人生に困難はつきもの。でも……
3年前に初めて聞いた日から、ほとんど欠かさず毎日のように聞いている歌があります。
それは、韓国の歌手·IUさんの「Celebrity」。
初期のnoteでも、この曲について熱く語っていますので、未読の方はこちらの記事も併せてご覧ください。
昨年は、彼女のデビュー15周年だったようで、日本でも、彼女のライブコンサート映画が公開されていました。
これは外せないと映画を観に行ったのですが、表情やパフォーマンス込みで歌を聞けるので、ただ聞く以上に、濃く、彼女の世界観にのめり込むことができました。
映像も含めて歌を聞いていると、言葉が、リズムが、歌声が、表情や手の動きも含めて、全てが、歌うことの楽しさを物語っていることに、私は衝撃を受けました。
聞きにきてくれた人に届けたくて、歌うのが楽しくて、たまらない。その感情が手にとって分かるほどに、画面いっぱいに彼女の笑顔と歌声が溢れていたのです。
それに聞き入る私たちは、応援上映だというのに、一言も発することなく、全身全霊でその歌声を浴びていました。
いつも以上に静まり返った場内ですが、実際には何と満席。どこからどこまでも彼女のファンたちで埋め尽くされているわけです。
その一人一人に、彼女の歌声が、想いが、届いている。
その事実にも、私は、打ち震えていました。やはり、全て韓国語なので、多くの日本人にとっては、異国の言葉ではあるわけです。
でも、私のように事前に歌詞と意味を確認してきた人や、もっときちんと勉強して、彼女の歌の意味がすっと入ってくる人もいるのでしょう。誰もが、心から聞き入っているのです。
とはいえ、多分、韓国語が1ミリも分からなくて、感動することができると私は思います。だって、あまりにも純粋だから。想いがあって、その裏には彼女の人生の物語もあって、それらに誠実に向き合って書かれた詞。それを努力の賜物である、唯一無二の歌声に乗せて、歌う。疲れなど、難しさなど、少しも感じさせずに歌い上げる……。
それはまさに、言語を越えて、心に届く歌です。
いつまでも聞いていたいと願う私たちに、彼女はにこにこ笑いながら、言いました。もっと歌いたい、もっと歌える、と。
その言葉通り、いつまでも歌い続けてくれたら!
いつまでも皆で聞いていられたら!
そんな、あり得ない夢を抱いてしまうほど、本当に素晴らしい歌が目白押しでした。
帰宅後、映画の余韻に浸ろうと、YouTubeでリハーサルの様子などをおさめたビデオを見ていました。
すると、映画の映像からは考えられないほど、リハーサルの時はひどい天候に悩まされていたことが分かったのです。
残暑残る9月の高温に、本当にライブができるのか不安になるほどの、大雨。やれることに全力で向き合いながらも、パニックになりそうな姿が記録されていました。
それでも、当日は雨があがり、夢のようなステージが実現されていて、人生を見ているようだなぁと私は思いました。
「Celebrity」がリリースされたのは、2021年1月27日。その頃を思い出すと、個人的には本当に辛い時期でした。と同時に、あの頃の自分が想像できなかった未来を、今は歩んでいるとも思います。映画館に行くことすら、当時の自分には考えられなかったのに、今は、「行きたいな」と思った場所に、何の不安もなく行けている……。
人生って、本当に分からないのです。
明日が来ないかもしれないし、絶望した状況が、数年後にはすっかり変わっているかもしれない。
最終リハーサルが、雨で滅茶苦茶になってしまうことだってあるかもしれない。
予測できないからこそ、辛いし怖いこともありますが、悲しいことばかりでもありません。
生きていれば、人生の季節は巡り、状況は必ず変わるのです。
3年前、「Celebrity」を初めて聞いた日の自分に、教えてあげたいと思います。
今は辛くても、これから予想もできないほどいいことが起こるよって。未来は本当に明るいよって。
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