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韓国旅行

誰が祖国を二つにわけてしまったの
 誰が祖国をわけてしまったの

イムジン川(1968)

 Netflixで話題となっているソウルクリーチャーの主演女優が自身instagramに安重根の写真をアップしたことで、日本のネトウヨ界隈が炎上しているようだ。ソウルクリーチャーは日帝支配下の朝鮮人の苦しみを描いた作品である。それゆえ、日帝に抗い、散っていった安重根烈士をイコンとするのは当然と言える。
 韓国の印象というのはここ15年程で大きく変わったように思う。15年ほど前は韓国と言えば、冬のソナタに代表されるペヨンジュンやイビョンホンが出演する所謂”韓ドラ”が流行り40代、50代のおばさんたちを虜にした。さらに、いまだ帝国気質が抜けない日本人にとっては、韓国は日本の元植民地であるから劣った存在として日本のナショナリズムを煽る格好の餌となっていた。一方で、昨今では、K-popをはじめ、わー国の国教である統一教会、ブルーアーカイブといった多くの層を魅了するソフトパワーを持つ国へと変貌を遂げた。


DMZ : DeMilitarized Zone

DMZ(demilitarized zone)は北と南を分断する軍事境界線(非武装地帯)をさし、ツアーに申し込めば外国人でも訪れることができる。ツアー料金は6000~8000円ほどである。英語に加え日本語ツアーも選択することができる。(数カ月前に在韓米軍が北朝鮮に渡航して以降、板門店を訪れるJSAツアーは取りやめになっており、いつ再開するかは不明らしい。板門店の韓国側の管理は韓国ではなくUNということなので、文句がある場合は韓国政府ではなくUNまで。)
 12月中旬、DMZツアー参加のためにインチョン空港に降り立った。待ち合わせ場所は、テグ大学駅前で、インチョン空港からは空港鉄道を利用して50分ほどであった。待ち合わせ場所には、あまたの観光バスが列を連ねていた。早朝だったこともあり、ソウルは想像していたよりも寒く、迎えのバスが来るまでの10分ほどで体躯の芯まで凍えきっていた。

テグ大学駅前 3番出口

臨津閣(イムジンカク)

 まず、臨津閣(イムジンカク)へ向かった。50分ほどバスに揺られていたと思うが、深夜便でインチョン空港に向かったため、疲れからか眠りに落ちていて移動中の記憶がない。気づいた時には、見知らぬ土地についていた。
バスを降りると小奇麗な近代的な建物があり、トイレを利用した。
 臨津閣(イムジンカク)は特別な手続きなしに、一般市民が北朝鮮に最も近づける場所であるようで、ここまではツアーに参加しなくても来れるらしい。

イムジンガク 
イムジンガク カフェやコンビニ(G25)
イムジンガク 公衆トイレ
イムジンガンの標識

 観光ガイドにイムジンカク周辺を案内してもらった。眼前には南北分断の象徴たる臨津河(イムジンガン)が滔々と流れている。「誰が祖国をわけてしまったのだろうか」それは、日帝であり、共産思想、自由民主主義の皮を被った帝国主義である。
 次に、自由の橋周辺を見学した。自由の橋は北朝鮮の捕虜となった韓国兵が帰還した場所である。韓国に帰還するかどうかは当人の”自由意志”に任されていたようで、北朝鮮に残る選択をした兵士もいたようだ。20世紀の朝鮮の困窮と共産主義の影響力を考えれば、それも一つの選択であり尊び慈しむべきであろう。
 また、イムジンカクには北朝鮮への補給路線として使用されていた線路や機関車、さらに、現在も使用されている補給路を目にすることができた。

慰安婦像 北朝鮮と韓国の慰安婦を象徴する。2つ見られるのはイムジンカクだけである。
自由の橋 工事中のため立ち入り不可
北朝鮮への補給路線
機関車
三菱のロゴ

都羅(トラ)展望台

 イムジンカクの次は都羅(トラ)展望台へ向かった。途中、韓国軍人がパスポートをチェックする検問所を通過した。展望台には無料の大型双眼鏡が無数に配置されており、容易に北朝鮮を覗くことができる。天候が良ければ開城(ケソン)工業地域や、高くか掲げられた北朝鮮の国旗、板門店を見ることができる。
 トラ展望台の近くには地雷が埋まった区域がある。そこで働く韓国軍の兵士の給与は10万円/月であり、地雷を1つ処理するにごとに4$の報奨金が支給されるという。身を削って労働している兵士の待遇としてはあまりにも惨いものだ。労働者を大切にしない風潮は日韓で大差がないのかもしれない。

旧トラ展望台
日本、韓国、北朝鮮に時差はない
北朝鮮を眺める帝国市民
北朝鮮
北朝鮮
謎のゆるキャラ

第三トンネル

 最後に第3トンネルに向かった。北朝鮮の兵士が、ソウルに向けて堀ったトンネルであり深さ70 m、全長1.6 kmほどである。第3トンネルには、併設された資料館があり、板門店や軍事トンネルに関する資料が展示されていた。第三トンネルは北朝鮮の国境付近まで潜ることができるが、なかなか急峻な坂道であった。

DMZ!
資料館
南北統一(トンイル)
板門店模型
板門店資料
第三トンネル 内部は撮影禁止
記念撮影用


梨泰院(イテウォン)

 2022年の10月に、159人の犠牲者がでた場所である。日本でいうと新潟県の弥彦神社で起きたような事故である。
 イテウォンクラブという韓国ドラマが有名らしいが、特に興味がなかったので視聴していない。イテウォンは若者の街ということなので、昼間に訪れてみたが、誰もいなかった。聞くところによると夕方から町の様相は一変するようだ。
 実際にイテウォン駅周辺を散策してみると、急峻な坂が多く、道幅も狭かった。八木山動物公園や向山のような印象を持った。
 友人からLeuum美術館を勧められたので、イテウォン駅から10分ほど歩いて美術館にいった。Leeum 美術館はSamsung社が所有する美術館であり、個人所有の作品が展示されている。東京西洋美術館の松方コレクションのようなものであろう。Leuum美術館は常設展(無料)と特別展に分かれており、常設展は朝鮮の歴史的遺産が、特別展では近代作品を見ることができた。

イテウォン駅
犠牲者への追悼文
狭い坂


Leuum美術館 内装
謎アート
白磁?

戦争記念館(無料)

 現大統領府の正面に位置し、朝鮮の歴史、特に朝鮮戦争について詳細に扱っている。韓国の中高生や軍人への歴史教育(indoctrinated)として大いに役立っていることであろう。
 入り口には朝鮮戦争の際に、韓国に軍を派遣した各国の国旗が掲揚されていた。建物内は想像よりも広く、すべて回るのに2時間を要した。

戦争記念館正面
独島は韓国領だ!
朝鮮戦争の軌跡
敗戦
独島は韓国領だ!
安重根烈士
李舜臣
亀甲船
UN展示
亀甲船上から
入り口

青瓦台(チョンワデ)

 元大統領府であり、ユンソンニョルが2022年から一般に公開し始めた。
入場するには事前登録が必須である。外国人向けの予約フォームがうまく機能しないと聞いていたので、韓国の友人に予約をしてもらった。代表者の予約審査のみで、随行者のパスポートチェックはなかった。
 建物は、二階建てで、文字通り藍い瓦に覆われていた。内装には、一国の指導者に相応しいような絢爛な装飾が施されていた。大統領執務室やFirst ladyの寝室等、韓国政治ファンにとっては、見所が満載であった。
 韓国の大統領は日本のぬるま湯に浸った総理大臣とは異なり、凄惨な最後を迎えることが多い。イスンマン(亡命)、パクチョンヒ(暗殺)、チョンドゥファン(死刑 のち特赦)、ノテウ(実刑17年のち特赦)ノムヒョン(自殺)、イミョンバク(実刑15年 のち特赦)、パククネ(実刑24年 のち恩赦)。このように、大統領の任期後に実刑判決を受け、特赦をうけるまでが韓国大統領の責務のようだ。ムンジェインが次の標的になっているようなので今後の展開が楽しみである。
 一国の指導者である大統領が容易に逮捕又は暗殺されるという点では日本よりは民主主義的と言ってよいのだろう。

春秋門
チョンワデ正面
入り口
ムンジェイン、パククネ、イミョンバク、ノムヒョン
大統領執務室

明洞(ミョンドン)周辺

クリスマスイルミネーション
ロッテデパートのイルミ
出店が並ぶ
新世界デパートのイルミ
旧ソウル駅
李舜臣
金世宗
バブリー
恐竜
景福宮 光化門 プロジェクトマッピング



宗廟 昌徳宮 景福宮 周辺

宗廟 (1000ウォン)

昌徳宮(1000ウォン)

珍しい自販機
温室

民族博物館(無料)

sing a song….do shit

景福宮(3000ウォン)

国立古宮博物館(無料)

水原(スウォン)

 スウォン駅には、ソウル中心部から地下鉄を利用することで1時間ほどで行くことができる。 スウォンは城壁に囲まれた小都市で、カルカソンヌのような印象を受けた。城壁はハイキングコースになっており、城壁の周りには視界を遮る高層ビル群はなく、スウォンの景色を目に焼き付けることができた。
 

カチガラス、韓国語ではカッチ。幸せを呼ぶらしい。

ロッテワールドタワー(Fast-pass 50000ウォン)

 The Lord of the Ringsに因んで、Sauron Towerと呼ばれている。ロッテが所有する555 mのビルである。中はショッピングモールとなっている。
 せっかくの機会なので、展望台へと向かうことにした。通常料金は29000ウォンであるが、2時間待ちということで、50000ウォンを払ってファストパスを購入した。ファストパス購入者は周りに誰もおらず、家族ずれ、カップルから成る長蛇の列を一瞬で抜かすことができ、爽快だった。展望デッキ(500 m)まではエレベーターで20秒ほど。到着したのが黄昏時だったこともあり、ソウルの山々に消えゆく赫赫たる太陽が照らし出すソウルは、それなりに豪華な景色だった。ただ、50000ウォンは明らかに法外な値段であり、景色をみた満足感よりは後悔の念の方が大きい。
 ロッテワールドタワーには、ロッテワールドというDisneyのパチモンテーマパーク、ロッテモールとロッテホテルが併設していた。


Sauron tower

ソウル駅周辺 

ソウル駅

南山(ナムサン)Nソウルタワー

ナムサンにいたる城壁
安重根記念館(月曜休館日)
安重根(烈士)
Nソウルタワー

国立中央博物館(無料)

 韓国の美術館、博物館の多くは無料または3000ウォンほどで見学が可能であるため非常にreasonable。韓国政府は、自国の文化を広めることに注力しているのだろう。国立博物館がクラファンを実施することはまずなさそうである。

外観
日本の展示

トイレ

旅行の際には、トイレ事情がネックとなる。
 韓国のトイレは、場所によって、トイレットペーパーが流れない場合があり、便器の近くに置かれているゴミ箱に紙を捨てる必要がある。
 一方で、公共トイレの数は日本と同程度であろう。ソウル市内を走る地下鉄の駅には、無料トイレが備え付けれている。前述したように、多くの韓国(ソウル)の博物館、美術館の入館料は無料だ。突如として催した際に、気兼ねなく利用できる。さらに、ソウルにある(高級)ホテルはロビーにカフェが併設されていることが多く、ロビーのトイレを無料で使用できる。実際、私は、ソウル市内を散歩中に、うんこがしたくなったので、ウェスティン朝鮮ホテル(旧朝鮮総督府)のトイレを借りた。
 また、ウォシュレットはついてない場合が多い。高級ホテルやロッテモール、デパートのトイレにはウォシュレットが備え付けられている。
 

宿泊ホテル トイレ
ウェスティン朝鮮ホテル
ウェスティン朝鮮ホテル トイレ
国立博物館トイレ


タッカルビ(12000ウォン)

タッカルビ

サムゲタン(土俗村 30000ウォン)

土俗村 サムゲタン

スウォンチキン(25000ウォン) 

チキン

土産 

HBAF よく分からないフッ素化合物のような名前だが、スナック菓子 空港やコンビニで売っている。

一袋2000ウォン

高麗人参茶 正庄官で販売されている高級紅参茶がいいらしい

免税店で4000円ぐらい

その他

・韓国では軍事機密上、google mapが正常に機能しないため、Naver mapかkakao mapを利用する必要がある。
・ポルノ規制が想像以上に厳しいので、有料VPN(無料ではうまくいかなかった)を用意しよう。ブルアカを生み出した国とは思えないほど、規制が厳しかった。


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