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溢れては戻りたくなる


「溢れては戻りたくなる」


初めて耳にした時から、この言葉が好きでたまらない。


ニコ動でネットラップを漁っていた頃、ぼくりり(ぼくのりりっくのぼうよみ。現DiosのVo.たなか)からStudioLamaというHIPHOPグループを知った。そのうちのメンバーの1人であるshirothebeats(シロ)さんの曲。
Lama以外でも曲を出してたりしないかな…と探していたところで、SoundCloudでこの曲を見つけたあの日からずっとずっと、自分にとって大切な1曲として心に置いてある。


日頃から何か伝えたいことがあるときほど、「言葉ひとつ、言い方ひとつで何もかもを変えられてしまう」と意識するようにしている自分に、"ことばのうつくしさ"を改めて実感させてくれたリリック。

夏の空を溶かして
秋の揺れる音がして
暖かな雨を流して
弦鳴らす夜と暮してく
尽きない雨糸の描線
言の葉で紡ぐ筆よりも妙で
到底描けぬ 物をただ描く
刹那の珠は絶えなく
傍に折り重なる
艶やかな絵にそっと触れる
なぞる指先が不思議と交わる
誘った先は四季の間近
愛おしくなる 溢れては戻りたくなる
何よりも君に伝えたくなる
朧げな物ほど確かに 
ここに



イヤホンから流れる音色のあたたかさと声色の透明度に浸って、穏やかで安らかな夜に包まれたみたいな、そんな気持ちになった。
この曲を聴くようになって数年経つけれど、今でも聴く度にひと言ずつ噛み締めるように、シロさんの紡いだ言葉を頭の中へ巡らせる。綺麗だな、と心がじんわり解けるような感覚とともに、自分もこういった人間でありたいなと思う。



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