で旅館を経営してきて、今年、引退して一緒に住むことになった。僕は小さな頃からおばあちゃん子で、夏休みや冬休みの度に一人で。電車で2時間かけて祖母の旅館に行き。
美味しいご飯を食べさせてもらい、四畳半の部屋でくつろいだ。

東京にも何度も連れていってもらった、美術館や博物館や映画館に行き。幼い僕の創作意欲を育ててくれた。本の面白さも教えてくれた。

何より祖母は感性が鋭く、発想が豊かで、会話が面白いのだ。20歳くらいで心が止まっているみたいに、若々しくてエネルギッシュである。

最近は僕の顔を見るたびに、
「お前、発信はしているのかい?発信し続けなさいよ、きっと誰かが、お前のことを見つけるんだからね」と、82歳の意見とは思えないことを言う。だから僕はnoteで詩や、エッセイなどを頑張ろうと気合が入るんだ。

祖母の名言は数えきれないけれど、ある時、僕は売れないバンドマンで、髪を金髪に染めていた時代。東京でのライブ終わりに旅館に行き。
駅まで迎えに来てくれた祖母に、
「ギターが重かったよ」と愚痴ると、
「でも、その重さがお前には必要なんだろう?」と言われて、はっとした。その通りだとった。

僕が落ち込んでいる時の励まし方も、
独特な言いまわしで、例えば、
「傷は傷だと思うな、経験だと思え」とか。
人は後ろ向きに出来ていない、目も、口も、耳も、前向きにできているだろう?」とか。
悲しんでいたり、暗い気分でも。
思わずくすりと笑ってしまうような、
ユーモラスで目線が斬新な言葉をくれて、
何度も救ってもらった。

祖母は僕のことを神様の子だと言う。
言葉ってある意味では宝だと思う。

祖母の旅館はなくなって、
僕は家に引きこもりっぱなしになり。
寂しいけれど、祖母と一緒に暮らせるのは、
嬉しいし、僕の創作物などにも、
アドバイスや指摘をくれるので助かる。
せめて、祖母が元気な間に詩集を作って、
何かしら表舞台に立ちたいと思う。
負ける為に生まれてきたわけじゃない。
人生に勝つんだ、走り出そう。
それが何よりの恩返しになるはずだ。

最後も祖母の名言で、締めたいと思います。
読んでくれてありがとうございました。

「あたしの消費期限は十年。賞味期限は三年。
せいぜい楽しませておくれよ」

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