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私がたどり着いた勉強法

私は、大学・薬学部で准教授をしています。6年制の薬学部では、最終的に「薬剤師国家試験」を突破することが、なにより重要なことになります。これを突破できないと、薬剤師にはなれません。

また、他の学部においても、「国家試験」の突破を目標にしている場合は同様かと思いますし、社会人の方でも、資格取得のための「国家試験」の突破を目指している場合も同様です。

そこで本記事では、私がこれまでたくさんの本を読み漁り、自分や知人の体験談を聞いて、最終的にたどり着いた勉強法をご紹介したいと思います。

まず、効果が高くない勉強法からです。

(1)参考書を繰り返し読む
(2)ノートに書き写す
(3)ハイライトや下線を引く

「え、ダメなの?」と思った方も多いのではないでしょうか。実はこれらはあまり効果はないのです。ダメな理由として、どれも大して脳に負荷がかかっておらず、単なる作業にすぎないためです。

効果が高い勉強法:3点

(1):学んだことを、何も見ずに思い出したり、アウトプットする

例えば、1時間勉強するとします。その場合、1時間ずっと参考書を繰り返し読むのではなく、20分は参考書を読み、10分は何も見ないで、学んだことを白い紙に書き出したり、つぶやいたりして思い出してみましょう。思い出せない場合は、もう一度参考書を読みます。そして、また20分は参考書を読み、10分は何も見ないで、学んだことを白い紙に書き出したり、つぶやいたりして思い出します。

(2):ぶっ通しではなく、時間を空けて復習する

人の脳というのは、どんなことでも数日経つと忘れていくようにできています。そのため、時間を空けて復習することが大事です。長期的に覚えておきたいのなら、一夜漬けではなく、何回かに分けて勉強した方が効果的です。1日後、3日後、1週間後など、時間をおいて定期的に復習しましょう。

(3):(1)と(2)の組み合わせ

例えば、英単語を20個覚えるとします。通常なら、英単語を書き出したり、日本語の意味を調べつつ、声に出してみたりするでしょう(これはいつもの勉強法です)。次が大事です。何も見ずに、覚えた英単語のスペルと意味を、思い出せるだけ、白い紙に書き出していきます。このとき、もし忘れてしまった英単語があれば、もう一度英単語をチェックして、スペルと意味を確認します。この作業を1〜3回繰り返します(1の方法)。さらに、これを間隔を空けて、1日後、3日後に同じ作業を繰り返します(2の方法)。

(+α)勉強した内容について、自分で自分に質問する

勉強した内容について、なぜそうなっているのか、なぜそれが大事なのかを、自分自身に質問して、自分で答えてみます。自分で自分に質問していくことで、理解が一層深まります。

継続するコツ

この勉強法は、脳にかなり負荷がかかるため疲れやすいです。ですが、ここはぐっと耐えて、頑張って覚えたことを、何も見ないで思い出す作業を怠らないことが大事です。

対処法としては、通学・通勤時間などのスキマ時間を活用して、学んだことを定期的に思い出す作業を、自分の生活の中に組み込んで、習慣化させてしまいましょう。例えば、勉強した後、昼食を買いに行くついでに、歩きながら勉強した内容を思い出すなどです。


勉強のモチベーションを上げる方法:3点

(1)自分に関係のありそうなことを学ぶ

モチベーションがあがらない場合は、そもそもなぜそれを自分は学ぶべきなのか、という問いに明確な答えを出して、自分とその勉強との関係性を考える必要があります。人は自分に関係のないことよりも、関係のあることの方が興味を持てます。

(2)小さな目標を立て、小さな成功体験を積み重ねる

小さな成功体験を積んでいくことで、「自分はできる」という前向きな気持ちになって、モチベーションがあがっていきます。また、自分の進歩がわかりやすくなるように、自分の勉強の進捗状況やテストの点数を、記録しておくとよいです。

(3)何をどれくらい勉強するのか、自分で決める

人は基本的に何をするのも自分で決めたいし、誰かに強要されると反発してしまう生き物です。例えば、自分が好きで1日に4時間やっているゲームすらも、誰かから強要されると嫌いになるものです。そのため、自発的に自分で決めて勉強することが大事です。何をどのくらい勉強するのか、自分で決めましょう。


以上になります。

きちんとやると、最初はかなり疲れます。でも、勉強に近道はあっても、楽な道はありません。ここからは、あなたの努力にかかっています!

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