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伝書鳩パーティー独裁【毎週ショートショートnote】

 伝書鳩パーティー(愛好集団)における独裁者が、各々の愛鳩を持ち寄り品評する(ひいては自らの愛鳩こそ至高と言わしめる)目的での、伝書鳩パーティーを催したのだが、当日になっても人の姿は見えず、彼らの愛鳩だけが欠席連絡を届けて来る。
 さすがに優秀な愛鳩たちだけあって、伝書の勤めを果たしたなら即ご主人様の元に飛び帰ってしまう。嫌がらせに捕らえて折檻しようにも、独裁者こそが大の伝書鳩愛好家であるために、人は虐げても鳩を虐げるわけにはいかない。
 動物を好きな人に悪い人はいない、といった決まり文句には残念ながら再考の必要がある。それはさておき。
 クルッポー、クルッポー、という、愛好家にはどハマりする鳴き声と、愛好家にはこの指先にくるまるサイズ感こそがたまらない文書の山に囲まれて、独裁者は泣き出しそうな満面の笑みを浮かべている。
 独裁者の実態などこの程度のものだ。撮影する者があるならば、この表情こそ世に晒してもらいたい。


(408文字)

 寓意を汲み取って頂いても結構。
 イメージソングはフォークソングの『パーティーは終わったよ』。

 見だし画像は「伝書鳩」で検索したはずですが、
 この勢いと充実感に満ちた「虚無」がむしろ面白いなと思って。

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