宿坊ってどんな?
高野山の宿坊について検索すると、
わりとネガティブな感想がヒットしたりもするんだが、
そもそも宿坊とは何であるかを、
今少しばかりスクロールの手を止めて、
考えてみてほしい。
高野山にある約110の寺院の内、
半数の約50ヶ寺が、
宿泊設備を整えてくれたものである。
もう少し付け加えるならば、
寺院といえども、
その家に生まれ育った方々には、
個人宅である。
縁もゆかりも無い他人様の御宅に、
高野山について学ぶためであればと、
一晩泊めて頂ける御親切に預かれるわけである。
そこを大前提として訪れたならば、
決して宿泊業が本職ではない方々の、
それでも精一杯のお心遣いに、
感じ入る事が出来るだろう。
更に言えば私は今回、
旧正御影供(きゅうしょう・みえいく)の、
御逮夜(おたいや)という、
年に一度だけ行われる、
盛大な法会に参加するため宿坊を予約したのだが、
宿坊の方々だって参加したいわけだ。
と言うより参加しなくてはならないわけだ。
だってそちらこそが本職なんだから!
従って設備やサービスなどに、
軽々しく不満を口に出来る筋合いは無い。
しかし他の宿泊客より明らかに、
不利益を被ったり、
軽んじた扱いをされた場合は言って良い。
寺院にあるまじき、決して有り得ない事、
と言いたいところだが、
絶対に起こらないとも言い切れない。
なぜ高野山に約110ヶ寺もの寺院があるか。
かつては生国により仕える大名家により、
参詣・宿泊すべき寺が決まっていたからである。
ああ。寺院によっては貴族御用達だったりもする!
そんなわけで実に運悪く、
歴史的に敵方、あるいは政治的対立側だった寺院に、
泊まってしまわないとも限らない。
そうなるとお互いに心地の良い反応は見せにくい。
そうした事態を招かないためにも、
是非とも泊まりたい寺院が無ければ、
宿坊の予約には、
高野山宿坊協会のホームページを利用しましょう♪
注意:高野山観光協会、ではありません。
両者とも主要団体かつ似ていますので気を付けて。
江戸時代から参詣客に高野山の町を案内していた組織です♪
総合的な予約状況も把握しているから、
予算に旅の目的を入力すれば、
候補も第三位まで選べるけど、
候補が無くても適切な寺院を選んでくれるよ♪
予約してないけど急に泊まりたくなった。
そんな時は「千手院」バス停そばと、
「一の橋」バス停そばにある、
店舗型施設を訪ねてみて♪
決して回し者じゃないですけれども、
誤解や認識の相違はなるべく少ない方がよろしかろう。
(ちなみに最も安い部屋でも、
一泊二食付きふすま仕切りの約1万円だが、
部屋・サービス単位の値段なので複数人なら割安。)
ところで今回私が通されたお部屋には、
「五台」と言う名前が付いていまして、
帰ってから調べてみたところ、
中国における文殊菩薩の本拠地との事で、
私の推し仏は大日如来ですけれども、
文殊菩薩も高速増殖炉に名付けられた事が腹立ったくらい、
好きなので嬉しい♪
すでにお布団が敷いてありまして、
コロナ禍対応のため職員は、
極力お部屋に立ち入らないようにするとの事でしたが、
有難い。有難い。
好きなタイミングで茶が淹れられて、
お茶菓子にはもちろん高野山銘菓、
「みろく石」が置いてある。
お部屋にテレビなんかはありませんが、
有難い。有難い。
私は今回音楽プレーヤーに、
インターネットに接続できる電子機器類も、
一切持って来ていない。
二つ折りのガラケーのみだ。
文庫本一冊と、
手のひらサイズのメモ帳にシャーペンさえあれば、
この私が暇を覚える事など無い!
一泊二日の間、
そのメモ帳70ページほどにメモしまくった情報を元に、
この1000〜2000字の記事群、
全23本を今後6月上旬までは書き続ける予定だ!
かつてピカソは言いました。
「美術館を一つくれ。
埋めてやる」と。
しかしながら私も言いましょう。
「それ私も出来ますけど何か?」
しかも絵画ほどにはかさばらず、
画材等の費用も掛からずにだ。
美術館一つを巡った程度の、
脳内スペースは占拠させ切れるぞ。
何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!