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どんなに高度なAIやシステムでも人間性の要素を完全に無視することはできない。感情、直感、創造性、これら全てが問題解決において重要な役割を果たす。

私は、IT分野を主戦場として活動をしているが、人間性を尊重し、それを活用することが、真の成果を生み出すための道筋であると信じています。
(また、そうでなければつまらない)

最近、ChatGPTやAIにクローズアップが当たりすぎる傾向にあるけども、その両輪として、考え方の一つに、人間性を生かすところも重要よ!という話を書き残しておきたいと思います。

人が問題をどう捉えるかの根本は変わらない

どんなに高度なAIやシステムでも人間性の要素を完全に無視することはできないというのは、現代のビジネス環境の核心をついた投げ掛けだと考えています。問題というものは、ある状況に対して人がどのように捉えるかにとって、何が問題であるかが大きく変わってきます(同じ根本原因だったとしても)。テクノロジーの進化は、人が問題を整理するのを助けたり、ある事象に対して有効な解決策をもたらしたりしますが、高度なAIやシステムが積極的に”人の価値観”や”置かれた環境”と”経験が異なる人”の間で生じる問題をどのように捉え、その背景を考慮した上で、いかにして解決していくべきかを、腹落ちするレベルで提示するにはまだ十分ではないと言えます。

人の感情や直感を尊重し、それを上手に扱うことは、問題解決においては極めて重要になる

私たちは、これまでのセンセーショナルなコンサルティングのアプローチや教育によって、問題に対し、ある特定の決まった型を持って、取り組もうとする癖が身に付いています。役にも立ちますが、時々問題の本質を解決しない場合もあります。その多くの場合、会社の文化や特性を考慮せず、ただ標準化された業務プロセス導入するだけで改革としたり、部門間のコラボレーションを強化したり、AIや理論的思考を導入したりするだけで、あたかもビジネス上の問題が解決したかのように振る舞う癖があります。高いお金と時間を使って、果たして本当に、問題の解決ができたのでしょうか。これらはあくまで表面的な解決策であり、真のビジネスや組織の問題解決に至ってないという場合を多く見てきました。何故ならば、そこには人がが存在するからです。関わる人々の思考を理解し、感情や直感を適切に認識できなければ、根幹にある問題や本当になすべき改革を達成することは難しいのです。

例えば、とりわけ経営リーダーや上司の感情の絡み(好みや好き嫌い)がある場合は、いかなる計画や戦略も、事が順調に進まない原因となる場合があります。感情は本当に予測不可能で、計画にない動きや反応を生む可能性があります。(前日に奥さんに怒られたり、社長に怒られたりするだけでも風見鶏のように期限や方向性が変わる)。しかし、これらを適切に認識し管理することができれば、私たちは、問題の突破口や新たな視点を見つけ、予測不能な問題を解決するための手立てを獲得することができます。これは私が最も得意とするコミュニケーション力の一端でもあるのですが、人の感情や直感を尊重し、それを上手に扱うことは、問題解決においては極めて重要であり必要な技術となります。

フレームワークやテクニックは、問題の整理に役立つが、依存しすぎると問題解決には全く使えないだけでなく、フェイクの改革になる

私たちは、大学や教育機関を通じて学ぶ様々な方法論やフレームワーク、指標やプロセス、システムを活用します。ある観点では、それらが有効だというふうに学んでいるからです。しかし、時に人はそれらを使って、問題を解決するように見せかけているようにも思います。実際には、感情が関与しないように制御したり、感情の絡みで判断軸が変わらないようにしているにすぎないと考えています。その理由として、多くの理論のパラメーターに感情の起伏や影響を考慮したマトリックスが存在しないからです。私には、経営から人間性というか感情を取り除こうとしているようにしかみえません。ある局面ではそれは正しいと思います。しかし、それだけがKPIだと、果たしてやっていて楽しいか?という大きな疑問が残ります。メリットもデメリットもよく理解した上で、活用しなくてはななりません。その実態として、BSC、パフォーマンス最適化、マネージメントモデル、戦略、評価手法などを使った場合に目論み通りの成果を上げるケースは稀で、むしろ従業員の生み出す価値に焦点を当てるのではなく、これらの指標に合わせるためだけに莫大な無駄な労力を働かせているケースに多くでくわすことがあります。

未だ大量生産時代の人間ロボット製造モデル

人間性よりもロジックを重視したアプローチや教育が跋扈する世の中で、私は、各個人の才能や個性は活すことはずいぶんできない社会になっているような気がしています。多くの日本の大手企業をコンサルをして、そういう局面に多くでくわします。評価システムと環境がそうさせてしまうのでしょう。高度経済成長期は、このやり方でよかったと思うのですが、現代においては、今の外的環境や今風のやり方に変えることが重要ですが、組織がそのアプローチや教育を変えられないことも多く、多くの犠牲者を生んでいるような気がします。

この影響として、最近、優秀な人材が仕事に対して、それほど責任感や熱量を持って実行に取り組んでいないことがとても気になります。責任を取らされるリスクなど、組織ポリシーの弊害によるものが大きいのです。フレームワークやシステムはあくまで手段であるにもかからず、扱いによっては柔軟性をもたらさないため、人の活動がリスクをベースに硬直化してしまう現象が起こり得ます。本来は、人が安心して安全に成果が出るように、自分の仕事に対して誠実に、そして全力を尽くすことができるように取り計らうべきものですが、どうやら監視社会のように裏目に出て回っているように思います。

システムの犠牲者とはよく言ったものです。

活躍する世界の成功者たちは、人間味あふれ伸び伸びしている(ワガママも含まれる)

一方で、成功した人々の中には人間味あふれる活動を行う人々が多いのはなぜでしょうか?それは、立案された戦略が必ずしも計画通りに運ばれるわけではなく、状況に応じて柔軟に対応する必要があることをかつての経験から知っているからだと思います。ビジネス上で起こることは、2軸で考えられるものばかりではなく、複雑な環境下で高度な判断を求められる場合が多くあります。金銭的影響が関わる部分では、ファイナンスのロジックで望むべきですが、それ以外では、人間の鋭い洞察力と知恵を活用して意思決定を行うことが遥かに重要だと思います。

全てとは言いません。しかし、人の創造性を尊重することは非常に重要です。創造性は新たな解決策を見つけるための鍵であり、それを引き出すことが真の成果を生むための道筋となります。個々の才能や創造性は活かされず、従業員は使い捨てられるまで酷使される状況では、ビジネスにとって大きな利益をもたらす新たな価値を生み出すことは難しいでしょう。

このテクノロジーが急速に進化する社会において、人間性を尊重し、感情、直感、創造性を活用することは、技術革新と同様に、社会やビジネスにおいて、その重要性が増すと考えます。これらは、これらかの社会やビジネス上の問題解決において重要な役割を果たすに違いないと確信しています。ここから、新たな可能性を見つけ出すこともできるのではないでしょうか?

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