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博士課程進学のススメ(理系編)

日本において少子化が大問題になっている昨今ですが、そんな時代だからこそ、私は皆さんに博士課程に進んで「研究のプロ」となり、国内外問わず、全人類に貢献できるような研究成果を発信し、後進の育成に取り組んで頂きたいと思っているのです。

そこでまず「ChatGPT-4」に、博士課程に進学するメリット・デメリットを聞いてみました。以下が、その結果がです。

メリット:

①興味のある研究に集中できる
②大学の教員になれる
③高い専門性を持つ研究者仲間との交流がある
④後輩のマネジメント経験が得られる
⑤海外留学や国際会議での経験が得られる
⑥博士号を持っていると、専門性を活かせる仕事に就ける可能性が高まる

デメリット:

①時間と金銭のコストがかかる

- - - 以下に自身の解説を加えていきます。

「メリット」

①興味のある研究に集中できる

これはいわずもがなです。20代・30代はプレイヤーとして好きな研究に専念し、40代以降は指導者として、好きな研究に関する仕事に専念できます。様々なケースがありますが、ほぼ一生、研究に関する仕事に携わることができるといえます。

②大学の教員になれる

少子化に伴い、大学教員の数は年々減少傾向にあります。それでも魅力的な職業であることは間違いありません。金銭面では、最近のYahooのニュースで、大学教授の平均年収が「3位」という記事がありました(尚、1位はパイロット、2位は医師です)。他にも、日々の若い世代との交流はとても楽しいものです。自身の活力の源にもなり、とてもやりがいのある職業だと思います。

③高い専門性を持つ研究者仲間との交流がある

研究者仲間との交流は「楽しい」の一言に尽きます。みんな何かしらの専門家ですし、同じ志を持った仲間です。各々その人なりの独自の視点があって、お互いの考えを話し合うだけで、知的興奮の時間がもてます。それはとても素晴らしいことです。

④後輩のマネジメント経験が得られる

博士課程時代から、学部生・修士課程の学生のマネジメントをまかされることが多いです。年齢もそれほど違わず、最初は手探りの状態にあるとは思いますが、いろいろな性格の学生と接していると、こちらも良い刺激になり、人を視る目が養われます。そして、良き仲間として、人生が豊かになること間違いなしです。

⑤海外留学や国際会議での経験が得られる

私は諸事情があって国内居残り組になってしまいましたが、友人のほとんどが数年の海外留学を経験して、一回り以上大きくなって帰国してきます。中には、海外でそのままポストを得て、活躍する人もいます。さらに、国際会議こそ研究者の醍醐味でしょう。英語を共通語にして、世界中の人と交流できます。会議の空き時間には、その土地の観光もできます。こんな職業なかなかないです。

⑥博士号を持っていると、専門性を活かせる仕事に就ける可能性が高まる

競争率の高い大学教員以外にも、研究所職員や企業研究者の道もあります。私もスタートは研究所職員でした。大前提として、自分の専門性を武器とした、興味のある仕事につける可能性が非常に高いです。

「デメリット」

①時間と金銭のコストがかかる

博士課程に進学する一番の大きな壁はまさにこれでしょう。詳しく解説します。

まず、時間です。博士号を取得する頃には30歳手前になっています。ですので、「社会人」になるのは、周りと比べて数年遅くなります。結婚も遅くなります(関西以西では学生結婚も珍しくないそうです)。ちなみに関東出身の私が結婚したのは29歳です。一方で、年々健康寿命は伸びており、80〜90歳まで生きる時代であることを考えれば、それほど大きな問題にはならないと思いませんか?

次に、金銭のコストです。国立では約150〜200万円、私立では約300〜400万円かかります。以前の記事*でも書きましたが、私は修士〜博士時代は、親からの援助は受けていません。その代わり、日本学生支援機構の奨学金(平たく言うと借金)があります。借金とはいえ、優秀ならば返済免除もありますし、「教員等の研究職につけば返済しなくて良い制度」が復活する兆しもあります。

もうひとつは、日本学術振興会(学振)の特別研究員です。これに採用されれば、月20万円が給料として支給され、研究費として100万円程度もらえます。さらに、学振に採用されていると、その後の大学教員・研究所職員の就職に、非常に大きなアドバンテージとなります。そのため、研究生活に入ったならば、研究に専念して着実に成果を出し、上記の「返済免除」「学振の採用」の条件をクリアしたいところです。

以上になります。博士課程の進学に悩んでいる学生に、少しでも参考になれば幸いです。

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