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人間学の学び(『致知』および「木鶏クラブ」等)

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雑誌『致知』の読後感、木鶏(読書会)クラブ、関連書籍についてまとめています。
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人事と人間学ー『致知』からの学びがもたらす効果

 人間学を学ぶ雑誌『致知』。本当に素晴らしい雑誌です。また、読書会である「木鶏クラブ」にも参加し、学びを深めることができます。私も地元の木鶏クラブに参加し、多くの学びを得ています。  人間学は学校で教えてくれません。したがって、社会人になってから学ぶ方も多いです。人間学の学びがもたらす効果について、人事の立場から再度考察してみました。 自己啓発と内省の促進 職場でのリーダーシップ  自己啓発を通じて得られる自己理解は、リーダーとしての資質を高めることになるでしょう。リーダ

【書籍】詩と歌に託された生き方の教訓:沢知恵氏と塔和子氏の創作の旅

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp163「5月10日:言葉を生み出すことは苦しいことなのよ (沢知恵 歌手)」を取り上げたいと思います。  沢氏は、大島青松園(ハンセン病療養所)で過ごした塔和子という詩人との交流について綴っています。沢氏は塔氏との出会いを通して、詩や芸術について深く学び、創作の苦しみや喜びを共有しました。2001年には、療養所で初めてのコンサートを開き、外部の人々にその場所を知ってもらう機会を作りました。

【書籍】会社は人間修業の道場ー染谷和巳氏の視点から

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp160「5月7日:会社は人間修業の道場(染谷和巳 アイウィル主宰)」を取り上げたいと思います。  染谷和巳氏といえば、「鬼上司」シリーズの書籍が有名、『上司が鬼にならねば部下は動かず』(プレジデント社)は特に有名と思います。  染谷和巳氏が「会社は人間修業の道場」という観点から、仕事を通じて成長する重要性について語っています。彼は、会社での苦労や挑戦を修業と捉え、それを乗り越えることで個

偶然の成功はあるが、偶然の失敗はない:教訓と学び

 『致知』2024年6月号(特集「希望は失望に終わらず」)の中で、「おにぎりは心と心を繋ぐものー右近由美子さん(おにぎり専門店 「ぼんご」 店主) p100」という記事(私のnote記事にリンク)があります。  ここで、右近さんは「偶然の成功はあるが、偶然の失敗はない」ということを述べています。この言葉には、成功と失敗の本質に関する洞察が込められています。成功は運に恵まれることもありますが、失敗には必ず原因があり、その原因を探り改善することで次の成功に繋げることができると示

※講読途中【書籍】『致知』2024年6月号(特集「希望は失望に終わらず」)読後感

 致知2024年6月号(特集「希望は失望に終わらず」)における自身の読後感を紹介します。なお、すべてを網羅するものでなく、今後の読み返し状況によって、追記・変更する可能性があります。 「希望は失望に終わらず」とは?  今月号のテーマである、「希望は失望に終わらず」という言葉は、様々な解釈が可能です。いくつか例を挙げたいと思います。 1. 希望は、どんな困難にも打ち勝ち、必ず実現する  キリスト教徒の聖パウロの手紙に由来すると言われています。パウロは、どんな苦難の中でも神

【書籍】流れる星の奇跡ー藤原咲子氏の物語

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp157「5月4日:咲子はまだ生きていた(藤原咲子 高校教師・エッセイスト)」を取り上げたいと思います。  藤原咲子氏の物語は、苦難と誤解を乗り越えた母娘の関係を描いています。咲子は、病との戦いを乗り越えて作家となった母の厳しい育て方に苦しみながらも、自分が母に愛されていないと感じていました。特に、母が書いた『流れる星は生きている』の中で自分について触れられている部分を読んだ時、咲子は母から

【書籍】才能を最大限に引き出す新時代のトレーニング法ー林成之さん

『一生学べる仕事力大全』(致知出版社、2023年)のp158「人生の勝負とは自分の才能を発揮することー林成之さん」を取り上げたいと思います。  従来のスポーツ界では、国内選考レースを目指して厳しい練習を積み、オリンピック本番に向けては一度ペースを落とし、体調を整える方法が一般的でした。しかし、この方法では脳が「ペースを落とす」という否定的な信号を受け取り、自己保存の本能を優先させるため、最高のパフォーマンスを発揮することが難しくなります。  新しいアプローチでは、ドーパミ

【書籍】自律と主体性ー陳建一氏の料理哲学から学ぶ

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp149「4月28日:マニュアルの先にあるものを読む(陳建一 四川飯店オーナーシェフ)」を取り上げたいと思います。  陳シェフの管理スタイルは、指示を待つのではなく、自発的に行動を起こせるスタッフが成長するという信念に基づいています。彼は料理を提供することを最終目的とし、それに向けてスタッフが自主的に動ける能力を非常に重視しています。自分から何をすべきかを理解し、迅速に対応できるスタッフは、

【書籍】夢を形にする言葉の力ー国分秀男氏の指導哲学

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp146「4月25日:言葉は意識を変え、意識は行動を変える (国分秀男 東北福祉大学特任教授・元古川商業高等学校女子バレーボール部監督)」を取り上げたいと思います。  国分秀男氏は、京浜女子商業での勤務を経て、古川商業高等学校女子バレーボール部の監督として転職しました。そのキャリアで学んだ重要な教訓を話しています。最初に、彼は一流の監督たちから学び、特に宮本武蔵の読書を通じて、全てを投げうっ

【書籍】経営の現場力ー佐久間曻二氏による実践と学び

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp143「4月22日:君はそれ、自分で確かめたんか?(佐久間曻二 さん、WOWOW相談役)」を取り上げたいと思います。  佐久間曻二氏が松下幸之助氏の指示で、あるミシン会社の貸借対照表を調査したエピソードを語っています。調査の結果、ミシン会社が予約販売制度を採用していたことが明らかになりました。佐久間氏がこの制度について報告した際、松下氏は「自分で確かめたか」と問い、実際に現場を見て自分の目

【書籍】人事として学ぶ安井義博氏の教訓ーブラザー工業における持続可能な成長戦略

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp110「3月21日:仕事は自らつくり出していくもの(安井義博、ブラザー工業会長)」を取り上げたいと思います。  安井義博氏は、ブラザー工業の現在について、自らの経験と価値観を基に形作ったとしています。40年前、日本の高度成長期には、生産技術部は存在していたものの、ブラザー工業には研究開発部や技術部がなく、開発管理が不十分でした。安井氏は「いちゃもん会」というグループを通じて、会社の問題点や

【書籍】チャレンジをチャンスに変えるー 大谷由里子プロデューサーの人材育成哲学

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp137「4月16日:横山やすしさんから学んだこと(大谷由里子 プロデューサー)」を取り上げたいと思います。  大谷氏は、「大谷由里子のリーダーズカレッジ」を通じて、企画力、交渉力、プレゼンテーション能力などを身につける人材を育成しています。彼女は以前、吉本興業でマネージャーとして働いており、コーチングの手法を使って芸人の能力を引き出していました。特に横山やすしさんなどの大物芸人を担当し、彼

【書籍】柏木哲夫氏の人生観ー使命に生き、懸命に働き、宿命を受け入れる

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp131「4月10日:使命、懸命、宿命(柏木哲夫 金城学院大学学長)」を取り上げたいと思います。  柏木氏は、自身の人生を導く三つの言葉「使命」「懸命」「宿命」について語っています。  使命に関しては、作家三浦綾子氏の言葉から影響を受け、自分の命を使うこと、つまり自分に課せられた使命を全うすることの重要性を説きます。三浦氏は小説を書くことを自分の使命と捉え、病に苦しみながらもそれを続けるこ

【書籍】一本のロウソクのようにー森信三と田中繁男の教育哲学

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp128「4月7日:それで、あなたは何をしましたか(田中繁男さん 実践人の家副理事長)」を取り上げたいと思います。  田中繁男氏が教育現場で直面した挑戦と、その対応について語っています。学校は生徒の不良行為に悩まされていましたが、田中氏は生徒たちを理解し、彼らの心に寄り添うことで状況を改善しました。森信三先生は、田中氏の取り組みを現代の宗教と称賛し、教育の現場における行動の重要性を強調しまし