ひがし

2024年3月26日スタート。 東京都在住。 思いつくままに書いてみます。 Jazzと…

ひがし

2024年3月26日スタート。 東京都在住。 思いつくままに書いてみます。 Jazzとコーヒーが好きです。 フォロー、コメント、よろしくお願いします。

最近の記事

地味な月

今日から6月。 よく、一年の中で一番地味な月だと言われる。 確かに、国民の祝日がない、それに伴いイベントらしきものもない。 ゴールデンウィークと夏休みの間、ただ働くしかない。 働くにしても、まだ切迫感がない時期。 別名、水無月であるが、旧暦由来のため、現代の6月のイメージにもそぐわなく、6月が水無月であることの認知度も低い。 知り合いは、「むつき」だとばかり思っていたとのことで、どうやらそれは単に、六月をそう読んだだけのことだった。 新宿中央公園のそばにあるらしいホテル

    • 爪に想う

      爪に火を灯す。 最近、滅多に耳にしないし、文字でも見かけない慣用句。 本来、非常な吝嗇家または非常に慎ましい生活といったネガティブな意味であるため、あまり使い勝手もよろしくないのかもしれない。 加えて、爪の先に本当に火を灯せるのか、本来の意味以前に、そもそも出来ないのではないのか、とも思う。 私自身、爪には気を使っている方だ。 なにも女性のように、サロンに行ったりマニキュアやネイルアートをしたりしているわけではなく、普通のヤスリが付いた爪切りで、形を整えているだけだ。

      • 雨の前触れ

        蛙が鳴くと雨。 雨の前触れの代表的なことわざ。 私は、東京のとあるターミナル駅から電車で5分の所に住んでいる。 都心とまで言わないにしても、ほぼ都心に位置している。 ところが、どこからともなく、夜の静寂に蛙の声がかすかに響いてくる。 ベランダに出れば、はっきりと響いてくる。 子供の頃は、水田が広がる田舎で暮らしていたので、それこそ季節になれば、大合唱はごく当たり前の環境だった。 だからこそ、蛙イコール田んぼのイメージが強く、都心で聞こえることに非常な違和感を覚えるのと同時

        • 朝の陽

          もうすぐ夏至になる。 朝、東側の窓から、眩しい光が入り込むことで目が覚める日が多くなった。 あれだけ台風の如く風雨が強かった東京の夜から一転、それでもやや雲がちぎれちぎれに浮かぶ今朝の空。 東の空から柔らかな陽の光が届いていた。 駅の両側に、湾岸道路を挟むその駅は、改札を出た信号のある交差点で信号待ちをしていると、電車の音がかき消されるほど、大型トラックが高速でひっきりなしに行き交う埋立地の端にある。 その雰囲気と似ても似つかぬ駅名が信号の上に大きく掲げられ、そうでもし

          災い転じて福と為す

          今日は湿度が高い。 日中はそれほど雨も降らず、ほとんど傘を必要としなかったが、歩いていると喉が渇いて仕方なかった。 水分補給のため、自動販売機で冷たいお茶を買うことにした。 コインを投入しボタンを押そうとした瞬間、ポケットのスマホが震えた。電話の着信だった。スマホを取り出そうと、一瞬下を見ながら、自動販売機のボタンを押した。 ガタガタと音を立ててペットボトルのお茶が出てきた。出るはずだった。 ところが出てきたのは、赤いトマトジュース。 間違えて隣のボタンを押してしまったの

          災い転じて福と為す

          1等当選

          今日、宝くじのロト6を買った。 結果はまだ見ていない。 明日になったら6億円が手に入る予定だ。 ところで、このロト6、1等の当選確率が、0.00000016%。 約600万分の1。 例えば、飛行機事故で死ぬ確率が0.0009%、隕石が落ちて死ぬ確率が、0.00007%。 こう考えると、とてつもなく当たる気がしない。 しかし、鳥にフンを落とされる確率が、0.000023%、約423万分の1。 意外とロト6の確率に近い。そう考えると、あながち当たらないこともないような気がしな

          こんにゃく閻魔

          だいぶ昔の話。 とある大手シャッター会社への提案に向け、提案資料を作成した。 カラーで印刷し、提案当日、会議室で先方の方にそれぞれ配布した。 「それではご説明いたします」と言い終わると、 「いや、申し訳ないですがお引き取りください」と、言葉は丁寧だが、断固たる口調で告げられた。 まだなんの説明をしていないにもかかわらずである。 「紛らわしいのは事実ですが、私どもの社名を間違えて記載する御社からのご提案はお受けできませんので」 瞬間、パワーポイントの表紙に目を落とし、「◯◯

          こんにゃく閻魔

          都心の空き家

          東京・南青山と聞くと、洗練され、おしゃれで高級感溢れる街をイメージする事が多いはず。 大通りには、ハイブランドの店舗が立ち並び、それらが先進的な建物でもあるため、デザイン的にも美しく、加えて緑の樹々も豊富にあるため、機械的ではなく心地よい街並みとなっている。 しかし、大通りをはずれ、特に奥の方までくまなく歩いてみると、古い一軒家が並ぶ街並みも今だに点在している所もある。 当然、生活をしている家もあるが、空き家もある。 主のいない家は、昔ながらの木一枚の玄関ドアに銀色の鉄製

          都心の空き家

          採血嫌いの実態

          丸い椅子に座るなり、「お手柔らかにお願いしますね」と、ぎこちない笑顔で告げた。 相手も手慣れたもので、「はいはい」と愉しげな笑顔で答えた。 「気分悪くなったりしますか?」と聞かれ、「いえ、単に注射が怖いのと血を見るのが苦手なだけです・・・」と、ますますぎこちない笑顔で答えた。 「はい、じゃほら、後ろの風景がきれいなカレンダー見て、旅行に行ってるとでも思って、がんばってくださいね」 言われる前から左腕だけ差し出し、顔は180度近く捻っていた。 それっきり、一切現場を見ないよ

          採血嫌いの実態

          夜の一瞬

          風呂上がり、暑さを冷ますため、冷たいコーヒーを持ってベランダに出る。 3階から見下ろす車道には、人も車もない静かな世界が広がる。 そして、規則正しく街灯が整列し、静かだが仄かに明るい世界をも作っている。 見上げると、満月に近い白い月が、周りの薄雲に負けじと、それでもややぼんやりと、空を街灯のように仄かに明るく照らしている。 何も考えず、緩やかな涼風にあたりながら、家々を焦点を合わさず眺める。 静かな世界に、遠くに聞こえるサイレンの音が足早に右から左へ駆け抜けていき、すぐにまた

          夜の一瞬

          一期一会

          生まれて初めてその言葉を聞いた時、『イチゴ1絵』だと思った。大きなイチゴ一個だけが描いてある絵。そんな絵を想像した。言葉として知ったものの、意味については、親から特に教えられた訳でも自分から聞いた訳でもなく、本当の漢字と意味を知るまで、ずっとイチゴ一個だった。 小学生だった頃、読んでいた本の中で『一期一会』という単語が出てきた。 (いっきいっかい・・・) そう読んだ。前後の文脈からも、どういう意味か理解できず、国語辞書をひいた。 (いっき、いっき・・・) ページを繰りながら

          大切なもの

          自分の意志ではほぼ決められないもののうちの一つに、自分の名前がある。 この世に生を受け、気づいた時には自分の名前が決まっていて、一生を終えるまでその名前で過ごすことになる。 自分の名前を気に入っている人もいれば、気に入らない人もいるだろう。条件を満たせば、裁判所の許可を得、改名することもできるが、よほどでない限り、現実問題として名前を変えるのは難しい。 かっこいい名前ですね。 子育て世代、あるいはこれから生まれる予定の世代から、私の名前は、そう言われるケースが多い。 読

          大切なもの

          ありがたい通り

          その壁には、ぎっしりと梵字が埋め込まれていた。 東京・門前仲町にある、深川不動尊の本堂だ。 一文字も理解できないサンスクリット語で、ご真言が記されている。 ありがたいのかどうか実感が湧くこともなく、むしろ、参道である「人情深川御利益通り」を歩き、何か御利益がありますようにと、そう思いながら、永代通りに出た。 永代通りを渡り、一本裏の道に連なる飲み屋街。その中の一軒で飲んだ後、二軒目を求め、辰巳新道に向かった。 辰巳新道という字面だけだと、広く大きな通りを想像してしまいが

          ありがたい通り

          Dm的休日

          親からの遺伝。 これには様々なものがある。 身体的なもの、知力・体力的なもの、体質的なもの、挙げればキリがない。 今日は昨日から一転して、今にも雨が降りそうな、どんよりした曇り空になった。こういう日は、高確率で親から遺伝されたものが発動する。 それは片頭痛だ。 一般的に女性に多いものだが、男性の私にも容赦なく襲いかかってくる。 母親が重度の片頭痛持ちで、それをそっくり受け継いだ形だ。ただし、そこまで重度ではなく、だいたい感覚でわかるので、事前に何かしら市販の頭痛薬を飲ん

          Dm的休日

          緑と一緒に

          東京・赤羽駅の西口に降りる。 駅前にそびえるイトーヨーカドーの脇の道を歩く。 少しすると、車道のトンネルの両側に階段があり、左側の階段を一段跳びで駆け登った。標高差およそ10メートル。その割には、ずいぶん高台に登った気がした。きらびやかな団地の中の並木道を歩き、そこから歩いて約15分、限界集落と呼ばれる「桐ヶ丘団地」に着いた。 およそ人の気配を感じない、「桐ヶ丘中央商店街」。 ゲートを抜けると、真っ青な空と、たなびく万国旗が視界いっぱいに広がる。その店のほとんどがシャッタ

          緑と一緒に

          失敗は成功のもと

          デパート地下の果物屋をのぞいてみたら、びわがたくさん並んでいた。 せっかくだからと、それでも一番安いびわを買った。 今年に入り、自家焙煎した豆で、コーヒーゼリーに挑戦することにした。 初めのうちは悪戦苦闘。なかなか思うように固まらず、何度も作り直し、おかげで焙煎の回数がやたら増えた。 最近になってようやくそれなりにできるようになり、安定して作れるようになった。 その派生系で、フルーツゼリーにも挑戦している。 その一環で、今日はびわゼリーを試作しようと、びわを買ったのである

          失敗は成功のもと