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デザイナーの成長を支えるしくみができました

こんにちは、クックパッドデザイン戦略部部長の倉光(@transitkix)です。

デザイン戦略部は2019年に設立した組織で、現在はメンバーも続々と増加中。

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初期メンバー's

昨年もデザイナー陣は各サービス最前線でさまざまな制作を行っていました(詳しくはマガジンにて!)。わたしは?と言うとUIデザインから少し離れてデザイナーの採用 /育成領域に注力していました。

今回はそこで生まれたデザイナー成長を支えるしくみを紹介します。

🚨当時抱えていた課題感

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組織設立前後、デザイナー向けのしくみの見直しをしている段階で
わたしたちは以下のような課題を抱えていました。

形骸化したデザイナー1on1…

クックパッドではデザイナーは各事業部に所属しつつ、横串で連携しています。日々のデザインの悩みなどを相談できる場として、以前から横串のデザイナー1on1制度はやっていました。しかしながら1on1の開催目的も曖昧で、出てきた課題を解消するフローもなかったため、今考えるとあまり効果のない仕組みでした。

デザイナーで定期的に集まっていても、実は誰が何のデザインが得意かわからない…

社内には隔週でデザイナー全員が集まるデザイン会があります。が、そこは知見共有を主とした場なので、最近入社したデザイナーに話を聞くと「隣の部署のデザイナーのことを、実は顔くらいしか知らない」「インタビュー設計について相談したいけど、だれがユーザー調査が得意なのかわからない」といった声も挙がっていました。

マネージャーは、事業部所属メンバーの日々の成長を追いきれない…

デザイナー評価には、部室長と合わせてデザイナーのマネージャーが関わっています。ただし人数が増えるにつれ、日常的に全員の成長をマネージャー自身が把握するのが難しくなって来ました。

ちなみにエンジニア組織には、エンジニア評価のズレと育成課題を解消すべく「テックリード」という制度があります。


これも一つの解決策ではありますが「エンジニアは複数在籍しているものの、デザイナーは1人だけ」という部署も多く、同じ仕組みを導入するのがベストアンサーではなさそうです。


👨 「それ、メンバーの成長の可能性を奪ってない?

そんな中、(今となっては誰だか忘れてしまったのですが)同僚にいわれた一言で転機が訪れます。

👨「デザイナー1on1の組み合わせって、どうやって決めてるの?」

👩「グラフィックタイプ、エンジニアリングタイプといった感じのデザインスキルのタイプごとにグループを分けてますねー」

👨「ふーん…でもそれさ。マネージャーがスキルタイプを決めちゃうんでしょ。それ、メンバーの成長の可能性を奪ってない?

さらっと言われのですが、その日の夜、布団の中で「たしかにな…」と思い始めます 🛌

💪 わかった、一新しようじゃないか!

そこで、デザイナー1on1に代わって新たに導入されたのがこちら。

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師匠制度の目的は「デザイナーの能力とパフォーマンスの最大化」

周囲のメンバーを成長に導くという観点で特性を持ったシニアデザイナー4人を「師匠」という役割に任命。デザイナー達は、彼らの中の1人に「弟子」としてつくことでペアを組む形になります。

師匠/弟子という関係性については、それぞれに「役割」「期待される行動」を公開しました。

🌟師匠
役割
・クックパッドの展開するサービス群を理解し、メンバーのデザイン品質を向上させる
・弟子のスキルを理解し、能力とパフォーマンスを最大化する
・弟子の目標設定について助言を行い、期末評価ではデザイナー評価を行う

期待される行動
・日常的な対話と支援(1on1/適切な相談先の紹介など)
・デザイナーとしての目標設定と評価
・デザイナーマネージャーと連携し、課題提起を行う

🔰弟子
期待される行動
・プロダクトを成長させる上で、自らのデザインスキルに関しても常に高い成長目標を持つ
・目標に対する行動や、悩んでいることは対話を通して解決しよう
・抱えている問題は、素早く師匠に相談しよう

そして師匠/弟子の組み合わせですが、なんと「師匠は指名制」に。各メンバーは成長に導いてほしい師匠を選んでgoogleフォームで提出できるようになりました。

どの師匠が何がつよいデザイナーなのかは、以前紹介した「スキルマップ」を活用しています。最終的にはマネージャーの方で本人の希望/今期の業務内容/成長目標を見つつ、師匠と弟子の組み合わせを決定します。あくまで成長観点が重視されますので必ずしも希望通りになるとは限りませんが、今回は奇跡的に概ね希望通りに振り分けることができました。

ルールとして設定したのは、「隔週30分は対面で話すこと(ランチやzoomでもOK)」「毎回話したことや決めたことは記録に残すこと」の2点のみ。

それ以外の細かい運用は各師匠に委ねました。

👀 導入後すぐに変化が…

当初私が予想していた以上に、良い変化が生まれはじめました。

デザインスキルを互いに鍛えようという意識が生まれた

もともとは1on1しか想定していなかったのですが、師匠によっては弟子と集まって対面デザインレビューを実施するチームが現れはじめます。

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また、経験年数の若いデザイナーが多い師匠チームでは「デザインにまつわる著作権の取り扱いについて基礎を学ぼう」と読書会を実施したそうで、そこで学んだことをデザイン会で発表することになりました(法務部のサポートあり!)。

師匠の意識も変わった

師匠側の変化としては、指名制導入により「選んでもらったからには期待に応えたい」と思うようになったそうで、後輩デザイナーの成長に献身的に向き合ってくれました。
その結果、以前より高頻度でデザインに関するアドバイスや成長目標の見直しが行われるようになり、逆に各メンバーとの相談で出てきた組織として対処すべきことは速やかにマネージャーに集約されるようになりました。

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また「教えるためには、みずから進んで勉強するようになった」という声もあがっていました。


未経験領域のデザインスキルの修行機会にも

「プロトタイプの制作時、グラフィックデザインでつまづくことがあるので修行したい」という理由でエンジニアリングタイプのデザイナーがグラフィックに強い師匠を希望するなど、これまでになかった組み合わせも生まれました。

…このように、組織を超えてデザイナー同士の小規模なスキル研鑽コミュニティができたこと、デザイナーとして自らの成長目標を意識するようになったことに手応えを感じたため、2020年度も新たな師匠も加え新たに制度スタートを切ったところです。

🙅‍♂️ 未解決の課題

…と、効果はありつつも課題もあります。

まず「師匠の時間的負担⏳」。頼られると全力で応えたくなる素敵な師匠陣ですが、彼らも現場でガリガリとデザインするプレイヤーのため、あまりに1on1や育成に時間を割くことは現実的ではありません。そこで2020年からは「担当人数はMAX4人まで」としました。

次に「ラベルがつよい 🦍」。師匠制度という名前があまりにキャッチーだったので制度と内容についてはスッと浸透しましたが、逆に師匠にはベテランしかなれないイメージになってしまいました。先輩/メンター/コーチなど別ラベルも検討しましたが、しっくりくるものがなく「もはやぐるぐる考えているこの時間が無駄」と思い、名称についての模索は中断しています。どなたかいい名称案あったら教えてください…

最後に「生存バイアス説 ⛰」。そもそもこの業界でなんとか生き残っている大人デザイナーのアドバイスを愚直に聞きすぎることによって、若者の成長を歪めてしまうのではないか?という懸念もあります。「10年以上キャリアの離れている人は指名できない」という生存バイアス回避ルールも一時期検討しましたが、今のところ答えはありません。とはいえ師匠陣の行動支援能力は正しく強化したいため、今年はコーチング研修も実施しようかと考えています。

🖋 まとめ

目的と期待されている役割を理解すれば、メンバーは活き活きと行動しはじめる。

言葉にするとまぁまぁありふれた結論になってしまったのですが、マネージャーとしてメンバーの意思を知り、そして期待していることを率直に伝えることの大事さを学びました。

頭の中のアイデアを具現化し理想の形に磨いていくには、技術を磨き続けることも重要です。今年もデザイナー陣が毎週登場して様々なサービスでのおはなしを紹介していきますので、ぜひマガジンをチェックしてくださいね!👇

ではでは🦄



素敵なzineをつくりたい