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きたれ、バウハウス

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 Pixivで公開してきた小説以外の文章を、
 noteに移して行きます。

(文字数:約1600文字)


  きたれ、バウハウス

  なんて言われて行かないはずがあるものですか。

  アールヌーボーとバウハウス、
  この西欧文化的二大巨頭を、
  こよなくこよなくこよなく愛する、
  私が。

  『開校100年
     きたれ、バウハウス
       -造形教育の基礎-』展

  情報から先に書いておくと
  西宮市会場は2019年12月1日まで。

  2020年9月6日までは、
  高松市、静岡市、東京都を巡回するよ♪
  その間日本のその会場はパラダイスなんだよ♪

  いやマジでたまらんねんて。
  脳細胞にガンガン響くねんて。
  効率を重視して作られた機能的な椅子の横並びに、
  発情並みの法悦を感じて踊り出したくなるねんて。

  おかしいよ。
  ああおかしいよ。
  他にそんな奴なかなかおれへんよ。
  この割れんばかりの拍手に歓声は、
  きっと私の脳内だけで鳴り響いていると思うよ。
  エクセレント!ビューティホー!ブラビアス!
  エレガント、ブリリアント、パーフェクション!
  完璧!

  他人を置き去りにしている自覚はあるので、
  少々気を落ち着けて説明致しますと、

  バウハウスとは1919年から1933年まで、
  ドイツにおいて開校された、
  建築を最終目的とした造形美術学校でございます。

  全ての人に心地良い空間を築くため、
  また原料に労力を最小限に、
  かつ効果を最大限にする事を目指した結果、

  そこで作られた作品は、
  もうこれ以外有り得ないってほどの、
  極限までそぎ落とした配色に手触り、
  全ての部品がカチッと音も心地良く、
  はまり込む完成度になっている。

  効率を重視しながらも、
  無機質かつ冷淡な印象ではない。
  なぜならばそこで行われる基礎教育とは、
  ざっくり言うと、

  「好きにやれ」

  というものだったから。

  何でも良い。
  正解は無い。
  思い込むな。
  遊び尽くせ。

  その果てに見えてくる、
  皆に共通する心地良さ、
  居心地の良さとは何だ?

  美しい。
  もう隅から隅まで空気に理念までが美しいのよ。
  ああまた置き去りにしちゃってる気がするけどね。

  人によっては「何じゃこりゃ」
  と思うその同じ物を見て、
  脳ミソとろけちゃってる奴もいる事を、
  記憶の片隅にでも留めておいてもらえれば、
  幸いでございます。

  図録も買っちゃったし、
  パウル・クレーの教育スケッチブックも買っちゃったわ。
  あ。パウル・クレーはバウハウスの先生だったの。
  どこかで見た事無いかしら。
  くにゃくにゃと針金曲げたみたいな線が続く、
  何が描かれてあるのか良く分からないけど、
  タイトルは『天使』とかの絵。

  あの方が、
  だから先生なわけです。

  生徒達の作品は推して知るべし。

  しかしながらクレーさんもただただ適当に、
  ヘタウマな絵を書いていたわけではないわけです。
  じゃあお前説明してくれやと言われても、
  上手くは説明出来ないけれども、

  あえてやってみる。

  「『動き』まで分析して、
   限り無く少ない線で、
   表そうとしてみた」

  だから、
  これは何がどうしているところですよって、
  言われたら分かるけど、
  言われるまでさっぱり分かんない。

  会場に流れているバレエ作品も、
  興味の無い人には苦行だと思うけれども
  それでも最後に思うはずだ。

  何かを思い出す……、
  そうだ!万博だ!

  偶然か必然か、
  庭には岡本太郎作品が飾られていた。

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