見出し画像

アメリカで成功する日本食飲食店を開業する方法

この記事を読むことで、アメリカではどのような日本食飲食店が成功しているのかが分かります。


こんにちは、清家です。

この記事では、アメリカで成功する日本食飲食店を開業する方法について、実体験と具体例を交えてお話します。

私は2017年に学生ビザでアメリカに渡り、学校に通いながら法人会社を設立し、1店舗目の飲食店をオープンしました。

その後、店を軌道に乗せると、学生ビザからE2ビザ(投資家ビザ)に切り替え、カリフォルニア州で合計3店舗の日本食飲食店を開業しました。

現在は、ロサンゼルスで寿司屋とラーメン屋の2店を経営しており、合算の年間売上高は4億円を超えるまでに成長しました。

2017年に初めて自分の店をオープンした当時は、アメリカでの飲食店の経験は全くなかったため、皆様の予想通り、想像を超える数々の苦労を経験することになります。

不幸中の幸いだったことは、この苦労を経験することで、資金集め、E2ビザの取得、物件探し、新店の立ち上げ、米国法人会社設立、法人口座開設、賃貸契約書の交渉、各許認可の取得、メニュー開発、人材採用・教育、広告、ハンドブック・雇用契約書の作成、雇用法・労働法、訴訟等に関する知識を身につけることができました。

アメリカに渡ってから最初の5年間は、自分の人生全てを店のために費やしました。

今まで、自分自身でカリフォルニア州で日本食飲食店を3店舗オープンし、様々な方の飲食店経営や立ち上げのサポートをする中で、成功している店には特徴があるということに気付きました。

日本からも多くの大手日系企業がアメリカに進出しています。大手ならではの資本力を活かして、出店リサーチや、店舗出店に掛ける潤沢な費用、日本から優秀な人材の投入など、勢いのある海外展開が見られますが、その全てが成功している訳ではありません。

  • 2020年、いきなりステーキUSAはニューヨークにあった11店舗全てを閉店し、アメリカから完全撤退しました。

  • 日本に862店舗ある丸亀製麺は、2017年9月にロサンゼルスに米本土1号店をオープンしました。オープン当初は2025年までに300店舗のオープン目標を掲げていましたが、2023年11月現在、ハワイを含む全米での店舗数は13店舗に留まっています。

  • 2008年にニューヨークにアメリカ1号店をオープンし、ラーメンブームの火付け役としても大活躍した一風堂。一風堂がアメリカのラーメン業界に与えた影響は計り知れません。しかし、その後の一風堂の全米展開には時間がかかっており、現在アメリカには7店舗となっています。ロサンゼルス有数の観光地である、サンタモニカピアから徒歩圏内にあったサンタモニカ店は、2018年にオープンするも1年8ヶ月の営業を経て2020年夏に閉店することになりました。

コロナの影響を受けて、経営の舵取りを余儀なくされたことは十分に理解できます。しかし、ここにはその理由だけではない、アメリカで飲食店を成功させることがどれだけハードルが高いのかということが窺えます。

日本で基盤を築き成長し、資本力、マーケティング力、人材力がある大手だからといってアメリカでも成功するとは限らないということが分かります。

逆にアメリカで成功している企業を見てみるとどのような差が、アメリカの飲食店業界における成功に繋がっているのかということを、理解することができます。

  • 1987年にオーナーシェフである野沢氏が、スタジオシティに本格的な寿司屋Sushi Nozawaをオープンしました。Sushi Nozawaは、映画監督や俳優、セレブ達も通う店になります。その後、長年友人でもあるJerry A. GreenbergとSUGARFISHを2008年にマリナデルレイにオープン。野沢氏の息子のTom Nozawaもチームに加わり、現在SUGARFISHは、ロサンゼルスに11店舗、ニューヨークに4店舗、全米計15店舗にまで成長しています。https://sugarfishsushi.com/

  • SUGARFISHを経営するSushi Nozawa Groupは、ハンドロール専門店であるKazuNoriも展開しています。クオリティの高いハンドロールを、オシャレな店でカジュアルに楽しめるというコンセプトが受け入れられ、同店は現在、ロサンゼルスに7店舗、ニューヨークに4店舗、全米に計11店舗あります。
    https://www.handrollbar.com/

  • 全米に展開する、JINYA Ramen Barは2023年12月現在、アメリカで最も成功しているラーメンチェーン店です。JINYAの高橋社長は2010年に渡米し、ゼロからロサンゼルスで飲食店を始めました。相当な苦労があったとのことですが、現在JINYAは全米に60店舗の規模となっています。
    https://www.jinyaramenbar.com/

  • 日本で焼肉チェーン店として店舗数日本一を誇る牛角は、現在全米にGyu-Kaku Japanese BBQの名称で73店舗あります。過去に、米国牛角の前社長である早川さんに、勉強会を開いていただく機会がありましたが「牛角を全米に広げる活動は、水の中で息ができないように苦しく、困難なものであった」と話されていたのが記憶に残っています。牛角のローカライズに試行錯誤を重ね、アメリカで最も成功している日本焼肉チェーン店に成長しました。
    https://www.gyu-kaku.com/

この他にもアメリカで流行っている日本食飲食店は、Kura Sushi (https://kurasushi.com/)、KATSUYA (https://www.katsu-yagroup.com/) 、Silverlake Ramen (https://silverlakeramen.com/)など、例を挙げるとキリがありませんが、ここで紹介した店は実際に足を運んでみると分かりますが、どの店も勢いがあることに驚かされます。内装はアメリカ人好みに作られ、店内は活気で溢れ常に混み、メニューは現地の方が好む味にローカライズされています。

アメリカのビジネス規模から、日本以上に大きな成功チャンスがあることは確かですが、日本とは全く状況が異なるため、飲食店を成功させるハードルの高さは相当なものになります。

この記事では、アメリカで成功している日本食飲食店の特徴について、私自分自身の店、今までのコンサル経験、友人や他店の具体例を使ってお話します。

筆者が今までにアメリカでオープンした飲食店の動画

※動画内で手ブレが生じており申し訳ございません。

ここから先は

15,219字 / 9画像

¥ 1,500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?