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【第1回】まちとスケール

 はじめまして。私は建築家です。芝浦工業大学建築学部の教授とスタジオトポスという建築設計事務所を主宰しています。いわゆる二足のわらじを履く日々を送っています。初めて会った人から「ご専門は何ですか」とよく聞かれますが、「インテリアや建築の設計から、まちづくりや景観計画などをしています」と答えることがあります。

 一般的にインテリアや建築、都市計画やまちづくりなど扱うスケールが異なる分野にそれぞれの専門家がいるのですが、私自身はスケールに関係なく一連のつながった日常の中を観察し、そこに何か問題があれば、それについて考え、解決策の提案することをテーマにしています。スケールの大小は日常の連続したひとつの側面にすぎません。

自宅近くを流れる多摩川。少しでも自然に触れていたいと思う

 これからの連載は、私自身の専門や興味のある事柄に触れながら、皆さんの日常にちょっとした気付きを与えることができたら幸いです。

 初回は、私自身の生い立ちをご紹介しながら、まちの大きさと個人のつながりについて考えていきたいと思います。

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