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6杯の特産せり創作鍋 上品の郷でコンテスト

鯨や鹿肉、魚介とも好相性

 石巻市特産の河北せりの普及と新たな料理の創作を目指した第1回せり鍋コンテストが14日、道の駅上品の郷で開かれた。市内の飲食事業者ら6チームが鯨や鹿肉、ホヤといった地元食材と組み合わせるなど工夫を凝らした一杯を提供。食べ比べした来場者の投票で、鮎川浜を中心にイベント出店している「旬魚旬味いしもり」が優勝し、上品の郷で浜焼き屋を出す青木水産が準優勝した。

200円で6チームの鍋が味わえた

 エントリー順に「青木水産」(雄勝町)はざら貝、つぶ貝、たこなどのうまみを生かした塩ベースの海鮮鍋、「旬魚旬味いしもり」も塩味で、鯨の肉、皮、ほろの3種を使った鍋を提供。しょうゆベースは「ふみの家」(大森)の餅入りホヤ雑煮風鍋、「渡波のキムチ屋さんkimuriya(キムリヤ)」のせり入りと通常の2色の水餃子鍋があった。

 「笑楽亭」(大森)は地元の野菜たっぷりの〝かあちゃんの鍋〟で、唯一のみそ味で勝負。上品の郷は鹿肉を用いてとろみのある中華風スープの鍋に仕上げた。

 出場チームはそれぞれ、4万円の予算内で300食ほど用意。セリのしゃきしゃきした歯ごたえが煮込んだ鍋の食感に変化を与え、さわやかな香りが磯や獣くささを和らげた。来場者は200円の投票券を購入し、6杯全てを味わえた。小さな容器ながらお腹にこたえる汁物であり、完食するころにはかなりの満足感となった。

 正午過ぎには完売となり、せり生産者ら4人の審査員票を加えた投票総数は346票で、いしもりが108票、青木水産は98票を獲得。主催の上品の郷から賞金と商品券が贈られた。

 コンテストは上品の郷にバス停を置く東日本急行㈱の提案。同社のバスで仙台市泉区から友人と来た雄勝大須出身の斎藤なな子さん(73)は「せりはおひたしや鍋でよく食べる。200円で6杯は安すぎ」と話し、同市青葉区からネットで調べて夫と2人の息子と来場した菅原春奈さん(38)は「せりが好き。第2回があったら来たい」と楽しみにした。
【熊谷利勝】


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