実家暮らし24年生、プレ一人暮らしをしてみた話

長かった学生生活の最終盤にあたる2024年3月の2週間、”慣らし”一人暮らしをすることになった。

私には8つ歳が離れた妹がいる。(ついでに、3つ違いの弟もいる。)
その妹が、今まさに中二病のさなかにあり、半年ほど前からは様子がかなりおかしい状態が続いていた。
具体的に言ってしまえば、私と母しかいない実家なのに、とにかく共同生活ができない。
自分の部屋は荒れ放題で、まず家に自分の場所がない。だから一生リビングにいる。帰って来たかと思えば一言も発さず、スマホスマホスマホ。
そうでなければトイレにこもる。
トイレットペーパーはロールが切れても絶対に、天と地が覆ってもぜったいに、新しいロールに交換することはしない。
深夜までスマホをいじりつづけ、ようやく入った風呂では気絶するように寝る。
朝は登校時間ギリギリに登校するまで寝るくせに、洗面所から30分は離れないで一生ヘアセットする。それで、何か不満があるとキレ散らかす。
物を貸してもぜったいに返ってこない。それどころか、紛失されたり壊されたりすることもある。

私は、いつからか、その妹と生活リズムが合わないように自分の生活を組み立てていた。そんなことを続けていると、小さなストレスが積み重なり、ある日、堪忍袋の緒がプツンと切れた。

その日、私はすごく疲れて深夜に帰った。いますぐにでも風呂に入って寝たい!なんてったって今日は新幹線に5時間ぐらい閉じ込められていたんだ!そういう日。
妹は私を見て慌てて風呂に入った。もうすぐ日付が変わろうとしていた。
ここから、次に私が入浴できるまで、少なく見積もっても1時間はかかる。
いつもなら、私はギトギトの身体と髪のままでも、おとなしく寝ただろう。足先が冷え性のせいで氷のようで、そのせいで眠れなかったとしても、無理にでも寝て疲れをとろうとしただろう。でも、その日に限ってそれはできなかった。

私は爆発した。
妹も爆発した。

翌日、私はウィークリーマンションが格安で貸しに出されていることを知り、即契約した。その次の日の昼には、もう新居で暮らし始めた。友達が学生最後の思い出にこぞって海外旅行に繰り出す中、馬鹿みたいに一人で身を粉にして働いたバイト代の大半が消えた。(あとで母が払ってくれたが)
正直、むなしかった。ただでさえ、大学で人間関係をこじらせ、海外旅行に一緒に行けるような人が自分にはいないということに落ち込んでいたのに、しんどいだけのバイトばかりで時間を使い、手に入った少ないお金さえもこんなふうに必要のないものに消えていく。
契約をした日は、かなり泣いた。

そんなこんなで始まった避難生活プレ一人暮らし。
結論、すごくいい経験になった。(どないやねん)

まず、私は結構ごはんで自分の機嫌をとれるタイプだと知った。
自炊経験ゼロかつ、滞在期間が短いこともあって鍋とフライパン以外の調理器具がない状態だったので、作れるものはかなり限られた。
それでも、スーパーを何周もしてどうにか自分でやりくりしておいしいご飯を食べることが、心底楽しかった。
(安いからという理由で適当に買ったコーヒーがおいしくないせいで毎朝テンションがさがるのも、私が食べ物で機嫌をとることの証左)

そして、私はおそらく、家で楽しく過ごすことに同世代の中でトップクラスに向いている。
見たかったドラマの配信を見て、溜めに溜めていた入社前課題をこなし、おやつを食べて、ハロプロのMVを無限ループし、洗濯し、掃除機をかけ、ゴミをまとめ、洗い物をし、洗濯ものを畳み、買い出しに行き…
寝る前は体幹トレーニングをして、普段見ないニュース番組を見てみたり、早めに寝たり…なんて健康的で楽しい一日!
実家暮らしのときは母がしてくれていた家事というやることが増えた分、実家にいたときよりもむしろ一日が充実しているように感じる。

まあ、本当のことを言うと、私が滞在したのは実家から一駅しか離れていない場所で、時折母が買い出しを手伝ってくれたり、妹のいない時間に実家で晩御飯を食べさせてもらったり、かなり都合のいい一人暮らし生活をしていたのですが。

とにかく、4月から始まる一人暮らしの予行演習ができて、大満足。
自分に少し自信がついた2週間だったかな。

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