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ポケモン対戦の「選出読み」はどうやってできるようになり、そもそもなぜできる必要があるのか

先日から複数回、ポケモンに関する記事を書かせていただいています。
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なぜポケモンランクマッチで「地雷」調整を使い続ける初心者が勝てるようになりにくいのか|へる (note.com)
どうして初心者は対戦相手に自分の構築がバレていることに気づけないのか|へる (note.com)
「初心者が勉強をしつつ簡単にマスターボール級になれるパーティー」を考えることで初心者が「学ぶべきこと」を知ろう!|へる (note.com)

 なお、あまり詳しくないのですが、「マガジン」という機能で記事をまとめられるらしかったので、一部まとめてみました。よろしければご利用ください。マガジンへの追加を忘れている場合もありますが・・・。
 その他初心者の方に役立つかもしれない私の記事(202402)|へる|note
 ポケモン対戦初心者が知っておくべきこと編(202402)|へる|note
 ポケモン対戦初心者がすべきでないこと編(202402)|へる|note

 今回は「選出読み」について触れてみたいと思います。
 
 さて、皆さんは「選出読み」をしようとしていますか?
 おや?変な質問だと思いますか?できますか、ではなくしようとしているのか、というのは。
 でも、この質問は案外重要な違いを含んだ質問なんです。

 まず、身もふたもないことを言えば、読みは読みであって絶対に当たるものではありません。また、色々頑張ってやろうとしてもすぐに上達するとはいいがたいものでもあり、色々な知識が身について初めて精度が上昇するものとも言えます。
 また、初心者の方は最初は自分の構築でやりたいことにしか目がいかないことも多く、相手が何を出してくるかをしっかり考えようとしないで自分が出したいものを出してしまうことも多い。
 だから、ある程度プレーを重ねていっても、「しようとしない限り上手くなっていかない」ものであり、相応に時間を重ねたプレイヤーでもできない人がいるのが実情です。
 だからお尋ねしましょう。しようとしていますか?と。

 しようとしている方。慌てないでぜひ続けてください。必ず力になります。仮に選出がしっかり読めるようになっていく実感が得られなくても、選出うんぬん以外のプレイングのレベルに間違いなく影響し、上達していくことは間違いありません。

 ということで、今回は、選出読みをしていくうえでどういったことが必要なのか、そしてそもそもなぜ選出読みが重要なのかを書いていきたいと思います。

〇そもそも選出読みの「原則」を難しく考えすぎる必要はない

 まず最初に、すごくわかりやすいたとえをします。本当に始めたてのかたでもなんとなく想像がつくようなたとえをして趣旨を理解するためです。

 もしあなたがハピナスというポケモンの使い方を全く知らないようなら、ハピナスの種族値や調整論みたいなのをネットで開いてみてください。簡単に言うと、ハピナスを特殊ポケモンが突破するのはかなり限定的な手段を使わないと無理な種族値をしています。

 もしあなたのパーティーにハピナスがいて、相手のパーティーに物理ポケモンがウーラオスだけだったとしましょう。
 おそらく1体ほぼ間違いなくといってもいいくらい選出されるだろうものが1体いることがわかりますか?

 あなたのパーディーにはハピナスがいる。
 相手のパーティーに物理殴りは1体だけ。

 そう、ウーラオスです。

 勿論、わるだくみや膜想、を滅茶苦茶積んで突破してこようとするのが1体いてもおかしくはありませんが、ハピナス側もめいそうを積む可能性があることを考えると、仮にわるだくみを積む相手がまざっていたとしても出さないということはないでしょう。

 だから例えば、相手の初手と2体目が見えた時、そこがウーラオスではないならほぼ3体目はウーラオスと私なら考えます。
 特に、初手と2体目がどう考えても積lむタイプの調整個体出なかった場合はほぼ間違いないと確信します。
 というより、出さない人がいたとしたらどうしてなのかに非常に興味があるレベルです。
 ということは。相手の1体目がウーラオスでなかったら、おそらくもう2体のうち片方はウーラオスであり、こちらは後ろにウーラオスがいることを前提として戦っていけるということです。
 
 さらに、そもそもをいえば、相手がウーラオスを出さないとつらいというなら、相手はそのウーラオスがどうにもできない相手に対して強いものを出さないと、そいつがどうにもできずに負けてしまいかねないわけです。
 ということは、自分のパーティーでウーラオスに見た目からして強いものがいたら、そのポケモンが戦いたくない相手のポケモンが一緒に出てきていると思いませんか?
 というように、1体のあたりがつくと2体目のあたりがつき、その2体がつらい状況を想定した3体目を出してくるといったあたりがつく・・・といったように、芋づる式に予想がつくわけです。勿論、絶対当たるわけではないですけどね。
 
 さて、皆さんは、「相手が何を出してくるかの予想が全然つかない場合」と「だいたい予想がつく場合」で、いかに後者の方が自分が有利になるかはわかりますか?
 そこが理解できるようになると、いかにこの選出読みが大事なのか、そして他の要素にも影響してくるのかがわかってくると思います。
 
 でも、その前にあえてこれは言っておきましょう。
 選出読みというのは、つまるところ、やっていることは大抵これとそう変わらない流れだということです。単純に難易度は違えど、選出読みというもの自体はここから極端に変わるモノではありません。

〇選出読みに必要なステっプには、おおざっぱに言って4ステップが存在する

 自分のパーティーに対して、相手は何を出さないと対戦上問題が出てきてしまうのかを考え、「じゃあそれは出されているはずだよね」と考える。
これが選出読みの基本です。
 ただ、その選出読みの精度等.は、当然プレイヤーの知識量等で変わってきます。ここでは、説明のために4ステップに分けて考えてみましょう。

 まず第1ステップ。
 いわゆる対戦するうえでの「本当に汎用的に普通のこと」から選出を読めるかどうかの段階です。
 先の例のように「全員物理とか特殊では出さないだろJとか、あるいは「全員地面が弱点、では出さないだろJとか。あるいは「自分のパーティーにキノコのほうしもちがいるんだから草タイプとかサーフゴーが1体は来るだろJというものです。 
 例えばこちらにランドロスがいて、相手の1体目と2体日が地面弱点だったら、普通に考えて相手の3体目は浮いている、あるいはせめて半減になっていないとつらすぎるはずですから、浮いているのがカイリューだけだったら3体目はまあカイリューでしょう。
 もし3体ともわかっていて全部地面弱点だったら、よほど相手が弱いのか、あるいはどれかが草テラス等で地面弱点ではないとか、実はびっくりスカーフといった謎の攻略法を用意しているか、そういったはずです。まあびっくりシリーズだったら諦めて次に行きましょう。初心者の方という前提でいえば、大抵の場合は対戦相手のびっくり系は真面目に考えるだけ無駄なことがほとんどです。

 次に第2ステップ。
 固定の戦術や固定のパーティー構成に基づいて選出が読めるかどうかの段階です。
 例えば晴パで初手にコータスが出てきたとき、「なら裏に晴れエースがいるよな」とか、1手目にたすきパオジアンが来て2手目にエナジーハパタクカミがきたら後ろにイダイトウがいるよな、とか。初手に壁張りオーロンゲが来たなら後ろに積みエースがいるよな、といったものです。
 相手のパーティーがどういうジャンルに属じていて、だからこう動くだろうというのがはっきりしているときに、それをちゃんと把握して読めるかという話です。

 ここまでは、今自分ができるかに限らず、イメージはしやすいと思います。
現実的には、例えばスーパーボール級より下とかになってくると、「全員物理では出さないだろ」もできていない始めたての方がいらっしゃったりして、滅茶苦茶な選出がされてくることがありますが(もしお心アタリがある方は、対戦の基本的な部分をまず勉強してから対戦に入る方がよいと思います)。
 ある程度慣れてきたら、「役割集中」という考え方に基づき、あえて3体物理を選出したりする出し方をする場合もあり、そこが初心者の方が勘違いしやすい場面なのですが、それはこの後のステップの話なので、一度切り離して考えるようにしたほうがわかりやすいと思います。

 では。
 3ステップ目はなんでしょうか。
 実はここもあくまで知識の段階のステップの段階なことは変わりません。
 いわゆる環境のトレンドを理解して身に着けているか、というステップといえます。
 対面構築だろうとサイクル構築だろうとなんだろうが、色々記事にしているように、その時の流行というのものは存在します。
 例えば今の時期なら初手にテツノカイナが来たらたいていHBオボンテツノカイナで、なら裏にHDランドロスがいるよな、みたいなものです。いわゆるトレンド構成とそれに基づく選出がわかるので、今の対面から後ろがわかるよなという段階だと思ってください。
 これが2ステップ目と明確に違うのは、パーティーの見た目で判断するのが難しいものが多いということです。明確な固定役割を持っているわかりやすいパーツがあるものばかりではないので、ちゃんと順当に今の流行りのパターン等を認識していないと、予想ができない場合が多いです。
 いわゆる、ある程度基礎技能があったり基礎知識がある方でも、客観的に「それじゃあ勝てないよね」という選出や動きをしてしまいがちな理由はたいていこれです。こればかりは「今の旬の情報」を知らない限り相手の選出は正しく予想しにくいですから。

 そう。
 繰り返しますが、ここまでは、あくまで知識の段階の話しか実はしていません。一定の知識を身に着けることで、相手が何を出してくるのかのアタリはつくぜ!ということを3ステップにわけ話しているだけです。
 この段階のどこかで手詰まりになる方は、まずこういった知識を仕入れないと選出読みができるようになりません。逆に言えば知識をちゃんと仕入れるだけで、ここまではだれにでもできるようになります。
 もう一度言います。ここまでは誰にでもできるようになります。
 絶対当たるという意味ではありませんよ。選出読みをして脱初心者までいきつけるような一定の精度までは上がる、という意味です。
 だからまずはここのステップを通過できるようになるように頑張りましょう。

 では、4ステップ目の説明をする前に、自分がここまでのどのステップで蹟いているのかをどうやって判断すればよいか考えてみましょう。

〇一番わかりやすいのは「実際に対戦してみるときに起きること」

 もしあなたがランクマッチで対戦しているとき、「自分のパーティーは変えてるのに、やたらおんなじ出され方をされてるなあ」と感じたら、まずは以下のことを疑ってみましょう。

 まず、先月の上位パーティーの構築を、色々なまとめサイト等があるので活用してみてみましょう。ーもしその中に、自分が何回か当たったかも?みたいなものがあったら、ステップ3が疑わしいと思います。
 あなたが知らないだけで、いわゆる環境のテンプレの一つになっているようなものなら、そりゃあ同じような選出のされ方をすることが多いでしょう。初心者の方どうしの対戦なら猶更です。
 
 そこにはないんだけど、というときには、ポケモンの個体自体は一度おいておいて、どういうことをされたかを思い出してみましょう。
 例えばオーロンゲかアローラキュウコンかといった違いがあれど、「壁張ってそのあと積まれた」ところが同じだったり、2種類の個体をぐるぐるされでダメージが全然通らなかったとか、そういった共通点がある出され方をしていたけど自分がそれを予想できなかった場合、ステップ2が疑わしいと思います。いわゆるパーティーの固定ではなく、されたことの固定、というべきでしょうか。
 いわゆるパーティーの種類、その種類別のテンプレ構成、そのテンプレの動かし方、そういった部分がわかっていないために選出が予想できなかった可能性が高い。

 じゃあステップ1は?
 雑な言い方で大変恐縮ですが、次から説明するステップ4の水準の話になっていない、ステップ2や3以外の全てがステップ1だと思ってください。
 それだけ身につけなければいけない知識は多く、一概にまとめるのは困難な話になってくるんですね。

 だから、そう、だから。ここが非常に重要なんですが。
 ステップ1から3のこの段階の話は、「覚え方の難易度順」という話ではなく、あくまでステップ順なのです。1のほうがより「対戦の基礎」であり、3のほうがより応用に近いというだけで、1のほうが3よりも楽とか簡単とかいう話ではないんですね。3を覚えるのはひたすら構築記事を読めば身につくかもしれませんが、そこでは1とか2が身につくとは限らず、覚える量は多分1の方が多いのです。
 だからむしろ本当にOから始めるなら、大変なのは1を学ぶ段階だと思います。でも、1や2を正しく理解していないと、いざ3のステップについて勉強しようとしても、正しい学習を行うことは絶対にできません。
 だって考えてみてください。1のステップのどくどくを撃たれるだけで詰まない動きやTODとはなんかといった知識と、サイクルパとは?という2のステップの分野の理解が全然ないのに、3のステップで流行を丸暗記しただけでは、どうして相手がそう投げてくるかがわからないので、ママンボウパーティーでグライオンが出てくるかとかを推測するのはできないですよね。
 だからステップを付ける順番としてはこの順番になるんですね。

〇選出読みとは、つまるところ対戦前に対戦内容のシュミレートを行うことである

 ではいよいよステップ4の話です。

 選出読みのステップ4とは。
 簡単に言うと。
 「対戦のシュミレートができているか」というステップです。
 そうです。ここからは知識のフェイズではありません。それを組み合わエて問題を解く技術のフェイズの話になります。
 そして、このステップ4こそが、選出読みのある意味本質といえる部分になります。要するに、選出読みをする技術というのは、知識を元に対戦の前に対戦のシュミレートを行うということなのです。

 具体的に言いましょう。
 例えば自分の初手にハパタクカミを投げました。相手は初手に水ウーラオスが出てきました。これからなにをどうやって選出を読めばいいでしょうか。
 まず、見せ合いの場面ごでハパタクカミの持ち物が特定しづらいパーティーだったことを前提とします。そうでないとステップ3までの話が混さやってきてしまいますからね。
 見せ合いの時点で自分にハバタクカミがいることはわかっているはずですから、相手はこちらがハバタクカミを初手に投げでもなんとかなると踏んで初手に水ウーラオスを出してきているはずです。それも、エナジーたやすきや眼鏡かもしれないハパタクカミに対して投げてきているわけですよね。

 するといくつかの仮説が成り立ちます。
 本当に色々ありますが、例えば。
 ①水ウーラオスがたすきもちだったりして、ポピュラーなハパタクカミと対面しでもなんとかできると踏んだ
→対面選出よりな選出をしていることが多そうなので、裏も対面的に補完する選出がされているかもしれない、といった選出読みができる。
 ② ポピュラーなハパタクカミだったら受け出せるような存在が裏に選出されている
 →ジパコイルが相手にいたら、チョッ,キで裏にしiるのかな、とか。
どの例に当たりそうかはパーティーの見せ合いから推測していくしかないのですが、絶対に共通しているのは、この先の対戦の見通しをしたとき、相手が勝つにはこういうのが裏にいないとダメだよね、といったシュミレートをすることで、選出予測を立てるということです。

 例えばこういうプレイヤーにあたることがあります。
 おそらくどう考えても他にスカーフを持っていそうにない&キノガッサ等たすきは別にもっていそうなのがいる、つまりスカーフウーラオスが怪しまれるが、こちらがどう考えてもエナジーカミを初手に投げても裏目らないパーティーなのに初手に出てきて、無理やり初手水テラスで耐えて水流連打を撃つてなんとかしようとするとか。
 こういうプレイヤーはたいてい、こういった「シュミレート」がちゃんとできず、相手の選出の予想もそれに基づく自分の選出もできていないからこうなってくるのです。
 2月に入ってからは眼鏡カミやたすきカミといった、スカーフでもエナジーでもない存在がちらほらいるのもあって、ウーラオスが止から水流連打をうつのが安定と思い込んでいるフシがあるのか結構こういう方がいたのですが、当然私は初手にスカーフウーラオスに無理やり突っ込まれたらその時点でほぼ有利になるような動きもシュミレートをしたうえで対応できるような選出をしているので、こうなると大抵私に勝ちが転がってきました。
 でも、もしそういったことのシュミレートをしていない相手だったら、確かにそれで無理やり押し切って勝てることもあるのだと思います。

 こういう話、前にも記事にしたのですが、お読みいただいた方はいらっしゃいますでしょうか。
 初手テラスで不利対面を無理やり突破して数的有利をとったはいいものの、そこから普通に返されて負けるみたいな負け方をしたことはありませんか?こういったことがおきるのは、結局無理やりテラスを切った時点で仕掛けた側はたいていシュミレートから外れた力任せなのに対し、まくったがわはちゃんとその可能性までシュミレートしていたから予定通りを積み重ねてまくるといったことが多いと思います。
 対戦の流れをシュミレートするというのは、相手の選出を読んでいこうとするからこそできることですよね。

 このステップはとにかくハ一ドルが高いとみんなが思い、かつ実際にステップ3までよりかは明らかに高いところです。
 しかも言っては何ですが「特定のなにかを身に着けるだけで絶対に正解にたどり着ける」わけでもありません。なぜならここは数学でいえば1から3といった「公式や解法の暗記」のステップではなく、「暗記した内容等を使って問題を解く」ステップだからです。
 しかしここで重要なのは、このステップ4が上手い下手を問わずまずはやれるようにならないと、選出読みは勿論プレイングがランクマッチを十分に戦える精度までは絶対に上がらないということです。

 なぜなら。

 まず選出読みという話でいえば、ステップ3までは知識のフェイズ、つまり「既存のなにかを知っているか」であり、「目の前のものが既存と一致していないとき」のためのステップではないからです。
そしてみんながみんな既存の何かを使っているわけではないですよね。
というより、まあ、フィーリング的な納得を得やすいだろう言い方をすれば、応用問題を解くことが求められない水準で完結する、ちゃんとした競技競争なんてないですよね。
 「勝負は選出画面から始まっている」とはよく聞く言葉だと思いますが、それもこの話を聞くと納得できると思いませんか?
 選出画面時点で、対戦の流れを何パターンシュミレートして考えておけるかというのが技術である以上、そもそもそこから技術の比べあいは始まっているんです。
 勿論最終的にはかみ合いになってしまう部分も出てくるものの、その失敗率を下げられる、ここの技術が勝率に影響するのが理解できるというものですよね。

 そして。
 ここまでの話で薄々さっすることができるかもしれませんが、このようなシュミレートの精度を上げていくということは、まるっといえばそれはプレイングが向上していくという話なのです。
 つまり、プレイングレベルが上がるにつれ、要するに上手いプレイヤーになるにつれ選出読みの精度があがるのがなぜかといえば、このステップ4はステップ3までの知識を元に実際にどうプレイするかをシュミレートする、そのシュミレートはあなたがあるいは相手がどう動くのが最適かといったことを考えられる実力があるほど精度があがるから、ということです。
 そうなんです。選出読みの精度を上げていくということは、結局のところ「プレイングレベルの向上」に直接結びついてくるのです。
 だから選出読みの精度を上げていこうという努力をちゃんとしていくことは、選出読み自体の範囲にとどまらず、実力そのものに直接影響してくるのです。

〇事実として、変な上振れを期待した願望的立ち回りより、ある程度明確な選出読みから勝てる立ち回りをする方が安定する

 ちょっと本筋からそれるかもしれませんが・・・。

 こういった選出読み、要するに対戦のシュミレートは、いかに自分が安定して勝っていけるかに直接的に影響していきますし、乱数の影響がいかに安定したシュミレートにとって「邪魔」かを理解していくことになります。
 例えば同速勝負を繰り返すのがいかに勝ち筋が歪むか、という話も、50%では安定した勝利をシュミレートできないから、というのもやっているうちにわかってくるものです。

 いわゆるワンチャンを引くのも勝ち方の一つとしてあるのは間違いありませんが、ワンチャンもなにも安定して勝てる筋がシュミレートできていて、それに基づいて選出読みもできて、といったほうが、全体としては明らかに勝率に結び付きます。
 上位の方の言うワンチャンとは、本来的に高い順位になれるだけの実力が自分にも周りにも似ただけある中、その上振れ分で成果を出しうるかという次元の話であって、自らの実力からかけ離れた成果を出せるという意味ではまあないと思います。

 事実として、例えば私がランクマッチをやっていくなかで、いわゆる新規パーティー実験や苦手パーティーの練習を兼ねて対戦していく際、どうしても負けがこみすぎたときには1600台とかにレートが落ちてしまうこともでてきますが、その際にいつものレートに戻すパーティーとして私が使うのは、なるたけ乱数の影響が起きにくく、選出や立ち回りで「普通に勝つ」パーティーです。正直な話、これが一番簡単に元に戻ります。確かに上振れは少ないのかもしれませんが、下振れも起こりにくいですしね。
 言ってみれば変に上振れを狙わなければ実力相応のレート帯になるだけとも言えますが、それだけシュミレートの技術や選出読みといった技術の差がランク帯によって差がついているのだろうとも言えます。きっと私と私の上のレートの方との間でもかなり差がついているのでしょう・・・。

 なので、「どうせ予想しても絶対当たるとは限らないから」とか思わず、「当たる精度が高くなるにつれ成果もよくなってくるものだぞ」と思って取り組んでいただく方がよいかと思います。

〇まとめ

 長くなってきたので、今回は一度これでまとめましょう。

・選出読みは「やろうとしないとちゃんとみについていかない」タイプの話で、努力する人は着実にプレイングも上手くなっていく。
・選出読みに必要なステップは4ステップで、知識を身に着けるステップを踏んだのちに、具体的に問題を解く技術を身に着けるステップがあり、そこがシュミレートである。
・一定の知識がないとシュミレートは成立せず、結果として選出読みの精度は上がらないが、知識からのヤマカンを繰り返すのみでは選出読みの精度は上がらない

 いかがでしたでしょうか。
 この分野は、絶対の才能を否定するわけではないものの、いわゆる「経験」が多分に影響する部分、蓄積の世界であることは間違いないと思います。
 というのも、いわゆる上位の方の構築ですが、たいていの場合「どういう風に立ち回るかの基本の動き」がはっきりしていることが多いように見受けられます。勿論パーティー構築の前提がそれであるとしても、「どうやって勝つか」がより明確でより発生しやすいものが勝率を高めて成果を出すのは間違いありません。
 そう、パーティーを作る段階でも動きの想定、要するにシュミレートはされているんですね。こういう流れで勝ちたいからこういうパーティーを組む。つまり自分がこうすれば今の環境だと相手がこういう動きをしてくることが多いとか、その場合の勝ち筋をどう用意するかとか、そういったことをちゃんと考えてられている、ということでもあります。

 そして、実際に読んでみればわかりますが、それらの想定はほとんどが机上論での話ではなく、実際に対戦する中でこうされることが多いので、といった経験に基づく部分を組み込んでいることが多いです。
 つまり、事実として、ちゃんと経験を蓄積をして技術とし、対戦のシュミレートの精度を上げ、当然選出読みも一定の度でできるようになっているプレイヤーほど、強いパーティーを作れるし、それに基づいた成果も出しやすいということでもあります。
 だから、ちゃんとステップ3までを身に着けていく努力を続けながら相応の対戦回数を積むことが、ステップ4の上達法なのかな、抜け道的な技をどうこうといったものじゃないのかな、と思います。

 選出読みという視点でも色々大切なことがわかると思いますので、参考になれば幸いです。

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