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「現金払い」は認知症の予防と早期発見に役立っている

キャッシュレスが進み、現金を持たなくなった人が増えています。
地球のおばちゃんは、まだ現金を使っていますが、そのうち現金を受け付けてくれないお店が増えて、財布を持たない日が来るのだと思います。

無くなりつつの「現金払い」ですが、じつは脳と身体を複雑に使う行為だと思うのです。
そこで、①認知症予防になる、②認知症の早期発見に役立っている
の2点から書いてみます。

①認知症予防になる
レジで支払いをする場面を想像してみます。
合計金額が出る➡財布を開ける➡おつりを計算してお札や小銭を選ぶ
この動作をできるだけスムーズにしなければなりません。混んでいるレジでお金を上手く出せなくて焦ってる高齢者、ときどき見受けられますよね。
加齢により動きが鈍くなると、「金額を脳に入力して、目で見て、手や指を使って、サッと適切なお金を出す」これができなくなるのです。
さらに、おつりが細かくならないようにしたい時、もっと高度になってきます。お金の種類も考える計算力が必要になるからです。
例:支払い金額=1201円。財布の中=1000札3枚、10円玉3枚。
2000円出す➡おつり=799円(500円玉1枚、100円玉2枚、50円玉1枚、10円玉4枚、5円玉1枚、1円玉4枚)➡計13枚
おつりが細かくならないようにするには・・・
2010円出す➡おつり=809円(500円玉1枚、100円玉3枚、5円玉1枚、1円玉4枚)➡計9枚
このように、瞬時に〔計算力、判断力、理解力、記憶力〕を総動員しなければならないのです。しかも、毎回同じではないので、その都度考えなければなりません。

一方、キャッシュレスになると・・
スマホの場合:スマホを出す➡キャッシュレスの画面にする➡端末にかざす
と、簡単でいつも同じことを繰り返すだけになります。

計算や暗算を自分の頭でしなくても困らない時代になりました。その中で買い物での現金払いは、日常的に頭と身体を使えるトレーニングになると思ってます。

②認知症の早期発見に役立っている
認知症前期の特徴のひとつに以下の症状があります。
「暗算やお金の計算、管理が苦手になってくる。お金の計算が困難になり、小銭を数えてもすぐに必要な金額が揃えられないので、お札ばかり使うようになる。もらったおつりで小銭がたまるので、家に帰ると毎日、小銭を缶に入れているなど、まだしっかりしている面もある」

早期発見が進まない背景には、高齢者世帯の「一人暮らし」と「夫婦のみ」が増えていて、気づきにくい状況があります。
早期発見には、目に見えて分かることがあれば助かります。一人暮らしの親の訪問時に、小銭がいっぱい入った缶やビンがあればちょっと疑ってみたり、夫婦のみなら、相方のお財布が小銭ばかりになっていたら確かめてもいいと思います。

国の調査の「介護が必要になった主な原因」は認知症が1位となっています。この先も増々増えていくと予想されています。地域でも、認知症の早期発見に自治体が取り組んでいます。
 
自分自身、「計算や覚えることをしなくなったな」と自覚しています。
たとえば電話番号。昔は電話帳を見て番号を入力してたので、しょっちゅうかける人の番号は暗記してました。ところが今は、自分の番号しか覚えていません・・ヤバイです(-_-;)

もともと怠け者のわたし。便利さに甘えてしまわないよう「不便でも面倒がらず、頭と身体を使って動く」ことを心がけていこうと思います。


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