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なぜ初心者ほど特化メタを使って負けがちなのか(ポケモン伝説環境対応)

先日から複数回、ポケモンに関する記事を書かせていただいています。

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 多くなってきましたのでいくつか削っていますが、もしご興味があれば私の記事履歴をご覧いただけますと幸いです。

 なお、あまり詳しくないのですが、「マガジン」という機能で記事をまとめられるらしかったので、一部まとめてみました。よろしければご利用ください。マガジンへの追加を忘れている場合もありますが・・・。タイトルは変えていませんが一応4月の記事まで対応しています。
 その他初心者の方に役立つかもしれない私の記事(202402)|へる|note
 ポケモン対戦初心者が知っておくべきこと編(202402)|へる|note
 ポケモン対戦初心者がすべきでないこと編(202402)|へる|note

 さて、GWということで、記事を書ける時間を確保できたので、せっかくの伝説環境の頭ということで書いてみたいと思います。

 皆さんは伝説環境いかがお楽しみですか?
 私は、手持ちアカウントをいつもどおりマスボに上げていますが、今月まだ忙しさが残っているのでランクマッチにいつもどおりに取り組むのが難しいのと、どうせすぐにマスボに上げてもほとんどはコライドン等が力業で殴り合っているだけで参考資料にならないのが目に見えていたので、ハイボの方がむしろいろいろな伝説と戦うサンプルデータがとれると判断し、黒キュレム等の「いけるかいけないか微妙」くらいの伝説を使ってあえてハイボ級に数日とどまって対戦していました。
 今はマスボに上がって対戦していますが、まあある程度予想した通り、あまり伝説のばらつきがまだ見られないですね。

 私の場合、剣盾の伝説環境を伝説2体くらいまではやっていたのもあり、ある程度伝説環境の泳ぎ方の基本くらいはわかっているためか、多少変な伝説を使ってもまあまあ勝てていますが。
 これは本題にもかかわってくるのですが、伝説環境に慣れていない方だと「とにかく伝説に強いメタポケモンで受ける」とか「ママンボウのようなギミックパーツの詰め合わせ」みたいなところばかり目が行くのか、見たところ伝説のパワーをたたきつけることしか考えていなさすぎて一般ポケモンをちゃんと戦力にできてない方が多く、ただそれだけで勝ててしまう試合が多い印象があります。

 あらかじめ言っておきますが、別にこの考え方がその一切の間違いであるとは言いません。伝説環境で最大値を出そうとするとき、伝説を強く使うという発想は当たり前のことですし、一般ポケモンが伝説ポケモンを超えるパワーを出せるわけもないし、特にコライドンといった超火力を受けに行くなら一定の専門家を用意しなければできないというのも当たり前のことです。
 ただ、そもそもなのですが。ただでさえSVはルール上受けに行くには向いていないルールであり、さらに環境初期こそみんな力業に頼るにしろ、少しすれば多様化されることを考えれば、それに頼ってしまうのも危険です。

 ということで、今回はこのうち「メタポケモン」についての話をしてみたいと思います。

〇初心者がメタポケモンを使う大きなリスクとは

 以前から記事によく引き合いに出していましたが、私は伝説環境になる前のルールまでに、特に2つの調整のポケモンに感銘を受けました。そのうちの1つが「電気テラスクリアチャーム竜の舞アイススピナーカイリュー」です。
 このカイリューのすごい所は、「でんじは」と「あまえる」と「弱点」という3点を当時はやっていたハバタクカミの主戦力に対してもち、かつランドロスのいかくスタートに対しても明確なプラスを持ち、初手ランドロスとカイリューの対面ができてクリアチャームがバレても、相手はマルチスケイルを削るためにとんぼから入ろうとするところをアイススピナーで撃ち落とすところからスタートできるというところがもはや革命的で、電気技も搭載することでアーマーガアのようなタイプ受けポケモンも突破できるところだと感じました。付加効果として立ち回りでフィールド展開も阻害できます。そしてなにより、命中不安技に頼らない戦法をとれるのが非常に優秀だと感じました。
 勿論環境によってそれが強いかは別の話ですからずっと強いわけではないわけですが、出てきた際の単なるメタのメタにとどまらないパワーは素晴らしいの一言だったと思います。

 さて。どうしてわざわざこの話をしたのか。
 それはこの話こそ初心者のメタポケモンの使い方の問題が現れるからです。
 例えばですが。
 でんじはカミ、あまえるカミは、基本的に「どう使うか」のパターンはあまりになく、かつそのカミである以上、選出した時点で相手に合わせてでんじはやあまえるから入ることがほぼ確定してしまうタイプのハバタクカミです。わざわざでんじはカミを選出してカイリューと対面させたときにムーンフォースから入ることは基本的な動きからはおそらく想定されていません。
 また、例えばHBランドロスへの引きのような動きは、裏に選出した時点で物理ポケモンに受けだしてとんぼから有利対面を作ることが想定されているため、いざ受けだしてみたらいかくも入らず竜の舞をされ、アイススピナーでマルチスケイルも削らないまま落とされてしまう等が発生したわけです。  

 つまり。ある程度動き方が固定化されたメタポケモンを実際に選出し、その選出があらかじめ想定されていた場合、お互いがお互いの「セオリー化された」手順を打ち続けた時点で、勝敗がほぼ決まってしまうんですね。
 だから、勿論その戦い方が強いとか弱いとかそういう話ではなく、そういった明確なメタ行動に頼らなくても可能な限り立ち回りで勝てる方がより安全ということなのです。

 そして、初心者の方ほど立ち回りの引き出しが少ないのでパターン行動に頼りがちで、「メタられ返されているかもしれない」という想定もしづらいので、このパターンに陥りがちなのです。

〇それは初心者に限った話なのか?

 こういうと、「いやそんなの実際に選出してみないとクリアチャームカイリューかなんてわからないだろ」という方がいらっしゃると思います。
 そしてその言葉自体はその通りです。
 ただ、考え方を少し変えるべきです。

 私は先述のカイリューが出てきて以降、自分がそのカイリューを使うかはともかく、「カイリューに受けだすことを想定した」ランドロスを使うことはしていません。実際相応数のクリアチャームカイリューは残っていましたし、いざ使ってみたらクリアチャームカイリューだったらほぼ負けが決まるようなリスク行動を勝ち方のパターンに組み込むのはリスクがありすぎるからです。同じ理由で電磁波カミもあまえるカミもよほどの理由がなければ使うのをさけていました。
 要するに、多少決まった時の有効性は落ちようとも、そういったドツボがない動き方のパターンを自分の引き出しから用意して使っていたわけです。
 そうです。確かに選出されてみないとクリアチャームカイリューかはわかりませんが、だったらそうであっても問題ない勝ち方を用意すればいいということなのです。
 勿論他にどうしようもない場合はそのリスクを受け入れるしかないでしょうが、それこそ伝説環境も進めば(剣盾環境の推移から考えて)おそらくそうなるように、対処法は案外一つに限られないものです。

 例えばなぜか巷で話題になっているバウッツェルを使ってコライドンを受けに行かなくても、ニトロチャージやスケイルショットを撃たれる前にコライドンを上から殴るように立ち回ればいいわけですし、でんじはで麻痺させるなどの方が(こちらの伝説ポケモンによっては)汎用性が今ならまだ高いでしょう。
 まさかコライドン以外に投げる見込みはあまりないでしょうし、コライドンに実際にあたって出さないくらいなら1枠無駄にしているだけになるのですから相手も実際出してこないとは思わないでしょう。
 
 だから、ある程度慣れたプレイヤーがメタポケモンを使う際には、メタられていた場合の次善策があったり、怪しい場合は二の手があったりといった対処ができるのですが、初心者の方がメタポケモンを使うと想定してしまうとそれができにくいため、「限った」とはいえないものの「初心者のほうがより起こりやすい」ことではあるのです。

 今回私も環境初期の調査のため(と今回この記事を書くため)、ソウブレイズのような明確なメタポケモンなどがどの程度実際に立ち回れるかを調べてみましたが、実際問題動作は不安定なものが多いと感じました。
 そのため、そういった後から強引に受けに行くようなタイプではなく、立ち回りでなんとかできるようなタイプのメタ要素にとどめたポケモンを使わないと、勝率が安定しないような気がしています。今日時点なのでまた変わってもおかしくありませんが…。
 あと、余談といえば余談ですが、時々メタモンを相手パーティーに見るようになりましたし、自分も試しに使ってもみましたが、剣盾伝説環境経験があるかどうかがかなりこのメタモンの使い方にも差が出ている気がしています。勿論対戦相手がどういう方かは確証はありませんが、剣盾経験があれば絶対に負け確になるその立ち回りをしないだろうということをしてくる方が多いので・・・。

〇そもそも初心者は「メタり返されている」ことにもきづけないこともある

 先ほどのクリアチャームカイリューは、それをされた瞬間にさすがに明確に「あ、やられた」と思えるのでしょうが、世の中には案外初心者には気づきにくいメタりかえしというのが存在します。

 例えば耐久調整です。耐久調整自体は極端なメタではなく戦術上の話になりますがメタといえば当然メタの話で、特定の想定状況に対して強くするのがこういった調整の意図になります。よって、例えばHPが残り1近くなろうと確定で耐える調整になっていればそれはメタといえるわけです。
 もし黒バドのアストラルビットを残りHPが1くらいで相手が耐えた時、初心者はそれがたまたまなのか確定的なのかといった疑いすらなかなか持てません。仮にその調整がメジャーなものだったとして数回繰り返されたとしても、それがたまたまだと思ってしまってもおかしくないのです。
 これ自体はあくまでメタの範疇の話ですが、こういった調整がメタとして用意されたポケモンに対して成立している場合、メタのメタとして機能するわけです。すると気づかないうちにメタが機能しなくなってしまう。

 これがある程度慣れている方であれば違和感というか「普通起きないこと」として認識できることでも、それができないうちにはこういうことになってしまうのです。

 他にも例を挙げればきりがありませんが、逆に言えば個別に覚えるような話ではない者が多いので、ここでは割愛します。重要なのは、「なにかに1点依存する」ことのリスクと、その現象がメタでは特におきやすいということなのです。

〇具体的にどうやってメタ特化に頼らず戦うのか

 ここで話を終えても「で?どうすればいいの?」という方もいらっしゃると思いますので、ある程度の例を提示しましょう。

 例えば黒バドレックスをはじめとした早い伝説にたいしては、スカーフ運用がされているケースでなければ、自分の側がスカーフを使うことで先に殴ることは可能になります。しかしコライドン等のような特性もちの場合、いかくやプレッシャーといった特性持ちにスカーフをもたせても、特性の発動順番でスカーフをもっていることがバレてしまいます。
 よって、どうしてもそういった特性をもっているものにスカーフをもたせて上から殴りたい場合、とんぼ返りから対面させるなどのサイクル下でしかけに行けば悟らせずに済みますし、そもそもそういった特性をもたないものを使えば悟らせずに有利をとれます。また、逆にあえてそう言った特性をもつものにスカーフを持たせて初手に出すことで相手のミライドンがスカーフかを判別することも可能です。ミライドンが技を打ち分けできるかの情報は重要でしょう。

 つまり、例えばしおふきスカーフカイオーガの対策をしたいと考えたとき、トリトドンのような受けポケで対策するまでもなく、カイオーガより早く弱点を付けるポケモンで一発ダメージを与えてやるだけで事実上対策とできます。ワンパンできないとしても例えばせいでんきサンダーをCSにしてスカーフを持たせ、裏に水を半減にできるものを置くくらいでも十分戦えるということです。また、カイオーガがスカーフをもっているかを判別したいときはあえて最速プレッシャーサンダーを初手対面させることで、相手の特性が先に発動するかで判別することができます。まあさすがにこのパターンだと裏にちょすいもちとかが必要かもしれませんが。

 ここでスカーフサンダーを例にしたのが現実性としてやや中途半端に見えるかもしれませんが、これは剣盾時代に実際に使われていた技術の一つで、少なくともこの対面についてはSVでも使える技術です。
 今の段階でSVの技術の話をするより確たる技術を紹介するほうがよいとおもって書きましたが、少なくともトリトドンのようなメタ専用受けポケのようなものに頼るより、せいでんきスカーフサンダーのほうが汎用性は高いでしょう。あんまり運ゲーに頼るモノではありませんが、最悪せいでんき麻痺役といった用途にも使うことができますしね、サンダー。

 要するに、このように「より他のパーティー相手にも使い道がある」ものに置き換えていき、それで勝てるようになるように努力していけばいいという話なのです。そしてそれは知識をみにつけることにもつながる。先ほどの例だけでも「特性発動順の活用」といった知識を得ることができますよね。

 まあ準伝説を一般ポケモンといっていいのかはなんともですが、少なくとも伝説ポケモンの殴り合いで勝負が決まる段階では勝ちの安定は難しいでしょう。これはよく言われることですが、基本的に伝説1体ルールでは伝説の相性はかなり有利不利を傾けます。伝説どうしの殴り合いで不利をとることが明白な時には、当然他の方法で相手の伝説をどうにかするしかありません。
 SVに関してはテラスタルというシステムがあるのでまずそれで解決できることもあるでしょうが、他の記事のとおりそれに頼るのも微妙なため、基本的には一般ポケモンで伝説ポケモンを片付ける必要があります。
 なるべく広い範囲に使えるよう心掛ける必要が、それだけでもあるとわかりますね。

〇学習のためにもイージーウィンを狙うのは避けるべき

 これは本題とそれるようで一応関係がある重要な話なのですが。

 どうしてメタポケモンに頼るのか、にはいくつか理由があると思いますが、主だったものは「そうしないと今目の前に勝てる方法がないから」ということに集約されてくると思います。
 勿論人間一方的に負け続けるとしたら嫌になる人が多いでしょうから気持ちは痛いほどわかるのですが、先述までの負け方を初心者のうちに繰り返してしまうと、続けられたとしても、実は全然上手くならない危険があります。イージーウィンを狙うことしか考えられず、それの成否だけで結果が決まるだけの試合を繰り返してしまう危険があるんです。
 
 なぜなら、初心者ほどメタポケモンに頼ったうえで負けた際にこう思いがちだからです。
 「相手が対策していたから負けた。運が悪かった。」
 「対策してない相手に勝てるならそれでいい。連続して対策してない相手にあたるといいな」

 もしかしたら立ち回りもろもろだけでもなんとかできたかもしれないものを、なまじっか事実として対策していない相手にはそれで勝ててしまいがちだったり、初心者ほど対策していない方が多いために、結局同じパターンを繰り返してしまい、「負けない方法もちゃんとあった」ことを学べなくなってしまいがちなのです。

 なので、気持ちが許す限りはこう思うべきです。
 「今はまだ多少負けるのは仕方ないんだから、色々やってみよう」と。 
 例えば有名どころのポケモン相手でも自分が思ってもみない負け方をしたら控えておくとかをして引き出しを広げておくだけでも絶対に学習にはいいですよ。

 大丈夫です、もしげんなりしてきたら、コライドンを使って超火力を叩き込む作業をしていれば、半分かそれよりちょっと少ないくらいは勝てますし、マスボに上がることはできるでしょう。
 ただ、個人的には特にSVではマスボ級に求められる水準に微妙さを感じています。そもそもレンタルパーティーシステムなどで準備のハードルが下がり、受けが勝ちにくいために超火力の力業の押し切りを繰り返していればマッチング次第では連勝も難しくないため、いろいろな技術を身に着ける前にマスボ級に上がれてしまうことが不可能ではありませんし、伝説環境なら猶更でしょう。
 なので、あくまで私の見解にすぎませんが、特に伝説環境では目標地点をマスボに置くのはやめたほうがいいのではないかと思います。おそらくその目標地点は、現実的には今までほど価値あるハードルではなくなってしまっていると思いますので・・・。

〇まとめ

 ということでまとめてみたいと思います。
・初心者が特化メタを使ってしまうと引き出しが少ないために動きが固定化されてしまう。
・ある程度慣れてくれば、特化メタを使わなくても十分たたかえることも多い
・ある程度の応用範囲があるパーティー構成を組むのが重要なのは変わらない
・特化メタが刺さるか刺さらないかだけを繰り返しても勉強にならない。ある程度今勝てなくても仕方がないと思うべき

 いかがでしたでしょうか。
 まあもう少し様子を見てみないとわからないわけですが、スペックの低い特化メタみたいなポケモンを使っている方をたびたび見かけ、そもそもそれだけでパーティーのパワーが落ちているのが明らかだったりしたので、今回こういった記事を書きました。
 まあ現実的に、コライドンを使っている時にソウブレイズを出されるパーティーにあたっても普通に勝ててしまいましたし、使い方にもよるでしょうが、正直何とでもなるものなのです。

 伝説環境が初めての方、復帰された方などもいらっしゃると思います。
 少しでも皆様のお役に立てば幸いです。


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