名も知らぬ忘れられない人たち
/バス停のおじさん
社会人1年目の営業。全く上手くいかなかった。
上司もいない、先輩も指導係もいない、「はい。明日から取引先、回って来て。」と投げ出され、名刺の渡し方もアポの取り方も知らないあまりにも世間知らずな新人。明らかにあしらわれているだけの取引先の人たちとのやり取り。悲しくて、悔しくて、情けないし、今すぐどうにも出来ない、はがゆさの途方にくれ、バス停で動けなくなってしまった。
誰とも目を合わせないようにしてたのに、おじさんが話しかけて来た。
「社会人1年目だ?」「、、