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スマホ依存症の高校生たち

スマートフォンは便利です。スマホひとつで街の買い物、ネットショッピング、振込、地図、情報検索、動画視聴、学習、ゲーム、SNSなど、あらゆることが可能であり、私たちの日常を便利で楽しく豊かにしてくれます。

一方で、スマホには便利で楽しいゆえの中毒性もあります。自制心がまだ十分育っていない高校生の中には、スマホ依存症に陥り、生活に支障をきたす人もいます。ここでは、高校で出会ったスマホ依存症の生徒の姿から、共通点を抜き出した典型例を紹介します(特定の人物のことをそのまま紹介はしていません)。


スマホから離れられないT君

T君の通う高校では、授業での学習用タブレット端末以外は持ち込み禁止のルールがありました。しかし、T君は、持ち込み禁止のスマホを授業に持ち込み、授業中に机の陰でこっそりゲームをしたり、時間経過を今か今かと待ってガチャを引いたりしていました。その様子をクラスメートに指摘されてたり、教員が気づき注意をされても、どうしてもやめられません。

T君の高校では、授業中のスマホ無断使用は一時預かりを行うことが校則で明示されていました。また、生徒指導対象にもなる深刻な事案とされていました。授業担当教員がその場で預かる指導をしようとするとT君はスマホを奪われる不安から激昂しました。T君は教員に暴力を振るおうとしたり、教室中を駆け回って逃げたり暴れたり、挙句の果てに教室内で泣き叫んだりするなど、徹底的にスマホを取り上げられることへの抵抗を示しました。

常にスマホゲーム優先のS君

S君は、授業が終わるとすぐにスマホをカバンから取り出します。休み時間中は授業中にスマホを弄れない不満を爆発させるかのように、ひたすらゲームに熱中します。授業のチャイムが鳴ってから、S君は慌てて教科書等を準備したり教室移動を開始します。

そんな休み時間の使い方をしているせいで、授業では毎回遅刻をして叱られていました。さらに、授業間の10分休みがスマホ最優先のために、毎授業中に『先生トイレ。漏れそう』と頻繁に授業を抜け出しトイレに行っていました。休み時間にきちんとトイレに行くように、と教員は毎回注意するものの、トイレに行かせないのは体罰に該当します。授業中にトイレに行くことが妨げられることはないため、教員の注意はS君には通らず効果は乏しいものでした。S君は休み時間のスマホを優先し続け、休み時間にトイレに行く習慣を身につけることがいつまで経ってもできないでいました。

S君は、清掃の時間もスマホ片手に机を運んだり箒で床を掃いたりしていました。担任が注意しても、片手でスマホを持ち、注意散漫な掃除の仕方をします。ある日、ゴミ捨てに行く際にスマホ片手に前を見ずに廊下を歩いていたS君は、他の生徒とぶつかりスマホを落としてしまい、結果スマホ画面が割れトラブルになりました。

無断撮影&SNS投稿がやめられないFさん

Fさんは、いつの日からか、授業中に生徒や教員の様子の写真を無断でこっそりと撮影するようになりました。その写真はすぐにインスタのストーリーにアップをします。インスタのストーリーにコメントと共にアップして、反応をもらうことがすっかり快楽になっていました。Fさんには、肖像権侵害の意識は乏しかったようです。写真を勝手に取られてインスタに載せられたことを知った友人やクラスメートはFさんに苦情を伝えるものの、伝わりません。人間関係が悪くなると、Sさんは頻繁に悪口と共に無断撮影した写真を投稿して楽しむようになりました。

まとめ

スマホ依存症の高校生の姿を紹介しました。どの人物にも共通するのは、他に優先すべきことがあるのにもかかわらず、スマホを優先してしまう姿です。結果、本来向き合うべき学業や大切な人間関係が壊れてしまうなど、日常生活に大きな支障をきたしています。これは、まさに依存症の典型例です。

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