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原宿、というカルチャー

もうかれこれ原宿の美容室に行くようになって15年くらい経ったように思う。もともと通っていた美容室から担当が独立してからも、ずっと場所は変わらず原宿だったので一ヶ月半に一度は原宿に行く生活。ずいぶん変容した街のひとつだ。

わたしが学生だった頃は赤文字系だの青文字系だの、ファッションというものがわりと多様だった。原宿あたりは個性派と呼ばれるような人たちがたくさんいて、街中を眺めるだけで色んなファッションがあって面白いなと思うことがたくさんあった。最近はだいたいみんな同じような格好をしているし、原宿あたりは外国人が多くなって、いわゆるインスタ映えするような食べ物なんかのお店ができては消えていく、消費される街になったように感じる。原宿という街のカルチャーは、コロナ禍以降、本当に終焉を迎えたのではないだろうか。

通っている美容院はプライベートサロンなので、オーナーと色んな話をするが、ここ最近の家賃の高騰は驚くもので銀座より高いらしい。なので美容院は銀座に増えているのだとか。それから中国人が物件を買い上げて転売して儲けているとか。若い人も今は新大久保あたりに流れていって、原宿という街の文化が変わってしまったとか。

そういった街の変容によって、美容院を原宿から移転することを決めたようだ。長いこと通ううちにできた、東郷神社への参拝や、居心地のよいカフェ、サプリメントがオトクに買える薬局、時々流行のお店で飲み食いしたお店なんかに行くことができなくなるのは寂しいけれど。街の雰囲気をみると、致し方ないよなあとも思う。東郷神社と、その近くのカフェは本当に好きなので美容院が移転しても行こうと思っているが。東郷神社のおみくじの辛口具合と、カフェのサラダセットがめちゃくちゃ好きなので。

カルチャーとしてひとつの時代を終えたとしても、わたしにとってはこれからも思い出深い街だということに変わりはない。こんなことしたなぁ、とか、あんなお店があったよなぁ、とか、最早記憶の中にしかないものも含めて、これからもあの街に行っては思い出すだろう。こどもたちが大きくなる頃には、更にどんな変容を遂げているだろうか。できれば消費されるだけの街ではなく、何か新しいものが生まれる街であってほしいと願っている。


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