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「弾いてみた」動画、めちゃくちゃ大変

タイトルの通りです。めちゃくちゃ大変なんです。

今時はスマホが普及していますから、スマホだけでも撮影から編集まで一通りこなせてしまいます。ですがスマホ撮影の最大の難点は、音質です。弾いてみた動画で音質を損なってしまうのは、かなりのボトルネックになるので、やはり音にはこだわりたいところです。

となると、何かしらの形でオーディオインターフェース(I/F)を用意する必要があります。ここが大変ポイントその1、経済的に大変です。一人で楽しむ分にはギター、ペダル、アンプ、シールドがあれば完了しますが、動画化しようと思ったらI/Fが必要になりますし、さらにI/F自体はスピーカーとしては機能しませんから、I/Fに入力した信号をモニターするための道具も必要になります。よってI/FのOutputにモニタースピーカーをつないだり、あるいはモニター用のイヤフォン、ヘッドフォンなどを用意したり、と工夫が必要になってきます。
ここまで来ると、作業デスクの周りがケーブル類でかなりごちゃごちゃしてしまうので、作業に支障をきたさないような丁寧な配線も必要になってきます(まいけるの一番苦手な作業)。さらに画質にもこだわるなら、それなりにしっかりした作りのカメラも必要になりますし、動画編集にもこだわるなら、それなりのスペックを有するPCも必要になります。I/Fはまだしも、カメラやPCは直接的な音楽機材ではありません。にも関わらず大きな出費が求められるので、懐がそれなりに潤っていないと厳しいものがあります。使ってない機材を売れば買えるだろというツッコミはやめよう

大変ポイントその2、用意したI/FとPCを相互に連携させるのが大変です。こうした外部機器をPCと接続する時、販売元からドライバーをダウンロードしないと正常に動作しない場合が少なくありません。これだけなら大した手間ではないのですが、中にはドライバーを用いてもI/Fが認識されず、ギターなどの音声信号を録音できないというケースもあります。その場合、ドライバーを一度削除して再インストールしたり、機器類や接続ケーブル類の故障を疑ったりなど、面倒な対応を余儀なくされます。実際、私の環境ではなぜかMacがTHRを認識してくれません。しかしTHR EditorはTHRを認識していて、相互に信号をやりとりできているので、ますます意味がわかりません…

大変ポイントその3、録画/録音のためのソフトウェア使用を習得するのが大変です。私はOBS Studioで録画していますが、デフォルトの状態だとOBSから出力される動画の拡張子は.mkvになります。こんな拡張子誰が使うんだ?
これを.mp4などの一般的な拡張子として出力させるには設定を変更しないといけません。またギターをI/Fに接続する場合、その信号をモノラル扱いにしないと、ステレオ環境だと左または右Chの一方のみからギター音が聞こえてくるという変な動画が出来上がってしまいます。そのほか、PCのスペックを考慮してフレームレートを調整したり、解像度を調整したり、入力音声のレベルをスライダーで調整したり…普段からPCを使い慣れている人であれば特段問題にはならないかと思いますが、色々と小さなハードルが立っているのは事実です。

大変ポイントその4、動画編集が大変です。私はAviutlを使っていますが、無料なのは有難いにしても使い勝手が良くありません。
より正確には「初期状態だとAviutlはほとんど使い物にならない」という表現になるかと思います。Aviutlはプラグインを随時追加して、自分に必要な機能を付け加えていくという使い方をしないと、なかなか思うようには動いてくれません。まず、初期状態だと.mp4の動画を読み込めません。ここでまず、L-SMASH Worksというプラグインを適用して、.mp4を読み込めるようにする必要があります。

無事に動画を読み込めれば今度は編集ということになりますが、これもまあ一手間です。まいけるもAviutlを使い始めて日が浅いので、なにも知らないようなものという前提のもと読んでいただくものとして、編集技術としてはfade in, fade out, 暗転などいろいろありますが、最も一般的なのは動画の尺の調整と画面サイズの調整かと思います。まず前者の動画の尺についてですが、これはAviutlに頼らずとも、Windowsなら「フォト」Macなら「Quicktime Player」で簡単に調整できます。どちらもそれぞれのOSにプリインストールされていますから、ここは大きな障壁にはなりません。もちろんAviutlでも同様の編集はできますが、こちらはフォトやQuicktimeのように始点と終点をスライダーで決めるのではなく、開始フレームと終了フレームを数値で指定する必要があるので、煩わしいという印象です(フレーム単位で細かく指定できるのはむしろ利点だという見方もあると思います)。

次に画面サイズの調整についてですが、Aviutlでは上下左右の端から、切り取る範囲をピクセル単位で指定します。これもいささか面倒ではありますが、しかし切り取り範囲の設定値は随時保存されるので、動画さえ読み込めばあとはPCがいつもと同じように切り取ってくれるというのはメリットですね。スマホ操作であれば切り取り範囲を指で操作して簡単に決定できますが、その操作自体は毎回行う必要があります。
そのほか、動画編集にこだわりだしたら大変なポイントはもっと増えてきますが、現状私はそこから逃げているので解説しませんしできません。

さて紆余曲折を得て完成した動画をいざ出力…と行きたいところですが、初期状態だと.mp4動画を出力できません。ここでも”かんたんmp4出力"や"x264guiEX"などの外部プラグインを導入する必要があります。またここでも一手間必要になりました。
では数多の一手間をかけて編集した動画をいざ出力しようとすると…

絶望のウィンドウがポップアップしてきます。いや失敗するのは仕方ないにしても、なにがどう失敗しているのが教えてくれ…

特にこの問題、上に書いた画面サイズの調整と密接に関連しているようで、不適切な画面サイズだと出力に失敗するようです。なにをもってして「不適切」と定義するのか、これは私もよくわかっていないのですが、最終的な画面サイズのピクセル数が奇数×奇数になっているとダメみたいです。というのも、x264guiEXのエラーメッセージを見ていると”Resolution cannot be divided by 2.”というようなことを言っていました。一言一句暗記したわけではないですが。よって、切り抜きサイズ範囲を少しだけ調整してあげると上手くいきます。

上記のポイントを全てクリアすればめでたく動画完成、なわけですが、ここまで触れてこなかった最大にして最強の大変ポイント、著作権の存在を忘れてはいけません。とはいえ、まいけるは法理論に精通しているわけではないので、この部分についての解説は他に譲ります。

上記5点が、弾いてみた動画の主要な障害物でしょうか。
…なんでこんな文を書いているのかよくわからなくなってきましたが、ちゃんとした設備投資をした上で宅録しようとしたらめちゃくちゃ面倒だったので、このやりきれなさをどこかに吐き出したかったというのが正直なところです。で、そんな面倒なことをしてまで仕上げた動画の反響はどうかというと…

1週間経過した時点で9再生、2コメ(うち1つは私からのリプ)、高評価1です。まぁ…うん…
というか高評価つけてくれた名も知らぬ方、本当にありがとうございます。

身も蓋も無い話にはなりますが、自分の技術を磨くだけなら必ずしも動画投稿は必要ではありません。一人で黙々と練習すればいいだけの話なので。ですが自分の演奏を動画化して残しておくのは、演奏を客観的に見るためには重要ですし、そのついでに承認欲求を満たせるのであれば悪い話ではありません。

他人の演奏動画がモチベーションになるというケースもありますし、無理のない範囲で今後も投稿していきたいと思っています。

上に書いたようなことも大変なんだけど、一番大変なのは人様にお見せできるほどの技量を習得することなんですよね。今日も頑張って練習しましょう。

まいけるでした。

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