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vol.4 石巻市教育委員会学校教育課

 世界中の人々が安全安心に暮らす社会を作るため必要な17の目標を掲げたSDGs(持続可能な開発目標)。ついエネルギーや環境問題などに視点が行きがちですが、「質の高い教育」を誰でも格差なく受けられる世の中にすることも重要で、欠かせない目標の一つに定められています。よりよい未来は“モノ”だけでなく、それを動かす“人”の力で手繰り寄せることができます。今回は「教育」という視点で、石巻市が取り組むSDGsを紹介します。

石巻市教育委員会 学校教育課 福田 光一 課長

 大規模な技術革新や経済発展によって、私たちの暮らしは豊かなものになりました。しかし、便利で快適な生活の一方で、地球環境は悪化の一途を辿っています。私たちは、自分たちの子や孫の代まで豊かで美しい地球で暮らし続けられるように、持続可能な社会を実現する必要があります。文部科学省では小・中学校学習指導要領の中で、「持続可能な社会の創り手の育成」を目標に掲げています。学校教育においてSDGsについて取り組むことで、子どもたちに地球規模の問題を主体的に考えさせ、解決するために行動する力を身に付けさせることができると考えます。

 石巻市立大谷地小学校では、「防災」をテーマに、地区の危険箇所や避難方法を調べて防災マップにまとめ、地域に発信しました。また「国際協力」をテーマに、北上川のヨシを活用してすいた紙を使って、アラブ地域の方々と共同でカレンダーを制作して販売し、その売り上げをウクライナなどの紛争地域の子どもたちに渡す活動を行いました。

 石巻市立開北小学校では、石巻市SDGs移住定住推進課によるSDGsに関する講話をきっかけに、リサイクルするために6年生と児童会が使用済み洗剤やシャンプーのパック回収を地域に呼び掛ける活動を行っています。また、ウクライナの子どもたちのための募金活動にも取り組みました。

 教育という視点で、私たち「大人」ができることは、子どもの「目標」や「モデル」になることだと考えます。SDGsを意識して生活する大人、本を読んで知識を広げている大人、何かの資格を取るために一生懸命勉強している大人が近くにいることによって、子どもたちには大きな教育的効果があると思います。そして、いつも前向きに楽しく、周囲の人と仲良く生活している大人の姿を見た子どもたちが、「こんな大人になりたい」と思ってくれたら、持続可能な社会になるのかと思います。

 今石巻市では、「誰一人取り残さない」学力の向上を目指しています。学校と家庭と地域が一体となって、子どもたち一人一人に、「自ら学ぶ力」を身に付けさせたいと思っています。教科の学習を通して「学び方」を習得し、学んだ知識で誰かを支援しようとする思いやりや、やさしさの気持ちを育てることが持続可能な石巻市の教育だと考えています。
 今後の展望として、学校と家庭、地域が連携して、一人一人の良さを発揮できる人材を育成するために、石巻市全体で、子どもたちをサポートしていきたいと考えています。

 石巻市は、SDGs推進に賛同する団体等を「いしのまき圏域SDGsパートナー」として登録し、連携した普及啓発に取り組んでいます。今回は石巻日日新聞社の取り組みを通じて、SDGsについて考えてみたいと思います。

 石巻日日新聞社は大正元年に圏域初の日刊紙として誕生した東北日報が源流。明治、大正、昭和、平成、令和と続く時代のニュースと向き合い、紙面は社会の写し鏡として事実を報じ続けてきました。

石巻地方の出来事や声を日々報道し、明るい未来につなげています

 外処健一報道部長は「さまざまな情報を正確・公平・迅速に報道することで、地域の豊かな未来づくりに寄与してきました。この『豊かな未来』こそがSDGsで石巻地方が目指すべき将来と考えられます。SDGsは決して難しいものではなく、皆さんの日常の中にあふれています。これまで計4回掲載された『SDGsマガジン』を通し、皆さんにSDGsの大切さを感じてもらえたなら何よりです」と話していました。

 石巻日日新聞社はこれからも地域の声や出来事をつぶさに拾い集め、未来を見据えながら、地域と共に前に進んでいく構えです。


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石巻日日新聞社の情報誌んだっちゃ編集室では、あなたのSDGsエピソード、こだわり、暮らしの中のSDGs、もしくはご意見なども募集しています。住みやすい地域づくりの為に皆さんの声を聞かせてください。
いただいたメールの内容は、新聞や情報誌、SNSなどで紹介をさせていただく可能性があるほか、石巻市SDGs移住定住推進課にも届けます。
メールをいただける方は、「あなたのSDGs」というタイトルで、以下のアドレスまで宜しくお願い致します。
media@hibishinbun.com


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