見出し画像

比田井通信 第833号(自分でやるしかない)

比田井通信 第833号(自分でやるしかない)

2023.9.30発行

今日も「内谷さんのながぁ~いお話」の続きです。

親にも先生にも内緒で劇団員を目指して
オーディションを東京まで受けに行った
高校3年生の内谷さんでしたが、
オーディション会場の前に立っていたお母さんに
思いっきり顔面平手打ちをくらって目が醒めます。

その時のことを内谷さんは
「自分が劇団員になりたいと思っていた思いは
 その程度の思いだったということです」

と言っています。

私、内谷さんのこの言葉が好きなんです。

だって、このパターン。
よくありません?
子どもがやりたいことに
親が反対して進路を変える。

子どもがやりたいことを
やらせてあげるのがいい親。
やらせてあげないのは悪い親。
一般的にはそう言われています。

もちろん、どちらかといえば
子どもがやりたいということは
やらせてあげた方がいいと思いますよ。

ただ、これは
一概には言えないですよね。

ウエジョビにも時々います。
「本当は別のことがやりたかったのに
 親に説得されてウエジョビに来ました」

でもですね、これは
言い方を変えれば

親に説得された程度で
 進路を変えてしまう程度の
 やりたいことだったんです


ということです。

本当にやりたいことであれば
説得されようが、
反対されようが、
自分でそれをやる方法を考えて
行動するんです。

内谷さんは
その程度だったんです」と
諦めることができているんです。

この「諦める」は
明らかにする」という意味です。

だから、この後の人生が開けていくんです。

本当はやりたかったのに親のせいでできなかった…
これは、ちゃんと諦めていませんから、
このあと、何をしてもうまくいかないですよね。

さぁ、完全に劇団員を諦めて
島根に帰ってきた内谷さんですが、
自分がやったことを冷静に考えると
大変なことをしてしまった・・・
となるわけです。

学校にも内緒で
勝手にオーディションを
受けに行ってしまった。

今さら
「やっぱり進学したいです」
「やっぱり就職したいです」

そんなことは言えないと
内谷さんは思うんです。

「今さら学校の世話になんてなれない」
そう思うんです。

本当はそんなことはなかったそうです。
確かに、内谷さんがしでかしたことは
当時、学校ではかなりの問題にはなったそうなんですが、
担任の先生は陰でかばってくれていたそうです。

さぁ、この後内谷さんがどうしたのか!
動画でご希望の方はコチラ↓

内谷さん、
自分で何とかするしかない」と思い込んで
自分で職業安定所に行くんです。
今の「ハローワーク」ですね。
あの頃は「職安」です。

普通、高校生の就職は
学校を通して決まるものです。

高校生が職安に行くなんて
普通はありません。

でも、職安に行って
相談なんてしたら
「君、高校生でしょ。
 学校の先生に相談しなさい!」

ということになってしまいますから
内谷さんは相談なんてしませんよ。

たくさんのファイルの中から
自分に興味がありそうな仕事を探すんです。

そこで見つけたのが
あるガソリンスタンドの求人です。
「18歳以上 事務職」という
求人があったそうです。

私、ここまで聞いたとき
「ついにきた!」って思ったんです。

Mランドを運営している
「コガワ計画」という会社は
Mランドだけではなくて
いろんな事業をやっているんです。
バス会社だったり、
内谷さんが社長を務めているのは
食品会社ですし、今はホテルの経営もしているんです。

だから、このガソリンスタンドが
コガワ計画がやっている会社で
そこから、小河二郎会長に繋がっていくんだ・・・と
勝手に思ったんです。

ところが、全然違いました。
まだまだ小河二郎さんは出てきません。

内谷さん、履歴書を書いて
自転車に乗ってそのガソリンスタンドに
行くんです。

建物の2階に事務所らしきところがあるんです。
階段を上がってドアをあけると
事務員のみなさんがキョトンとしてます。

学生服を着た高校生が
立っているわけですから
当然ですね。

内谷さん、いきなり

「〇〇高校の内谷重信と申します!
 面接をお願いします!」


って言うんです。

事務員の方もビックリして
「あのぉ、高校生の面接は
 学校を通してやっているので
 いきなりはできないんです。
 学校の紹介状とかは持ってますか?」

って言うわけですよ。

内谷さんは
「いえ、職安でみてきました!
 18歳以上、事務職と書いてありましたので
 事務職でお願いできませんでしょうか!」 

って元気よく言うんです。

それでも事務員さんは困って
「う~ん・・・、
 それはムリですよね・・・」

って言うしかないんです。

「そこを、なんとかお願いします!
 一生懸命がんばるのでよろしくお願いします!」

 内谷さん食い下がります。

そしたら奥にいた社長さんが
内谷さんの大きな声を聞いて
「何事だ?」って社長室から出てきて
内谷さんに
どうしたのかね?」って聞いてくれたんです。

内谷さんはここぞとばかり
「私は商業高校で学んでいて
 簿記会計の資格も持っていますし、
 ワープロもできます。
 工業簿記もできます。
 きっと御社の事務職であれば
 役に立てます!」

とアピールするんです。

社長さん、それを聞いて
「まぁ、入りなさい」って言って
奥に入れてくれたそうです。

そこで、
「じゃぁ、いまから面接をするから」って
言って下さって面接をしてくれました。

社長さん、いくつか質問をした後、
「君が高校を卒業したら採用するから
 学校には私から連絡しておくから」

って言ってくれたそうです。

そりゃそうです。
私だってこんな子が来てくれたら
間違いなく採用です。

どうもその後、
その社長さんは高校に電話をして
「なんで、あんないい子のことを
 学校はちゃんと応援してやらないんだ!
 学校の紹介状もなく、一人で来たんだぞ!
 どんな事情があったか知らないが
 そんなことでどうするんだ!」

って怒ってくれたそうです。

学校の先生もビックリですよね。
まさか、そんなことをするとは
思っていませんから。

でも、次の日に学校に行くと
当然、先生に呼び出されて、

意外にも・・・・

「よくやった!」って


褒められたそうです(笑)

よくぞ、自分のチカラで就職を勝ち取った!
って言ってくれたそうです。

内谷さん、このときのことを
こう言っています。

「私があの社長さんに気に行って頂けたのは
 ちゃんとした挨拶ができて、
 ちゃんと人前で話すことができたからです。
 でも、それができたのは高校でそういうことを
 しっかり教えてもらえたからです。
 そんな校風の学校だったからです。
 あの高校に行っていなければ
 このときの就職も決まっていないし、
 その後、Mランドに入ることもなかったんです。」


内谷さんってそういう人なんです。

そういう人って意味はですね。
自分の人生で起きたいろんなことを
「おかげなんです」って思える
そういう人だという意味です。

この内谷さんの「ながぁ~いお話」は
もう3週間話してますよね。
いろんな話をしてきましたが、
いくらでも、
「〇〇のせいで・・・」って言える人生ですよ。
「親の転勤のせいで・・・」
「田舎の祖父の家のせいで・・・」
「無理やり履かされた『わらじ』のせいで・・・」
「高校のせいで・・・」
「母親に反対されたせいで・・・」

って言えるんです。

それをすべて
「おかげ」って言えるんです。

さぁ、この後も内谷さんの
「おかげ力」は大発揮されます。
つづきは来週です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?