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直前ですが出演告知(2024.5.18 BSテレビ東京 「日経プラス9サタデー ニュースの疑問」)&熱中症にはご注意を

こんばんは。ようやく週末ですね。
バタバタしていて直前になってしまったのですが、2024.5.18にBSテレビ東京「日経プラス9サタデー ニュースの疑問」に1年以上ぶりにスタジオ出演します。

中ロ首脳会議を重点的に扱うとのことで、私はヨーロッパから見た中ロ関係の展開や今回の首脳会議についてお話しする予定です。

プーチンの北京訪問直前に発表されたロシアの国防大臣の交代(ショイグ→ベロウソフ)ですが、あまり日本のメディアでは扱われていない重要事項を確認しておくと、ベロウソフ新国防大臣は中国と強い関係を持つ政治家です。
とりわけ重要なのは、ベロウソフ氏が第一副首相就任以降、「投資協力に関するロチア・中国政府間委員会」のロシア側議長を務めていること。

https://вэб.рф/en/international-multilateral-cooperation/russian-chinese-commission/

2023年11月20日(ロシアによるウクライナ侵略が始まった後ですね)には、この「投資協力に関するロシア・中国政府間委員会」第10回会合(北京開催)に出席し、「ロシアと中国との貿易は2023年には3000億ドルに達する」と語ったと、ロシア政府の公式ウエブサイトに記録が残されています。

経済の専門家であるベロウソフ氏の国防大臣就任は、ウクライナとの長期戦に備えて戦時経済に舵を切ったロシアにおいて、経済の側面から戦争を支えるという意図があることは、この人事が取り沙汰されて以降の1週間でしばしば指摘されてきましたが、ベロウソフ氏が長年中国との関係のロシア側のキーパーソンであり、今回のプーチンの北京訪問にも同行していることは、ロシアが戦争継続において大いに中国の力を頼りにしていることの表れとみるのが自然と考えます。

16日の北京到着日は、ベロウソフ、ショイグ、ラブロフ、ウシャコフの安保チームで中国側との少人数ディナーに参加していました。

日本では、この記事以外にベロウソフと中国との関係について長めに触れている記事があまりなく・・・

これはいかん、と私も急いで昨日コメントを書いたのですが、ほとんど読まれていなくてメソメソしているところです。どなたかご覧頂ければ・・・

ところで、今日は暑かったですね・・・

私は今日は大学で講義していました。
いったん講義が始まると、しばしば水分補給も忘れて75分を2セット話し続けてしまうのですが(聞いてくれている学生さんに気の毒なので、ちゃんと適宜休憩を入れながら話さないと、と思うのですが、伝えなければならないことが多すぎてつい・・・)、最初はそこまで暑くなかった教室も夕方に近づくにつれてどんどん暑くなってきてしまいました。

ちょうど今回は、例年とても力を入れて講義しているデタントのヘルシンキ・プロセスのところだったので、「暑いなぁ」と思いながらも次々と重要ポイントを紹介していたところ、
最後10分ぐらいのところで急に目の前が白く、その次に暗くなって、ぐらっと世界が反転するような感覚に襲われました。

「おお?」と教卓に手を突いたところで我に返り、「まずい、どこまで話していたんだっけ?」とノートに目をやると、ヘルシンキ最終文書(1975)における「同盟選択の自由」を話す直前のタイミングでした。
これだけは話してしまわないと倒れていられない、と気を取り直して喋りきったのでした…。

https://www.osce.org/files/f/documents/5/c/39501.pdf

ソ連も米国も東西ヨーロッパ諸国も署名したこのヘルシンキ最終文書では、欧州安全保障協力会議(CSCE)参加国が「同盟に加入する権利も、加入しない権利も有する」と明確に書かれています。大事なことなのでもう一度言いますが、この最終文書はソ連も署名しています。
冷戦後にCSCEは欧州安全保障協力機構(OSCE)へと改編されるのですが、この「同盟選択の自由」はそのまま残されています。
つまり、NATOに入るか入らないのかはその国の主権的な選択であることがこのヘルシンキ最終文書できちんと確認されているわけで、中・東欧諸国が冷戦後にNATOに入り、ウクライナがNATOを目指したからと言ってロシアによる侵略が正当化される、という考え方は、このヘルシンキ最終文書に照らせばおかしな話なのです。
日本ではこのヘルシンキ最終文書がほとんど重視されていないので、「NATOを拡大するからロシアはやむなく戦争をしかけた」などという議論がまかり通ってしまうように思います。

…というわけで、倒れてしまわずにこの最重要ポイントをなんとか話しきることが出来て一安心でした。
講義後水分をしっかりとり、ようやく落ち着きましたので、明日のテレビ出演は全く問題なく行えそうです。
今日は早く寝て明朝の出演に備えます(すでにちっとも早くない気もするけど、きっと気のせい)。

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