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現役海外駐在員が教える語学(英語・中国語)習得方法

「これからの時代は英語が話せるのは当たり前になる。」

アラフォーの僕が子供の時からずーっと言われていることですが、全然実現しません。島国ニッポンの底力はすごかった。

そのおかげで僕のように「たいしたことないけど、なんとなく話せる」程度の人でも仕事にありつけたりするので、助かってはいます。

とはいえ語学習得のプレッシャーが増しているのも事実。日本の酒場で外国人と英語を話しているとよく聞かれるのが、

「どうやったら英語できるようになるんですか?」

というやつ。今回はこの質問に対して本当の答えを書いていきます。

世の中には英語できない人からお金を巻き上げるビジネスがはびこっていますが、真実は一つです。わけわからん語学学校にカネを払う前にこれを読んでください。

※わかりやすいので英語を取り上げますが、中国語を始めとしたその他の言語でも同じように使えると思います。

筆者について

  • 有名企業の現役海外駐在員(中国)

  • 初海外は24歳、この時点では全く英語も中国語も話せず

  • 海外在住3カ国4回目(NZ1年、タイ2年、中国4年目)

  • TOEICは未受験だけど模試855~900

  • 英語での仕事は10年オーバー(会社員、経営者として。日本語を話せないネイティブを雇ったことも)

  • タイ駐在時は東南アジア全域で日⇔英通訳担当

  • 英語個人レッスン講師

  • 中国語で仕事中。中国語しか話せない彼女がいたことも

  • 語学はすべて独学

楽な方法はない

圧倒的な真実ですが、楽な方法はないです。当たり前です。目を覚ましてください。

先述の、「どうやったら英語できるようになるんですか?」という質問ですが、実は一番大きい本音が隠されています。この質問を本音で書き直すと、

「どうやったら(努力せずに)英語できるようになるんですか?」

です。回答は「なるわけねーだろバカ」です。ご査収ください。

(好きなだけ食べたいし、運動もしたくないけど)痩せたい!」

といっているのと1ミリも違わない愚かな発想なので、目を覚ますか語学を諦めるかにしましょう。この質問をしているうちは絶対に語学は身につかないので時間とお金の無駄です。

ダイエットと同じで原理原則に従うのみ

ダイエットがわかりやすいので例に上げますが、ダイエットほどシンプルなものはありません。摂取カロリーより多く消費すれば絶対に痩せるので、そうすれば良いだけです。

語学学習も全く同じで、たくさんインプットして、たくさんアウトプットするだけです。知らない単語は知らないし、理解してない文法は理解してないんです。

こんな当たり前の事に気づかず(見て見ぬふりをして)、駅前留学にお金を捨てる人が如何に多いことか。目を覚ましましょう。

お金はいらない

これは語学に限らず日本人の癖っぽいのですが、「なにかやろうとするとまずお金を払う」人が多すぎます。

スキルアップしようとするとまず資格取ろうとして、スクールにカネを払う。で、なんの役にも立たない(独占業務のない)資格を取って満足。

語学の場合は、英語=TOEICと思い込み、TOEIC用のスクールに通って目標の点数を取れればまだ良いですが、取れずに挫折。取れたところでTOEICの勉強をしても英会話はできるようにならないので、英語はできないまま。

これが日本の巨大な語学市場を形成している最大要素です。

学校に通えばなんか勉強している気になるし、資格が取れればなんか頑張った気分になれる。もっと言えば思考停止できるから楽なんでしょう。

思考停止するのにお金を払うのはもったいないですよ。その状態で語学は身につかないので完全に無駄金になります。

僕自身は語学学校には全くお金を使ったことがありません。中国駐在をするときに会社が払ってくれるから、という理由で中国語の学校には行きましたが、あれも特に必要だったとは思いませんし、役に立ったかどうかもよくわかりません。どうせ覚えること、もしくは永遠に使わないことしか習いませんし。

逆に「英語勉強で語学学校に入った」という人で実用レベルまで話せる人は見たことがありません。

お金を払って安心=思考停止するのはやめましょう。

ネイティブ信仰を捨てよう

これも日本人あるあるですが、「いきなりネイティブに英語を習いたがる」傾向にあります。

もっと言えば白人か黒人に習いたがるという感じでしょうか。笑い話ですが、タイで転職を考えていたときに、人材紹介会社から英語力チェックを受けたことがあります。出てきたのは、非ネイティブの白人女性。

しばらく英語で話して、「問題ないわね!」とか言われたので、「ユーもネイティブじゃないよね。」って言ったら笑ってました。白人=英語できるじゃないんですが、日本人はそのあたり混乱していますよね。

閑話休題。そういった欧米人コンプレックスも相まって、英語ネイティブ、もっと言えばアメリカ人、イギリス人、オーストラリア人、ニュージーランド人あたりに習いたがる日本人は多い。

でもこれ初心者の段階では全く必要ないっていうか、むしろ良くないと思っています。もちろん日本語ペラペラで英語を教えるのがすごく上手なネイティブ講師なら良いと思いますが、そういう人って多くないです。

アメリカ人で英語を話せるのは当たり前で、日本語が話せない講師は要するに「ただのアメリカ人」です。外国語を覚える方法すら知らないわけです。

もしあなたが「英語で英語を教わって理解して使うことができる。」レベルにないならネイティブ講師は不要です。むしろ英語が上手な日本人に教わると良いでしょう。

赤ちゃんや幼児ではないので、英語だけを聞きながら手探りで覚えるのは効率が悪すぎます。日本語を使って覚えていきましょう。

っていうかそもそもネイティブって教わる相手ではない気がします。真似する対象という感じでしょうか。ニュージーランドではニュージーランド人とアメリカ人と同居してましたが、よく彼らがいう言い回しを覚えて真似してました。

具体的な学習方法

さて、楽をできないということはお伝えできたと思いますので、ここからは具体的な学習方法に進みますが、その前に。

語学はめちゃくちゃ頑張らないと身につかない

ことは覚悟して下さい。中途半端にやってもダイエット後のリバウンドの如くゼロに戻りますので、やらないほうがマシです。(ダイエット前より太るということはないので、ダイエットよりはマシかも知れませんが笑)

はっきり言ってスキルとして捉えるならば語学は非効率です。同じだけのリソースを投下するなら公認会計士や税理士、司法書士なんかになったほうが仕事やお金になりやすい。語学は生涯学習なのでトータルの投下時間で言えばそのへんの上級資格よりかかるとも言えます。

大人になってから覚える外国語には絶対的な限界があります。ネイティブには絶対かないませんので、ある意味趣味みたいに捉えられない人は向いてないかもしれません。

それでも英語をやりたいんだ!というドMの人はここから紹介する学習方法を実践してみて下さい。大変ですが、確実に話せるようになります。

中学英語の徹底的な復習

初学者のやる気をいきなり折りそうな内容で恐縮ですが、中学英語を完璧にしてください。地味ですね〜。

「日本の英語教育ガー」と揶揄されまくる中学の英語ですが、実は内容としては超優秀です。日常会話はほとんど中学英語でカバーできます。

Oxford3000という単語集があります。辞書を作っている会社が、「日常会話に必要な3000単語」をリストアップしたものです。

小学校と中学校で習う単語を合わせると約2,500。大抵の人は高校でも習うので、実は基礎知識は十分な場合が多いのです日本人。

大事なことはほとんど全部中学英語に入っているので、ここは完璧にしましょう。とはいえ別に受験するわけではないので、スペルなんかは無視しても大丈夫(まともにスペルがかけないネイティブも腐るほどいます。)

目安として都立高校の長文読解問題を100%わかるようにしておけば良いでしょう。

実際の問題分

この文章を完全に理解して、同じ程度の文章が書ければOK。逆に言えば、これがわからないのに英会話をするのは無理です。単語を並べて意思疎通はできるかもしれませんが、まぁあんまり楽しくないですね。

とはいえ中学校の英語の教科書はなかなか手に入りませんし、あれは先生が教える前提なので説明が不足します。

僕が近所の人に頼まれて英語を教えていたときに探したのがこちら。

MEGAFEPSとか懐かしかったなぁ

過不足なく、わかりやすく解説してくれているのでオススメです。この本で勉強して、わからないところはYahoo知恵袋にでも聞いたりしながら進めていけば大丈夫。

中学英語は完璧。と胸を張って言えるくらいまで、何度でも繰り返してやりましょう。ここが要諦です。

オーディオブックと洋書

基本的な文法と語彙は本から学べるのですが、リスニングはそうは行きません。これをオーディオブックで体に叩き込んでいきます。

オーディオブックとは?
日本でも少しずつ普及してきましたが、「耳で聞く本」です。本に書いてあることを著者本人もしくはナレーターが読んでくれている音声データ。

もともと車移動が多いアメリカで普及したもので、語学教材じゃなく、ネイティブが消費するコンテンツである点が重要です。

よくある語学教材の音声は、

  • つまらない

  • 発音がきれいすぎる

  • 話し方が遅い

ので、役に立ちません。どこの世界にあんな丁寧に話してくれる人がいるんだって話で、なぜかハンドルを切るポイントに目印がある教習所の縦列駐車と同じです。

「そんなの聞き取れる自信がない」

という声が聞こえてきますが、当たり前です。絶対に聞き取れないので、洋書=紙の本を併用します。そう、同じ本を紙とオーディオブック両方用意するのです。

聞き取れない部分を洋書で確認してもう一度聞き直す。最初は1ページに1週間以上かかったりしますが、別に問題ありません。語学は反復が重要なので、繰り返す回数が多いほど体に刻み込まれます。

ここで、「聞き取れたけど意味がわからない」という自体に遭遇することもありますが、これは文法力の問題なので、中学英語のテキストに戻るか、ググりましょう。世の中大体の問題には同じように困っている人がいるので、ググれば解決することがほとんどです。

英語は根本から日本語と違うので、どうしても理解にしくい部分があります。例文を出してみましょう。

This is all the scientist can do.

割と有名な文章ですが、どういう意味でしょうか。日本人的な発想だと、「すべての科学者が・・・ん?」となると思いますが違います。日本語にすれば

「これが科学者にできる全てだ。」

になります。This is all(これがすべて)が基本的な部分で、the scientist can do.の部分はallの中身を説明している感じ。

こういうのは日本語で説明を受けないと理解しにくいので、ネイティブ信仰を捨てるというところにもつながってくるわけです。

ちなみにオススメのタイトルはこちら。

Who moved my cheese?

ビジネス寓話と呼ばれるジャンルで、子供にも読まれる本なので平易でわかりやすい英語です。僕はこれを最初にやりました。

別にこれに限らず何でも良いのですが、小説はあまりおすすめできません。非日常の会話が飛び交うので、知らない単語も多いし、覚えても役に立たないものも多いです。

ハリーポッターを読んだことがないので、どうせなら英語で読んでみようと思ったことがあるのですが、知らない単語が多すぎてすぐ放りだしました(笑)

大人ならビジネス関連書が逆にわかりやすいと思います。

オンライン英会話

中学英語で文法の基礎は覚えた。オーディオブックでずいぶん英語も聞き取れるようになってきた。よしじゃあ英語で話してみよう!

と思っても普通は話す相手がいませんし、文法とリスニングだけでは英会話はできません。会話の練習相手が必要です。

僕はニュージーランドにワーホリに行ったので、そこら辺で遊んでいるネイティブ旅行者を練習台にしていましたが、日本国内、特に田舎ではそう思いきません。外国人の友達もいないでしょうし、練習相手になってくれる人はもっといません。

ここで活躍するのがオンライン英会話(中国語もあります。)。

LINEやSkypeのビデオ通話で、オンラインで英語を教えてくれるサービスです。家にいながら語学レッスンをマンツーマンで受けられるわけです。

高そう・・・という気もしますが、実は格安です。理由は先生の多くがフィリピン人だから。

フィリピンはアメリカの影響を強く受けていることもあり、かなり英語が通じる国です。一方でなかなか経済成長しないので、賃金が安い。ここに目をつけた業者が20年くらい前から始めたのがオンライン英会話。

フィリピンにいるフィリピン人が英語を教えてくれることで、低価格を実現しているわけです。下手すると1コマ100円くらいからあるので、駅前留学なんかに比べるとタダみたいなものです。

ここで日本人が気にしがちなのが、「フィリピン人で大丈夫なのか?」という所。

フィリピン人は英語が堪能な人が多いとはいえ、ネイティブとは少し違います。タガログ語という母語がありますし、世代や階層によって英語力にかなりばらつきがあるのも事実。

とはいえ、初心者のあなたよりは遥かに上手なので気にせず色々話してみましょう。

これは留学やワーホリでも同様ですが、いきなりネイティブと話すのはハードルが高いものです。中国や韓国など文化も見た目も近いアジア人とまず仲良くなるのもあるある。

会話も数をこなしたもん勝ちなので、とにかく話しまくりましょう。

オンライン英会話の裏ワザ

ここで裏ワザを紹介しておきます。

スキル習得には金払いの良い日本人はすぐに長期契約をしたりしますが、これはもったいないです。

どのオンライン英会話業者も「無料体験レッスン」というのを用意しているので、まずはこれを受けます。

色んな業者で受けまくります。

今ではかなりの数の業者がサービスを提供しているので、センス良い人だったら無料体験を一周するだけでそれなりに話せるようになってしまうかもしれません。そしたらタダですね。

カネを払うのは手抜きであり、思考停止であると考えましょう。払うのは最後の手段。

まとめ

いかがでしたでしょうか。思ったより地味だったと思いますが、地味な学習が最も大事なのは語学に限ったことではなく、物事の真理です。ステップをまとめると、

  1. 中学英語を徹底的に復習する。

  2. オーディオブックと洋書でリスニングを鍛える。

  3. オンライン英会話で会話しまくる。

これで、「英語で英語を教わって理解でき、活用できるようになる。」レベルまでは確実に到達できます。そこから先はもはや仕事の都合もしくは趣味の領域ですので、好きに勉強していけばいいでしょう。

この「英語で英語を教わって理解でき、活用できるようになる。」がとても重要なしきい値なのですが、あまり世間の語学学校では言われません。

「全然英語を覚えないから永遠に通ってくれる生徒が最高の顧客」

である語学学校には構造的な問題があります。

語学学習や習得にはセンスや環境が大きく関わるために再現性があまりありませんが、この方法に関しては確実に伸びると断言できます。

魔法の学習方法を求めさまよい続ける「語学学習ジプシー」は卒業して、是非確実な一歩を歩み始めてください。



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