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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

企業で働く意義ー自己実現への道

 企業は、その社会的存在意義を通じて、日々の創意工夫と自己肯定感の向上に努めています。単に業務を遂行するだけでなく、働く人々にとって人生を豊かにする貴重な経験を提供しています。特に、企業組織の中で得られる経験は、プロフェッショナルなスキルの向上だけではなく、人間としての成長にも大きく寄与します。 多様な価値観との出会い  企業組織は、さまざまな文化、性別、年齢、職歴を持つ人々が集まる場所です。このような多様性は、新しいアイデアや解決策を生み出すための素晴らしい土壌を提供し

求職者と企業の間の理解を深めるー期待のミスマッチを解消するための具体的対策

 現代の雇用市場における求職者と企業間の期待のミスマッチは、多くの職業領域において顕著に見られる問題です。この問題の解決には、双方が互いの期待とニーズを正確に理解し、適切に調整することが求められます。以下では、双方の視点から深掘りし、具体的な対策を検討してみます。 求職者側の詳細な視点と対策自己の価値と市場とのマッチング  求職者は、自身のスキルと経験が市場においてどのような価値を持つのかを深く理解する必要があります。これには、業界のトレンドを追跡し、継続的な学習と自己研

キャリア自律を目指す人事戦略ー高橋俊介氏『キャリア論』再訪

 BBTの番組・高橋俊介氏による「組織人事ライブ#702 」を視聴しました。その内容から考えること、人事企画にどのように活かすかを考えてみたいと思います。  当内容は、高橋俊介氏が2003年に出版した『キャリア論―個人のキャリア自律のために会社は何をすべきなのか』の内容を、現在の視点から再訪するというものです。本書は、慶應義塾大学SFC研究所のキャリア・リソース・ラボラトリーが主催し、14社もの大手企業に参加していただいた研究会を通じて行われた数多くのキャリアインタビューと

川上真史氏ー企業の持続的成長に向けたエンカレッジメントの活用: 従業員の個性を活かす人事施策

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #8 エンカレッジメント」というテーマは、古くて新しい概念を改めて認識する良い機会となりました。エンカレッジメントとは、単に人を励ますことではなく、自分の意思や判断に基づいて主体的に行動を起こすための勇気を与えることを指しています。  具体的には、他者のために生きるのではなく、自分の意思で主体的に生きる責任を持つことの重要性が強調されています。周囲の人々に認められるために、社会的に望ましいとされる行動を

労働組合の新時代: 現代課題への適応と企業との連携

 昨今、労働組合の「弱体化」がいわれています。私も1990年代の後半から、人事労務に従事してきました。労働組合との対応もこなしてきましたが、当時はすでに労働組合は以前ほどの強さではないということを何度も聞かされてきました。  しかし、会社側と従業員側が対等の立場で議論できる場は非常に重要であり、健全な企業運営には欠かせません。ここで、労働組合の役割、企業との関係、そして現代における課題について、再度考察したいと思います。  一方で、経済のグローバル化、技術革新、労働市場の変化

多角的アプローチによる人材不足問題の解決戦略

 人材不足問題は、単一の原因によって引き起こされるものではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発生します。そのため、問題の解決には、社会環境、企業側、求職者側の各視点から深く分析し、それぞれに対応した多角的なアプローチが求められます。  人材不足は、企業や組織の成長と発展を阻害する深刻な問題であり、その影響は個々の企業にとどまらず、社会全体の経済活動に及びます。したがって、この問題に効果的に対処するためには、関係者全員が協力して取り組む必要があります。以下では、これらの要因に

戦略的目標管理ーMBOの形骸化とも戦う

MBOとは  MBO(Management By Objectives)は、目標管理とも呼ばれ、役割責任を基に目標を設定し、目標に基づいて効果的にマネジメントを行う制度です。ただし、目標を管理する制度ではなく、目標を使ってマネジメントを行うことが重要です。 MBOは単に目標を設定し、その達成度を評価するだけのものではなく、上司と部下が目標を共有し、目標達成に向けて協力しながら業務を遂行することが求められます。  Management By Objectives = MBO

偶然の成功はあるが、偶然の失敗はない:教訓と学び

 『致知』2024年6月号(特集「希望は失望に終わらず」)の中で、「おにぎりは心と心を繋ぐものー右近由美子さん(おにぎり専門店 「ぼんご」 店主) p100」という記事(私のnote記事にリンク)があります。  ここで、右近さんは「偶然の成功はあるが、偶然の失敗はない」ということを述べています。この言葉には、成功と失敗の本質に関する洞察が込められています。成功は運に恵まれることもありますが、失敗には必ず原因があり、その原因を探り改善することで次の成功に繋げることができると示

社員一人ひとりが知っておくべき給与の基礎知識ー最低限は会社が教える

 私たちが働いて得る対価である給与は、生活を支える重要な収入源です。しかし、多くの社員が自分の給与についての知識を十分に持っていないのが現状ではないでしょうか。自分のお金なのに、自分ではわかっていないというのは寂しい話です。おそらく、誤りがあっても多くの場合分からない場合も多いように思います。会社としても、社員一人ひとりが給与に関する基礎知識を身につけられるよう、教育を行うことが望ましとおもっています。  給与は、私たちの生活を支える重要な収入源であり、自分の労働に対する対

シンプルさの追求ー人事業務の効率化と効果向上の戦略

 「シンプルにすること」は、人事業務においても重要であり、私もこれまでの経験の中で様々な仮説・検証を実施してきました。人事という領域は、その本質から多様なステークホルダー、複雑な問題、そして絶え間なく変化するビジネス環境にさらされています。特に昨今は、人事が経営に直結するという期待感もあります。このような状況で、物事をシンプルにすることは、クリアな判断と迅速な行動を可能にし、組織の効率性と効果性を最大化することにも寄与します。  しかしながら、シンプルにすることは容易ではあ

経験学習によるポテンシャルの解放ー部下の強みを育てるマネージャーのガイド(松尾睦氏)

 Aoba-BBTの番組で、松尾睦氏による『部下の強みを引き出す育成力養成講座』というテーマ。部下の強みを引き出し、その成長を後押しすることは、マネジャーにとって最も重要な役割の一つです。組織の持続的な発展のためには、一人ひとりの部下が持つ独自の才能や強みを見出し、それを最大限に活かしていくことが欠かせません。しかし、現実には、部下育成に悩むマネジャーが少なくありません。「どのように部下と向き合えばよいのか」「部下のやる気を引き出すにはどうすればよいのか」といった疑問や不安を

持続的な成功のための組織文化の強化ー9の着眼点

 組織文化の強化は、組織全体における重要な課題であり、成功するためには総合的なアプローチが求められます。組織文化は、組織の価値観、信念、行動規範、慣習などを包含する複雑な概念であり、組織の全てのメンバーに浸透し、組織の方向性と意思決定に影響を与えます。強い組織文化は、組織の一体感と結束力を高め、メンバーのモチベーションと生産性を向上させ、組織の目標達成を促進します。一方、弱い組織文化や不健全な文化は、組織の効率性と成果を阻害し、メンバーの士気を低下させる可能性があります。その

人事戦略によるポジティブな職場文化の創造

 いつも良い空気が流れるチームや組織は、単に業績を上げるためだけではなく、メンバー一人ひとりが働きやすく、互いを尊重し合う文化を持っています。このような環境は、組織の持続可能性と成長のために不可欠です。以下に、提供された情報を基に、これらの特徴がどのようにして人事の立場から支えられ、育てられるかについて詳細に考えてみましょう。 1. 明るく前向きな雰囲気 価値観の共有  人事は職場の文化を形成する上で重要な役割を果たします。ポジティブな職場文化を築くために、人事は価値観を