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海外駐在員になってプチ金持ちになる方法。

絶賛Google検索1位を継続中の「海外駐在員の不倫事情と、その防止策」にも書きましたが、海外駐在員の報酬は会社員としてはなかなか美味しいものがあります。

手取りで2〜3倍はザラの上、家賃や光熱水費なども会社負担であるため可処分所得は更に増えます。

メリットは経済面にとどまらず、

  • キャリアにプラス

  • 語学を習得できる(やる気があれば)

  • めちゃくちゃ不倫できる(笑)

などなど多岐にわたります。そんな駐在員ですが、最近は希望者が減っており狙い目になっています。

では具体的に駐在員になるには、バラ色の駐在生活を送るためにどうすれば良いのか本稿でご紹介していきます。

筆者について

有名日本企業(製造業)の現役中国駐在員。前職を含め海外駐在は3回目(中国→タイ→中国)。現職は「海外駐在員を狙って」入社したアラフォーおじさん。会社員キャリアの半分以上は海外駐在です。

確実な方法はない

いきなりネガティブな結論ですが、海外駐在員になるための「確実な方法」はありません。

僕が現在の職を得たように、「海外駐在員としての求人に応募する」というのが一番確実性が高いですが、正直これは駐在(もしくは在住)経験がないと難しいでしょう。

本稿は「初めての駐在」を実現するためのものですので、このケースは除外します。

考えてみれば当たり前で、海外駐在といえども会社の中の一つの異動に過ぎません。

全員が希望部署に配属される会社はありませんので、海外駐在員でもそれは同じ。

ですが、「可能性を上げていく」方法は確実にあり、また最近実現可能性も上がっています。なかなか給料が上がらない日系企業にあって、一気に数倍の収入を実現する海外駐在員。狙ってみる価値は十分あると言えます。

希望者が減っている

海外駐在を希望する人にとっては朗報ですが、どの会社でも駐在員のなり手不足に困っています。

はっきりとしてデータはありませんが、実際に駐在員をしているといろんな企業の事情が耳に入ってきます。そこでよく聞くのが、特に若い人が海外に出たがらないという話。

僕が若い頃は「3年以内に海外駐在に行けなければ辞める」つもりでしたが(実際3年目に駐在員になりました。)、今は全体としてそういう人は減っているようです。

全体から見れば少ないポストである海外駐在員。希望者が減っている現在は狙い目です。

海外拠点のある会社に入る

では具体的な方法論に入っていきましょう。当たり前ですが、まず重要なのが「海外拠点がある会社」で働くことです。

要するに転勤するということなので、拠点がない場所に転勤する可能性はゼロではありませんが、限りなく低くなります。ここでおすすめなのは製造業。

海外拠点が多い企業は必然と大企業となり、そして商社や銀行など、「そもそも入るのが難しい一流企業」も多いものです。

三菱商事の海外駐在員とかになれればニッポンサラリーマンとしては驚くような高収入が得られるでしょうが、そもそもそんなに優秀な人はあんまりいません(笑)

そこで選択肢に上がってくるのが「製造業」です。

かつて超円高だった時代に、日本の製造業はこぞって海外に製造拠点を作りました。日本で作っても割高で世界で売れなかったからです。

ものづくりというのは実に手がかかるもので、海外拠点には必ず日本人の駐在員を送り込む必要があります。

東洋経済オンラインによると海外駐在員が最も多い企業は「トヨタ」。世界中の拠点に日本人社員を送り込んでいます。もちろん製造業は製造拠点だけでなく、販売拠点も持っています。

また、ものづくりというのは一社では成り立ちません。業界用語でサプライチェーンと呼びますが、要するに下請け企業も近くにないと成立しないわけです。

自動車業界が特に顕著で、トヨタや日産の海外拠点の近くには自動車部品メーカーもたくさん拠点を構えています。その証拠に前述のランキングではトヨタのグループ会社であるデンソーが3位につけています。

というわけで、「そんなに優秀じゃなくても駐在員になりやすい」企業として製造業が上がってくるわけです。実際に僕を含めて、製造業の駐在員は取り立てて優秀な人はあまりいないと思います。むしろポンコツも多い(笑)

日本では使いようのない社員を押し付ける「姥捨山」みたいな海外拠点すらあります(笑)

海外進出を検討している会社もあり得る

とはいえすでに海外拠点を持つ企業はそれなりの規模で、そういうところには入れないという人もいるでしょう。

可能性は高くはないのですが、「これから海外進出する企業」も狙い目ではあります。特に地方に多いのですが、中小企業がはじめて海外進出するケース。

1社目でバンコク駐在をしていたときに、下請け企業の進出を手伝い、一時期オフィスを間貸ししたこともあります。

単体では進出できないので、関連会社を頼るケースですが、こういった場合は低スキルでも駐在員になれる可能性があります。

なにせ社内にノウハウも経験者もなにもありません。「なんとなく大丈夫そうな人」をいかせたり、中途で「ちょっとだけ英語喋れる人」みたいなのを採用してきたります。

海外駐在希望をアピールする

意外と忘れがちなのがこれで、社内でのアピールは重要です。人事権を持っている人も、誰が海外OKでNGかわかっていない場合も多いので、希望を伝えておくことでリストアップされる可能性が高まります。

実際僕の場合も上海拠点の社内公募に応募したことで、「英語圏じゃなくても良いのか」と役員に認知され、後に中国の別の拠点への駐在が実現しました。

英語ができるやつは英語圏じゃないとダメ、みたいな固定概念は想像もしていなかったので驚きました。

駐在員になりやすいスキル

どんな会社に入るべきかをお伝えしたあとは、「どんなスキルを身につけるか」についてお話したいと思います。

海外拠点には様々な職種の人がいます。

  • 営業

  • 品質管理

  • 生産技術

  • 設計、開発

ですが、これから海外駐在員を目指す人におすすめなのが、財務・会計です。圧倒的におすすめです。

なぜか。単純に「すべての海外拠点に必要だから」です。

製造拠点に営業マンはいませんし、営業拠点に生産技術がいる場合も少ないでしょう。ですが、「経理部門」は必ずすべての会社にあります。

100%日本人駐在員がいるわけではありませんが、お金を握る部門なのでここに日本人を置く企業は多い。実際に僕が海外駐在を3回しているのもこの部門です。

財務会計

「そんなこと言ったって俺経理じゃねぇし」
と思うところですが、意外と大丈夫です。僕自身も経理部門にいたことはありませんし、実際の経理実務はやったことがありません。

海外拠点の経理実務はローカルの経理担当者がやるので、駐在員の取りまとめ、日本向けの資料作成、分析・戦略立案などです。

ではそういった仕事をするために必要なスキルとは何でしょうか。

簿記です。

日商簿記で言えば二級が欲しいところですが、とりあえずは三級を取ってしまうのが早いでしょう。

すごい雑に言えば、三級=販社の会計がわかる。二級=製造拠点の会計がわかる。という感じです。

モノの売り買いしかしない販社の経理は、部品から製品を作る製造拠点に比べるとだいぶシンプルです。僕は実際に製造拠点(中国)→販売拠点(タイ)に異動しましたが、販売拠点のほうが圧倒的に仕事が楽でした。

僕もこんな感じの本で三級を取得しました。

もちろん簿記だけでなく、いわゆる経営分析的な知識も求められますが、そのすべての基礎になるのが簿記。ここがしっかりしていればなんとか対応できるでしょう。

僕は三級しか資格は持っていませんが、そのかわり中小企業診断士の「財務会計」という科目を徹底的に勉強しました。大体二級の範囲と同じくらいだそうです。

これを抑えておけば基本不足はないはず。

財務会計の知識や経験は海外に限らずどこの会社でも使える、「ポータブルスキル」です。やっておいて損はないと思いますので、ぜひ取り組んでみてください。

語学

海外駐在員といえばまず思い浮かぶのがこの語学。特に英語が思い浮かぶと思います。なぜ2番目に持ってきたのでしょうか。

微妙だからです(笑)

日本で語学学習といえばまずは英語ですが、実は海外駐在先として英語圏はあまり多くありません。

銀行や商社、マスコミなどエリートサラリーマンが集う会社にはありますが、今回おすすめしている製造業ではどうしてもコストが安く日本に近いアジア圏が中心になります。

アジア圏で英語が通じるのはフィリピン、シンガポールくらい。香港もよく言われますが、実際に行ってみるとたいして通じません(笑)

どこの国に駐在するのかわからないので、何語をやればいいかわからないのがネック。

それでもやはり英語ができるのは強みにはなるので、やるとすれば英語。駐在先候補が絞られているならそこの言語という感じでしょうか。

ちなみに僕はそれなりに英語を話せる状態で海外営業部にいましたが、「英語できるんだから中国語も大丈夫だろう」という意味不明な根拠を持たれて中国駐在員になりました(笑)

日本人の語学力は総じて低いので、何語でもできれば結構な武器になるのかもしれません。

そんなわけで、これから海外駐在員を狙う場合、万人におすすめできるのが財務会計+語学ということになります。どちらも一生物のポータブルスキルですので、是非取り組んでみてください。

【 コラム 】どこの国に駐在するのが良いのか。

最後にどこの国に駐在するのが良いか考えてみたいと思います。

駐在員で集まるとよく「選べるならどこの国が良いか」という話になりますが、これがなかなか盛り上がります。

アメリカ駐在!と聞けばキラキラエリートイメージがありますが、実際大変です。

時差があるので変な時間に会議を突っ込まれたり、日本に一時帰国するにも10時間フライトとかです。物価も高いし、英語ができないと馬鹿にされるし、人種差別問題だってあるでしょう。

その国それぞれ特徴があると思いますが、本稿のおまけに僕が実際に赴任した国についてお話してみます。

中国

反日感情が強いこともあって、なかなか行きたがる国が少ない中国ではありますが、実際に駐在している人たちは意外と中国好きになります。

良いところとしては、

  • 近い

  • 食事が美味しい

  • 日本食店も都会には多い

  • 漢字だから結構意味がわかる

  • メンタリティが日本人に近い

などが挙げられます。実際に中国赴任を命じられると「イヤイヤ」くるものの、帰任事例を受けて「イヤイヤ」帰るのもあるあるです。

見た目が日本人と同じ中国人女性と不倫しやすいのもおじさんたちを虜にする理由です(笑)

また、日本人には意外かもしれませんが、中国人はよく働くので、特に現場の管理などは比較的やりやすいように思います。

逆にデメリットとしては、LINEなどそのままでは使えないアプリが多いこと。VPNを使うことで解決はできますが、やはり不便は不便。

タイ

こちらは駐在希望者も比較的多いであろう人気国です。駐在員だけでなく、自分で仕事を見つけて働いている現地採用の日本人や、バックパッカーで長期滞在している日本人も大量にいます。

良いところは、とにかく楽しいこと。

観光立国であるタイには世界中から旅行客が遊びに来る魅力があります。

ご飯も美味しいし、日本食に限らず各国料理が美味しく食べられます。ここが中国と違うところですね。中国の都会には美味しい和食屋さんもありますが、日本のイタリアンに匹敵するようなお店を探すのはなかなか難しい印象です。

タイには、タイ人女性を目当てに移住してきた世界中のスケベシェフが開いているお店が沢山あるので、バンコクでも本場イタリアンが安価に食べられたりします。

デメリットは、楽しすぎて仕事をしなくなってしまうことでしょうか(笑)

僕も毎日遊び歩いていましたし、あまりバリバリ働いている駐在員は少なかったイメージです。

僕が経験した中国とタイで比べるなら、

仕事を頑張るなら中国、遊ぶならタイ

という感じです。

世界中どこでも選べるならどこ?と考えてみるとこれが意外に難しくて、むしろ日本の福岡とかに駐在したいな〜とかおもう昨今です(笑)

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