見出し画像

好きな歌3種とアルバム

『ケンカのあとは』

 という昔子ども番組で見た歌を、
 先日ひょっと思い出したんだが、

ほっぺにチュ ケンカのあとは
ほっぺにチュ ケンカのあとは
ほっぺにチュ でもちょっとはずかしい

子門真人『ケンカのあとは』

 というサビの部分をご記憶の方もいるだろうが、
 改めて思い出すと、
 良い歌だなと。

 子ども時代にはケンカのあとでほっぺにチュなんぞしたら
 全力で気持ち悪がられるだろうケンカしかしていないものだが、
 それでも「いつか大人になって好きな人が出来たらの話」
 であろう事は概ね理解していた気がするが、

 実際に大人になってしもうたなら、
 「ほっぺにチュ」どころで済みゃしねぇ。
 「ちょっとはずかしい」なんざしゃらくせぇ事ばかりだよな。

 ……と澱み荒んだ大人のぼやきはさておき、

ほっぺにチュ ほんとは好きだから

 ってラスト辺りの歌詞がね。
 改めてしみじみと頷けたなと。

 そうだよな。「ほんとは好き」って、
 ただ単純にそれだけで良いはずのところが、
 大人になるといちいち見詰めなくなって、
 色褪せたようにも感じられてしまうんだよな。

 あわせて、

『愛と感謝』

 という歌も好きだという事を思い出す。

今日も 明日も 愛と感謝に生きよう
大切な事は 忘れがちだけれど

Superfly『愛と感謝』

 というサビの特に、
 「大切な事は忘れがち」という大切な事を、
 しっかり言葉で表しているところね。

 そこが好きだと思って言える自分に、
 誇らしさまで感じ切れる珍しい曲だ。

 他にこういった曲はなかっただろうかと思い返してみて、
 雰囲気は180度変わって突き落とされるんだが、

『Noctovision』

 クレヨン社さんの2007年のアルバム、
 『宙 Sola』に収録されている。

 このアルバムは是非とも手間をかけて、
 なるべく多くの人がCD全体を手に入れてもらいたい。

 中盤辺りのちょうど良い位置付けで流れるこの曲の、
 ラスト一文の容赦の無さに口をつぐまされた上で、
 それでもなお口を開こうと努め続けてもらいたい。


 アルバム全体がクレヨン社さんの集大成であり真骨頂だ。
 その名に恥じない様々な色調に満ちあふれている。

 ほの暗い中を薄赤く色付き始める曙光から、
 心まで射し貫くような陽の光。
 トンボの羽を透かしつつも染め上げる夕暮れに、
 凍て付く鉛色の曇り空。
 嘆きの雨に、
 胸を掻き鳴らす嵐。
 目に痛いほどの純白。
 つややかな海の色を映しながら、
 宇宙の闇に照り映える青。

 少なくとも私のこの文章を見て気になった方であれば、
 購入して損は無いだろうと思う。


何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!