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売れるEC作りは、ネット店長で決まる

D2Cブランドに必要不可欠な
3つの要素

1, インフルエンサー
2, プロダクトマネジメント
3, デイリーマーケティング

前回、1と2について書きました。


今日は三番目の
デイリーマーケティングについて書いていきます。

D2Cブランドスタートの罠

D2Cブランドを新たにはじめようとすると、一番多いのが
インフルエンサーとOEMメーカーの協業ではないでしょうか。

■集客して販売する力があるインフルエンサー

■ものづくりを背景にもつOEMメーカー

お互いに強みを活かせる、
いい組み合わせです。

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しかし、ここに罠があります。

じつはこれだけでは売れないのです。

丁寧にいうと、はじめは売れても
「売り続ける」ことができないのです。

インフルエンサーだけの力では最初は
インパクトもあるし、集客もできます。

しかし、それだけではインフルエンサーのファン以外に
告知したり、リピートしてもらったりすることはできません。

インフルエンサーだけでは
届かない見込み客にアプローチする仕事や、

商品の魅力を伝える仕事、
常に興味づけする仕事も必要です。

それを「デイリーマーケティング」
と呼んでいます。

これを行うのは、誰かというと、
「ネット店長」が好ましいです。


3つのバランスが大事

1, インフルエンサー
2, プロダクトマネジメント
3, デイリーマーケティング

上の3つの仕事を、チームの誰が行うのか。
この仕事の棲み分けも大事です。

いくつかのD2Cブランドのスタートアップを
見ると、このようなメンバーになっています。

■3つの仕事のポジション
1, インフルエンサー → ディレクター、デザイナー本人、ブランドアンバサダー、PR
2, プロダクトマネジメント → デザイナー、生産管理、MD
3, デイリーマーケティング → ネット店長、セールス、マーケッター

必要最低限のポジションは、
ディレクター、生産管理、ネット店長
この、3人ということになります。

この3人は、ブランドのキーパーソンに
なるので、コミュニケーションをよく取れる
状態にしておくことが大切です。

どんなブランドでも、最初は勢いでなんとか
しても、結局はブランド内のコミュニケーションが取れていること、
それが長く売り続けることができる要素
になります。

小さなブランドなら、上記を
兼任していることも往々にしてあります。

うちのブランドも、各々が兼任
しながらブランドを運営しています。

しかし、ディレクターとPRは一緒にできても、
ネット店長まで兼任するのは無理があると
考えています。

ディレクターやPRの仕事はブランドクリエイティブの
強化なので、ネット店長とは使っている脳が違うからです。

さらに「デイリーマーケティング」について
詳しく書いていきます。

「デイリーマーケティング」を
行うのは「ネット店長」

インフルエンサーが日向(ひなた)の仕事なら
ネット店長は日影の仕事
ともいえます。

はっきりいって、かなり地味です。

インフルエンサーがお客さんをガバっと集めてくる猟師なら、
ネット店長は黙々田んぼをお世話する稲作農家。

毎日、田んぼの水を替えては、変な虫がいないか
肥料はたりているか、こまめにチェックし続けます。

派手さはないですが、
かなり大事です。

売れるブランド作りには、商品をつくる
デザイナーと同じくらい大事。

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デイリーマーケティングの仕事は
大きく分けるとこの6つに分かれます。

1,商品登録(ささげ業務)
2,売上管理(売上分析、顧客管理、発送指示)
3,仕入管理
4,カスタマーサポート
5,販促施策(認知、リピート)
6,オフィシャルインスタ運営

漢字4文字が多くて面倒くさそうですが、
今日からブランドやるぞという方でも
サクッと使えるように、
カンタンに説明しますね。

基本から書いていくので、もうすでに知っている人も、
復習のつもりで読んでくださいね。

1,商品登録(ささげ業務)


ネット販売するには、ショップに商品を
登録する必要があります。

商品登録のために、「ささげ」を
行います。
「ささげ」ってなんやねん!

はい、変な業界用語ですよね。

さ = 商品撮影
さ = 採寸
げ = 原稿書き

簡単に言うと、商品の撮影、
サイズ登録のための採寸、
商品説明するための原稿書き。

これが必要になります。

撮影と一言でいっても、ブランドにより
モデルカットがあったり、ブツ撮りがあったり。

ただインスタから写真を転用するだけとか、
やり方は千差万別。

ただ、D2Cブランドにとって、店頭での接客
機会は少ないので、パッと見て視覚でわかるように
することは大事です。

原稿書きに関して、写真さえ良ければそんなに
大事じゃない、と考えるブランドも多いです。

しかし、高額商品だったり、インフルエンサーの
影響を受けずに来店したお客さんの場合。

商品説明があまりに簡素だと、ファーストクリック
を起こしづらいです。

お客さんの気持ちになって、説明書きで
商品コンセプトや素材感、シルエットを書く。

初めて来店した人で、まだ商品に対しての信用がない人
の心理的リスクを取り除いてあげるのがおすすめです。

2,売上管理(売上分析、顧客管理、発送指示)

売上分析
ネット店長の腕の見せどころは、ここにあります。

日々どんなお客さんが買いに来てくれて、
どのページがよく見られているのか。

逆にどのページが見られていないのか。

GOOGLEアナリティクスから分析して、
トップページにどれくらいセッションがあって、

商品ページにどれくらいの人が進んで、
何人がカートに入れて、何人が購入したか。

まず、最低限アクセスの分析から。
サイト内をどうやって進んで、実際に購入してくれたか。

ついつい売上金額に目が奪われがちですが、
大事なのは今週どれくらいの人がアクセスしてくれたかです。

そのお客さんたちは何の影響でお店に来たのか。
うちの会社では、これを知ることについて時間を掛けています。

あとは「カゴ落ち」の分析。

カートには入っているけど、購買しないものって
何%あると思いますか?

あるデータによると、レディスアパレルの平均で
カゴ落ち率は約62%
といわれています。

100人中62人がカートに入れたまま、
放置しっぱなし。

「ええ!そんなに多いの〜!」

私も初めて聞いたとき、驚きましたが
事実うちのブランドでも平均60%なので、
しっかりあてはまっています。

てことで、この購買されなかった62%の
中身はなんだろう。

ということが分析できるだけでも、
次の手が打てます。

他にもインスタのトラフィックを見たり、
アンケートを取ってみたりと、

うちのブランドでやっているデイリーの
数字分析を詳しく書くと、

5回分のnoteでも伝えきれないので
今回はこれくらいにしておきます。

顧客管理

これも売上分析のひとつになるのですが、
ブランドの顧客さんはどんな人がいるか。

はじめのうちは、購入ランキングの
上位の顧客さんはどのような方かを見る

その後、月の売上が300万円を超えたくらいで
もう少し詳しく顧客データを見ていきます。

あまりに少ないデータで顧客さんを
セグメントすると、ちゃんとした平均値がとれません。

では、月額300万円をこえたあたりで、顧客データの
何を詳しく見ていくのかは次回書いていきますね。
売れるECづくりの明暗は、ネット店長が握る


少しでもためになったよ、という人は「スキ」
してもらえたら嬉しいです。

また、D2Cブランドについてでも、ファッションについて
でも質問があれば、こちらのメールに送ってください。

お返事は皆さんにできないかも知れませんが、
100%届いたメールは読ませていただいています。

h_honma@dssr.co.jp

それではまた次回!


ホンマヒデ

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