見出し画像

贋作写楽 #くぼたの歴史小話


劇団そとばこまち「贋作写楽」の時代背景や用語を
X(旧Twitter)にて解説したものをまとめてみました。
観劇のお供になれば幸いです。

その①『長屋』
江戸の人々は長屋という共同住宅に住んでいました。管理人は「大家(おおや)」と呼ばれ、住んでいる人は「店子(たなこ)」と呼ばれていました。
大家はただ管理するだけでなく、店子の世話役であり「大家は親も同然、店子は子も同然」とも言われてました

その②『吉原遊郭』
【花魁】
吉原で最高位の遊女で書道、茶道、筆、三味線など全ての芸事に秀でていることが求められました。

[遣り手]
元女郎で現役の女郎の世話を焼き監視して小言を言い、ルールを破った者には折檻をしたりと嫌われて役を担っていました。



その③『大店の人々』

大店では子供を丁稚(でっち)として奉公させていました。丁稚を勤め上げると接客など商売に関わる仕事を任される手代(てだい)に昇格。手代の中で厳しい競争を勝ち抜いた者は番頭(ばんとう)に昇格し、支配人として経営そのものを任されていました。


その④『浮世絵』
浮世絵が江戸中期に大人気なった背景として木版画の技術が発展したからと言われてます。木版画とは絵師が描いた絵を彫師(ほりし)が木に彫り摺師(すりし)が色をつけて紙に印刷する形式で、これにより絵を量産でき庶民にも安価で絵が買えるようになりました。

その⑤『葛飾北斎』
葛飾北斎は絵師としての人生の中で30回も画号を変えました。主な画号を6つ紹介します。
『春郎』2035
『宗理(そうり)35歳~45
『葛飾北斎』4651
『戴斗(たいと)5160
『為一(いいつ)6174
『画狂老人卍(がきょうろうじんまんじ)7590

その⑥『喜多川歌麿』
遊女や花魁、そして茶屋の娘などをモデルにした美人画を得意とする浮世絵師。歌麿が取り上げたモデルの女性の名は江戸中に広まったと言われています。美人画に大首絵(人物の顔や表情を強調して描いた絵)の構図を最初に用いました。



その⑦『浮世絵がガイドブック
⁉️
葛飾北斎と双璧を成した浮世絵師、歌川広重(うたがわひろしげ)は風景画のスペシャリスト。『東海道五十三次』は東海道の景観を描いた木版画で江戸時代の人々はこの絵をガイドブックにして旅をしていたそうです。

その⑧『幕府の役職』
【老中(ろうじゅう)
江戸幕府の政治を担当する最高職。老中の筆頭の者は老中首座と呼ばれ、国政の実権をつかさどる第一人者であった。譜代大名(ふだいだいみょう、徳川家を支える主要な大名)から選ばれた。

【奉行(ぶぎょう)
行政、司法を担当する役職。町の治安維持の責任者。旗本と呼ばれる上級の部士がなっていた。さらに町奉行は旗本がつける最高の役職。

【火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)
放火犯や強盗など凶悪犯を取り締まる役職。現在の警察の特殊部隊のように軍隊に近い組織。長官は旗本の中でも由緒ある家柄の者が任命されていた。

【与力(よりき)
身分としては御家人(将軍に直接会えな下級の武士)。町奉行の補佐をする。

【同心(どうしん)
身分としては足軽(正式には武士ではなく準武士ぐらい) 火付盗賊改め方や与力の配下で警備などを治安維持の下働きをしていた。

【御用だ/岡っ引き(おかっぴき)
侍の身分では無い者が同心などに雇われて手伝いをする。非公認の警察。

その⑨『天明の大飢饉』
時系列は 「贋作写楽 」の少し前ですが、1782年頃から東北地方を中心に異常低気温と悪天候よって10万人以上の死者を出した大飢饉が発生。これが天明の大飢饉です。これにより深刻な食糧難になり米の値段が高騰。幕政への不満もあり江戸でも打ちこわしが多発しました

その⑩『賄賂政治』
十代将軍の頃に幕政を主導していた老中・田沼意次(たぬまおきつぐ)の政治は賄賂政治と呼ばれ、また飢饉もあって一揆や打ちこわしなど民衆の反抗も多発、幕府の権威が失われていきました。将軍が家斉に代わると田沼意次は失脚。そして次に老中に就任したのが松平定信です。

その⑪『寛政の改革』
松平定信が行った幕政改革。ほころびを見せ始めた幕府の権威や財政を整え直す為に行われました。出版統制で風俗に悪影響を与えると思われる書物を禁止し倹約令は民衆にも徹底した倹約を求めました。しかし厳しい統制と倹約は民衆の反発を生みました。

その⑫『定信の評判』
松平定信による寛政の改革の厳しい統制と倹約は民の反発を生み、こんな狂歌が流行しました。
「白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき」
白河(定信の出身の白河藩とかけて)はきれい過ぎてかえって魚は住みにくく昔の濁った沼(前時代の田沼意次の賄賂政治)が恋しい

その⑬『蔦屋重三郎 (つたやじゅうざぶろう)』
遊郭の遊びを描いた洒落本(しゃれぼん)、政治を風刺する内容の黄表紙(きびょうし)、木版画浮世絵の錦絵(にしきえ)など数々の出版物を出し沢山の浮世絵師を世に売り出した現在でいうプロデューサー、令和的に言うとバズりの仕掛け人でした

「贋作写楽」神奈川公演アーカイブ配信
配信日:12/8()12:00~12/10()23:59
配信料金:3,500

【予約フォーム】
○カルテット
お支払い方法:銀行振込

○ぴあ
お支払い方法:クレジットカード、コンビニ支払い(配信終了日の3日前まで)
国内販売用

https://w.pia.jp/t/sotobakomachi-gansakusharaku/





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?