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出場20チームの初戦相手決まる

第63回石日旗争奪少年野球大会 5年ぶり通常開催

 優勝旗をかけてトーナメント戦に挑む「第63回石日旗争奪少年野球大会」(石巻日日新聞社主催)が、6月15日に鷹来の森運動公園=東松島市=で開幕する。石巻地方の野球スポーツ少年団から昨年より2チーム少ない20チームが出場。15日に同市コミュニティセンターで組み合わせ抽選会があり、各チームの初戦相手が決まった。

覇者は厚木市に招待

 なお、優勝チームは厚木市少年野球協会学童部の厚意で9月14―16日に神奈川県厚木市である交流試合に招待される見通し。

 県内最古の歴史を持つ少年野球大会で、コロナ禍を経て6月の通常開催は5年ぶり。初戦から準決勝までは6月15―23日に同運動公園であり、決勝は同24―28日のいずれかに石巻市民球場で行われる。なお、開会式は実施しない。

 抽選会には各チームの監督や主将ら約50人と、来賓で石巻野球協会審判部の佐藤学部長、事務局の芳賀光雄さんが出席。主催者を代表して同社の外処健一常務取締役が「保護者や周囲への感謝を忘れず技術に磨きをかけてほしい。仲間との連携を高め、万全の体調で試合に挑んで。決勝で会いましょう」と激励した。

 対戦相手はくじ引き方式で決めた。各チームの主将が机の上で裏返された番号札を順に引き、札と一致するトーナメント表の番号の下にチーム名が掲示された。会場は緊張感に包まれ、各主将は対戦相手が決まると、過去の戦歴などを思い出していた。

組み合わせ抽選のくじを引く各チームの主将(15日)

 昨年の石日旗を制した広渕クラブの阿部玲斗主将(広渕小6年)は「守備面を強化した堅実なプレーを大切に失点を抑えたい。2連覇に向け、チームを引っ張っていく」と意気込んだ。

 前回準優勝した石巻ベースボールクラブの雫石栞大主将(開北小6年)は「いくら踏まれても負けない雑草魂で食らいつく。昨年はいつも通りのプレーができなかった。悔しさをバネに優勝を勝ち取る」と闘志を燃やした。【泉野帆薫】

異なる環境も情熱変わらず

スポ少団員減 選手育て魅力伝える大会に

 コロナ禍に伴う休止を挟み、昨年復活した石日旗争奪少年野球大会(石日旗)は、5年ぶりに通常の6月開催に戻る。進む少子化と習い事の多様化でスポーツ少年団は団員不足に悩み、近隣チームとの合併や一時的な統合で大会に臨むチームも目立つ。「どんな形であれ試合がしたい」。どの選手も思いは同じ。チーム環境はそれぞれでも野球にかける情熱はどこも変わらない。

トーナメント表の前に整列した各チームの主将

 昭和34年に初開催された石日旗は、県内数ある少年野球大会の中でも最も古い歴史を持つ。昭和期は小学校単位でチームがあり、石日旗もいわば「学校対抗戦」のような位置づけだった。

 平成になると学区単位のスポ少が徐々に増え始め、東日本大震災以降は少子化の影響もあって団員数の減少が顕著となり、スポ少同士の統合も増えた。

 第63回となる今年の石日旗大会に新たな名称で参戦するのは女川、万石浦、渡波、湊地区の選手たちで組んだ「ダンデライオンソウル」。そして矢本クラブジュニア、大塩野球クラブが合併した「東松島ブルーホークス」の2チーム。

 ダンデライオンソウルは、女川万石浦ベースボールクラブが前身。元々は女川と万石浦の合併チームだが、コロナ禍以降、渡波や湊地区からも入団希望者が増えた。そこで4地区21人の大所帯チームを作り、名称も一新した。

 岩﨑莉音主将(万石浦小6年)は「多くの学校からいろんな選手が集ったチーム。練習も試合も楽しく雰囲気も良い」と胸を張る。

 東松島ドリームズの安海宇秀監督は「どのスポ少も『伸び伸びと野球ができるように』という思いは一緒。体験会を積極的に催すなど新規団員獲得に一生懸命だ。歴史ある石日旗は野球の魅力を選手や保護者に伝える意義のある大会。野球に親しむ子どもが一人でも多く増えてほしい」と望んだ。【山口紘史】

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