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森唯斗投手を知った日

延長12回のマウンドに立ったのはクローザーだった。

ベイスターズ、タイガース共に好機をつかみきれぬ延長戦は緊張と弛緩の繰り返しだった。固唾を呑んで祈り、息苦しさを吐き出すように活躍した選手へ叫ぶ。得点は動かないが波は立っていた。
12回のオモテ、ここを抑えればベイスターズの負けはなくなるというイニング。コールされた投手は森唯斗だった。

信頼とは積み上がっていくものだ。
僕にとっての森唯斗は「いかつい顔とネックレスの人(某投手のせい)」「そんなイジリにも感謝で返す気立てのいい人」だった。
もちろんホークス時代に積み上げた「鉄人」と呼ぶべき実績は把握しているが僕にとっておとぎ話とそう変わらないものである。
だから、マウンドに上がる森投手を「絶対大丈夫」と信じられるものは持っていなかった。

通算470登板、127セーブ、防御率2.94
リリーフだけでなく先発もできるってすごすぎる投手が来たってワクワクしてました。

クローザーの魂だった。
腕が吹っ飛んでいきそうな荒々しいフォーム。でも正確にコントロールされる球。武器のナックルカーブは打ち気を弄ぶかのように落ちていく。
何よりも魂が表れていたのは糸原選手を打ち取ったファーストゴロ。一塁へのベースカバーへ一目散に入る姿は”何も起こさせない”クローザーとしての姿だった。仲間が紡いできたものを守る守護神だ。

3人でタイガースの攻撃を終わらせた森唯斗は雄たけびを上げる。ベンチへ戻る選手をだれよりも前で迎え入れ鼓舞する。熱く献身的な姿は心を震わす。
すべてをやる漢だ、チームのために。僕は森唯斗を知った。

ホークスファンの皆さん、森唯斗はすごい投手だ。勝利のために培ってきたものを間違いなく見たから思える。
いつか勝負を分ける場面でコールされた森唯斗は「絶対大丈夫」だと。


ベイスターズ入団会見で「腕がちぎれてもいいという思いで死ぬ気で投げる」と発言されてて、戦力外からの入団だしそれぐらいの気持ちを持ってるほうが頼もしいなぁなんて思ってたら、ホークス時代から「肘が吹っ飛んでもいい」とか言ってました。
ベンチに戻って肩で息をしてて死ぬ気で投げるが冗談じゃないのが分かる。
怖いくらいに野球人生に懸けているの好きです。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/202304270001605.html

周りへの感謝を欠かさない人柄のようで。
アウト取ってくれた野手にガッツポーズしたり、声をかけたりしているのを見て、こういう人になりたいって素直に思います。

https://bunshun.jp/articles/-/62028?page=2

※サムネの写真は自分で撮ったものです。たまにSNSに上げてますのでよかったら見に来てください

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