ぼく。

生きている

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最近の記事

知らぬが仏のムチムチトマトの話。

 世の中には知らない方が良いことの方が多いのだろうな、と漠然と思った。  朝起きた時の口内のバイ菌、愛用のスマホについた汚れ、給料から引かれる税金、職場や学校の友人知人のSNS裏垢エトセトラエトセトラ。  とかくこの世は「知らぬが仏」の世界だ。 「無知は無恥だな」とある日、唐突に思いついたことがある。学校に向かう途中、制服が風に煽られて煩わしさを覚えながらも、自転車を漕いでいたらそれは頭に湧き上がった。「無知とは:何も知らないこと」「無恥とは:恥じる気持ちがないこと」だと自

    • どうか、喝采を。

       褒めて〜!もうね!本当にね!大変だったの!色々!  そんな人生だった。自分の他のnoteを読んだことがある方ならばふんわりと分かるかもしれないが、それはもう、大変な人生だった。フィクション作品でももう少し手加減するだろと言いたくなるような人生で、傷つき、傷が治る前にまた傷つけられ、それでも優しい人達から貰った絆創膏やガーゼでなんとか見た目を取り繕って生きてきた。ずっと、そうやって生きてきた。  来月で自分が実家を飛び出して一年になる。  この一年、内省の時間が増えた。理

      • ヒーローなんていないから、思う存分やっちゃって。

         不意に、どうしようもなく泣きたくなる。  先日、「よっしゃ、水族館へ行こう!」と思い立ち電車に数時間揺られ目的地へ向かった。海に面しているそこは幼い頃から幾度となく訪れていたのでマップを見ることもなくふらふら、ぷらぷら、ぶらぶらと「秋ってなんだ!?」と愚痴をこぼしてしまう程の日差しの中、水族館を目指した。  泣きそうだった。太陽の光を反射してキラキラと魚の鱗みたいに光る水平線を見て、目頭が熱くなった。来るたびに見ているのだから、もう見慣れたはずのその景色にどうしようもなく泣

        • AdoさんファンがONE PIECE FILM REDを見に行った話。

          ※このnoteにはONE PIECE FILM REDのネタバレ、および筆者の自分語りが多大に含まれております。また、内容に偏りがあります。  ──すっごく、良かった。  二時間以上にも及ぶ映画に痛むケツを差し置いて、自分はそんな感情で胸がいっぱいになった。  ONE PIECE──言わずと知れた全世界で大人気の作品。自分が学生の頃から、否、もっと以前から日曜日の昼前にテレビをつければお決まりの文言から始まる、手に汗握り、時に笑い、時に泣ける冒険譚。個性的なキャラクター、

        知らぬが仏のムチムチトマトの話。

          117円で家を飛び出した話

           最初に。  このnoteは「でもこのアプリを使って今は月収30万円稼いでます!」だとか「でもこの壺を買ったら幸運が舞い込んできました!」だとかそう言った話ではない。「でも世界はこんなに優しかった」話だ。それくらい、自分の現状が恵まれたものになっているのだ。  要するに。つまりは、まあ自慢話である。 「よし、家を出よう」  2021年。少し肌寒くなってきた頃、そう思った。正確には「こんな家飛び出してやる!」となった。  以前の記事にも書いた通り自分は田舎に住んでいる。そこそ

          117円で家を飛び出した話

          オリンピックがわからない。

           オリンピックがわからない。  なんとなくはわかる。たぶん、世界平和を謳うものだ。この時はみんな戦争をせずに平和に競い合いましょう、みたいなやつだ。平和の祭典という言葉を聞いたことがあるので、それもたぶんオリンピックにまつわるものなのだろう。平和、割と好きな言葉です。  自分は、都会からは遠い土地に生まれた。いわゆる田舎だ。そんなところで二十過ぎまでぐうたら過ごして、こうしてスマホをぽちぽちいじって寝て仕事して生きている。  色々あって家は貧困一歩手前なのだが、それを理由

          オリンピックがわからない。