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旅するCAR

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クルマで旅するたのしさをお伝えします。
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旅するBMW i8、東海道五十三次旧道を行く_03:神奈川宿

DAY 1 7:51_神奈川宿 2015.11.26の記憶●見た目は派手だが静かなヤツ 歌川広重の描いた東海道五十三次。神奈川の絵は、「台之景」。腰掛け茶屋が並んでいる絵です。東海道本線や京急本線で寸断された旧東海道は、この浮世絵に描かれた坂道で復活します。つまり現在の横浜駅は、かつては海だったということです。 さて、この「台之景」に描かれた腰掛け茶屋に「さくらや」という看板があります。このさくらやは幕末の頃に買い取られ、「田中屋」と改められ料亭となります。いまも続くこの

旅するBMW i8、東海道五十三次旧道を行く_02:川崎宿

DAY 1 7:03_川崎宿 2015.11.26の記憶意外とまわりから優しくされるi8 新六郷橋を渡って多摩川を越えると、すぐに川﨑宿です。東海道旧道では、渡し舟で多摩川を渡っていました。第一京浜を通ると、旧道をオーバーパスしてしまいます。そこで、多摩川を渡ってすぐの〈競馬場前〉交差点で右折して、旧道へと戻ることにしました。 この間に、いまはマンションが建っていますが、川﨑宿で有名だった「河崎万年屋」跡があります。小豆や栗などをお茶の煎じ汁で炊き込んだ「奈良茶飯」で有名

旅するBMW i8、東海道五十三次旧道を行く_01:品川宿

DAY 1 6:25_品川宿 2015.11.26の記憶i8には、夜の都会がよく似合う 日中ならば賑わいのためなかなか進まない銀座の通りも、早朝ならあっという間。ブルーに光る街路灯やライトアップされたショーウィンドウやビルが、i8のフロントウィンドウに光の矢となって飛び込んできます。渋滞さえなければ、都内はクルマで移動するのが一番。 いきなり結論を言ってしまいましょう。 i8を運転する最適な時間は夜。そして場所は、イルミネーションで彩られた都会。近未来的なコクピットに身

旅するBMW i8、東海道五十三次旧道を行く_start:日本橋

DAY 1 5:36_日本橋 2015.11.26の記憶“日本橋には空がない” 「東京には空が無い」 このフレーズは高村光太郎の智恵子抄であまりにも有名ですが、日本橋には空が本当にありません。そのかわり、頭上には首都高速があります。ロンドンにはロンドン橋、パリにはポンヌフ橋。それらの橋は観光名所でもあります。東京には日本橋が……って、現在の日本橋は観光名所どころか、日中は写真映えしません。きっとクルマで通ったら、気がつかない人も多いでしょう。 日本の主要道路の起点である日

我が輩は葦である、故にクルマで旅に出る

 中国に古いことばで、〈三上(さんじょう)〉というのがあります。3つの上とは何かと云いますと、〈厠上〉〈枕上〉そして〈馬上〉となります。欧陽修という人のことばで、要約すると、「文章を作るときに、すぐれた考えがよく浮かぶ場所ベストスリー」ということになります。〈厠上〉とは、今で云うトイレのこと。洋式トイレが普及した現代日本においては、よく分かると合点のいく人も多いでしょう。洋式トイレに座って、たったひとりの密室でふとひらめく、ということもあるでしょうし、トイレで読書するという人