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配信者視点で見るブース制作の話

ヤギ福さんがVketのブースの見せ方のアドバイスという形でいくつかのポイントについてまとめられていました。

個人的にも全ブースを紹介する配信を行っているものとして、個人的な考えをまとめてみようと思います。
ヤギ福さんのご意見とも一致する部分は多いと思いますが、ブースを制作するにあたり、どのような作り方をすると見てもらいやすくなるか、個人的な意見ではありますが、もしよろしければご参考ください。

この意見はどちらかというと配信者視点でありますが、一般来場者向けにも当てはまる部分は多くあると思いますので、参考にできる部分を参考にいただければと思います。


それぞれのブースの紹介は基本1~2分であることを注意する

それぞれのコンセプトワールドに設置されているブースは60個ほどありますが、多くの配信者はこれを1時間~2時間かけて回ります。
ワールド全体の紹介なども含まれることを考えるとそれぞれのブースは実質1~2分であることになります。つまり、1~2分の間に紹介したいものを訴求できる、ということが重要になります。(大型ブースの場合は、ブースの絶対数や移動のオーバーヘッドが少ない分、紹介時間は多少長くなり得ます。)
配信者目線で見ると、簡単にそのブース出展者名(分かりやすい看板表記)、連絡先(URL)、そして何を紹介するブースなのか、ということが分かる、というのが重要になります。
反対に言うと1~2分で紹介できるボリュームにするのがいい、という考え方にもなります。
気付きがあれば、1~2分を超えてさらに紹介する、ということにも続きますが、どの程度紹介されるか、ひいては来場者の注意を惹けるかというのは最初の見たい目で8割が大体決まる、と考えても大丈夫だと思います。

イチオシアイテムを目立たせ、盛りすぎに注意

アバターなどのコンテンツを展示する場合は、まず、イチオシのコンテンツは一番目立ち、アクセスが簡単な場所に設置することことをお勧めします。
お店のような建物形式にする時には外からでもある程度中の様子が分かるような構成にしているといいでしょう。
たまにギミックがあり、それを実行することでコンテンツが出てくるような作りにしている方もおられますが、こちらは印象に残りやすい一方、うまく動作しないとコンテンツが見えない、そして気づかれなかったりする一因ともなり得ますので、注意が必要な部分です。
ギミックを使う場合は、それを動かすトリガーはこれでもか、と言うほどに目立たせておくといいと思います。

また、あまりにもコンテンツの数が多い場合、やはり紹介が限定的になってしまう場合があります。ですので、工夫して見てもらいたいコンテンツが目立つ位置になるようにするのが得策です。

ボタンの高さに注意

VRChatの平均身長が現実世界よりも低いということもあり、各種トリガーやペデスタルのボタンの位置が総じて低すぎる(たまに高すぎるボタンもありますが)ことがあります。
特に長丁場の配信者は着席(椅子に座っていればまだいいのですが、床に座っている人も)している人も多く、自分の背より大幅に低いボタンを押すのは非常に苦労する場合があります。(コントローラーが床より下の位置に下げられない問題)

一番押しやすいボタンと言うのはトリガーが上下広めに設定されていて、身長問わず押しやすいもの、という形のものです。
アバターの場合は、特定の位置にアバターボタンがあるよりもモデル自体に広くトリガーが設定されているものが一番押しやすいです。

背の高さの違ういくつかのアバターで確認を行い、できれば、VRにおいても直立時、着席時ともにうまく押せるかを確認すると確実かと思います。

複数階構造は導線に注意

特に大型ブースのワールドで複数階構造にする場合は、導線にも注意が必要です。
まず、複数階構造の場合は、二階(場合によっては三階)部分がある、ということがアピールされている必要があります。
そして、強くお勧めするのは一本の導線で上の階に上がれるようにしておく、という点です。
つまりブースの中から(内階段を使用して)上に上がれるようにしておく、という意味です。
別の導線でこれらの階にアクセスするような構造の場合、視認されない可能性がある、というのが注意が必要となります。
また、特にコンテンツが多い場合において二階、三階部分まで上る人は確実に減っていきます。
上にも何かある、ということを思わせる何かが必要です。

文字は通常レイヤーに

たまに、文字が「UI」レイヤーに設定されているブースがあります。
この場合、カメラに文字が写らない、という問題があります。
つまり配信ではこのレイヤーに指定されているものは映りませんし、来場者がメモ代わりに写真を撮ったとしても何も映らない、ということになります。
設定でUIレイヤーを撮影対象に含めると映るようになりますが、それを行わないか、そもそもそのやり方が分からない人もいるという観点から文字は通常レイヤーに配置するのを強くお勧めします。
尚、どちらにしても文字の使用は限定的な方がいいです。書けば書くほど文字も小さくなり、読まれる可能性が減ってしまうことを留意してください。
簡単な紹介のみをブース内で行い、残りはリンクで、という形が最適だと思います。(反対にリンクを開いたブラウザ画面を表示する配信者は多くはないかと思いますので、重要な情報はブース側に表示することも重要です。)

映像には字幕を

これはどちらかというと配信者の事情の話なのですが、配信者によっては映像についた音を載せたがらない人がいます。これはYouTubeなどの配信においてContent IDが設定されている要素が映像に入っていると、収益化が剥奪されたり、収益化対象にしていない場合にも配信者に一銭も入らない場合において権利者の広告が表示されるようになったりします。
また、場合によっては公開可能な地域に制限が入ったりと、結構厄介なことが起こったりする場合があり、そこそこセンシティブで、Content IDにかかりうるコンテンツの配信を忌避する配信者も多いです。

Content IDにヒットした例

この場合、配信者はVRChat側の音を切ったり、他のBGMで被せたりすることがあります。
その場合、その動画に声が含まれている場合、それも併せてカットされてしまいます。
ですので、映像には字幕を入れるか、または音声がなくとも映像だけで内容が把握できるような工夫が確実に紹介してもらいやすくなります。

また、これに合わせて、ブース独自に再生されているBGMなども消音対応になる場合があります。
基本的に、配信者は事前にこれらの確認をするのはほぼ不可能に近いので、何らかの方法でセーフであるということが判明していない場合には、消音対応になってしまう場合があります。

こちらはあまり気にしない配信者さんもいらっしゃいますので、必ずしも紹介されない、ということではありませんが、リスクとしては捉えておくとよろしいかと思います。

最後に

基本的に、ブースの制作というのは正解というものはなく、基本的にはそれぞれのクリエイティブ性に基づく「作品」となるものです。
特に来場者目線、配信者目線でブースがどのように見られるか、というのを知る近道は実際に配信を見てみる、ということだと思います。
YouTubeでも過去のVketよりの配信を見ることができますので、一度、どのように回っているか、というのを確認されると、より想定通りの訪問、紹介がされやすいブースになるかが分かるかもしれません。